帰らせて、今すぐに!!
更新遅くなりました!!
すいません。
「「「はぁ~~、疲れた~~」」」
ドリンクバーで飲み物を注ぎ終わり、一人言を呟いたつもりだったのだが、声が重なってしまった。
その事に、ほんの少し気まずさと恥ずかしさを覚えながら声が聞こえた方へと振り向くと、
「「「あれ?」」」
驚きを隠せずにいる男子二人と目が合った。
二人、それはリョウとシュンだった。
「「それじゃあ!!」」
俺とリョウは退却の選択肢を選ぶ。
が、
「待て待て待て」
シュンのみ、違う選択肢を取っていた。
「なんだい?僕、新田さんを待たせてるから早く戻りたいんだけど」
焦ったリョウが言葉を返すが、墓穴を掘ってしまう。
「へ~~、難攻不落のリョウ様がね~~」
シュンはニヤニヤしながら呟く。
リョウは、己が犯した間違いに気付き、方向転換してきた。
「そ、そういえば、ジュンは誰と来たんだい?一人って訳じゃないだろう?」
リョウの目からはハイライトが消えていた。
いや、ホント、勘弁してよ。
「お、俺は……」
「どーせ白川さんだろ?隣の部屋から聞き覚えのある綺麗な声が聞こえてきたからまさかとは思っていたんだが」
へーー。そんな推理してたんだ(棒読み)。待て、隣?
「僕も隣から聞こえて来てたよ。何か、新田さんがビクビクしてたからたぶん白川さんだろうなと思ってたけど」
「「まさか、隣だったとはな!!」」
俺は、彼らの言葉に、溜め息を溢してしまう。
「お前ら、何時にここに入った?」
俺は、確認の為に時間を問う。
俺達の入室時間が10時。
既に開始から三時間が経っている。
今まで一回も会っていなかったのが怖いぐらいだ。
「僕達は10時15分」
「俺らは10時30分だな」
15分置きに入室していたのか・・・
「そうか。聞きたいことは聞き終えたから戻るわ。じゃあな」
再び、逃走を企む。
どうせ、合流しようとか言い出すんだ。
「「待て待て待て」」
今度はリョウまで加わり俺を羽交い締めする。
く、くるしい。
「ギブギブ、わかったから放せ」
「ということで合流しようぜ。店員さんに言えば一緒にしてくれるだろ?」
予想通りの提案に溜め息をつく。
「わかったよ。白川さんに話を通してくる」
「僕も新田さんに話してくるよ」
正直、二人きりは緊張が限界まで達していた為、助かったと言えば助かった。
だが、他の面倒事が舞い込んでくるので、シュン達とは合流したくなかったのだ……
「あれ?お前らは俺が誰と来てるのか知ってるの?」
「「どうせ妹だろ?」」
俺達は面倒事に頭を抱えながら、それぞれの部屋へと一時退却した。
数分後……………
「「おじゃましまーす!!」」
白川さんと新田さんがシュンの部屋の扉を開く。
直後、
「何やってくれちゃってるんですか、このバカ兄貴!!」
シュンの妹、舞ちゃん(10話参照)がハリセンでスパンと頭をひっぱたいていた。
「痛っ~~、何すんだよ!!」
当然、シュンは不満の声をあげる。
「やらかしてるから言ってるんでしょ!!こんな美少女二人を連れてくるなんてお兄ちゃんが出来る訳ないじゃん!!どんな脅しを使ったの!!」
「何もしてねーよ!!というか二人も隠れてないで出てこい!!」
シュンはあっという間に悲鳴をあげてしまう。
女子生徒二人は何をしたらいいのかわからず困っているので、俺達も姿を現すことにした。
「わりーわりー。舞ちゃん、久しぶり」
「おひさ、舞。安心しな、まだ、犯罪は犯してないから」
「ジュン!!てめぇー!!」
俺は、突っ込みは無視しながら部屋に入る。
「はぁ~~、お二人のお連れさんでしたか。早く出てきてくださいよ。お兄ちゃんが罪を犯したのではと焦ったじゃないですか!!女性のお二人方すいません、お見苦しいところをお見せして」
俺らの登場に落ち着きを取り戻した彼女は固まっている女子二人にペコリと頭を下げる。
「大丈夫だよ、ね、にーちゃん」
「うん。あなたは、蒼井君の妹さんでいいんだよね?私は新田沙耶香。宜しくね」
「ご丁寧にありがとうございます。妹の蒼井舞です。いつもバカな兄がお世話になってます」
二人は何故か自己紹介まで流れるように終えてしまう。
スゲーな女子。あ、白川さん出遅れた・・・
「私は白川遥。え~と、宜しくね、舞ちゃん」
白川さんは遠慮がちながらも自己紹介を終える。
ここで何か続くはず。
なのだが、舞は口をあんぐり開け、固まっている。
「え、白川遥さん?本物?」
彼女の問いの意味は1つしかない。
「う、うん」
「う、嘘!!大ファンなんです!!サインください!!」
そして、サイン会が開始された。
五分後、
「ありがとうございます!!我が家の家宝にします!!」
一人、色紙を抱きしめ号泣する女子が生まれていた。
「あ、うん。ありがとう」
白川さんは若干引きながらも頷く。
「で、これからどうするんだ?」
シュンは疑問を口にする。
合流する話を白川さんにした時に待ったが掛かったのだ。
「あ、はい。これから、私の家に移動したいと思います」
「「「「はい?」」」」
「あ、なるほど」
理解の出来ない四人と、一人は舞台を移すこととなった。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「ここが私の家だよ。さぁ、中に入って」
新田さん以外全員が口をあんぐりとあける。
彼女の家は大豪邸だったのだ。
庭にはテニスコートとプールが見え、家は屋敷そのものだった。
「「「「お邪魔しま~~す」」」」
俺達は遠慮がちに門をくぐる。
家に入り、なすがままについていくと、
「ここなら時間もお金もかからないと思って・・・・・・」
カラオケルームがあった。
「にーちゃんは前に来たことあるでしょ?」
「うん。でも、良かったの?突然来て」
「大丈夫。お父さんとお母さんは仕事だから。さ、始めよう!!」
結局、何故、家にカラオケがあるのか理解できないまま、俺らのカラオケ大会は開始された。
「じゃ、僕が最初に歌います!!」
一人目、リョウ、演歌。
「私、行きます!!」
二人目、舞、アイドルグループの曲。
「じゃあ、私が」
三人目、新田さん、雪の華。
「俺、いっきまーす!!」
シュン、翔べガンダム。
そして、
「私の番だ!!高橋君、ダンス宜しく」
白川さんの無茶ぶりが来た。
曲は、晴れハレユカイ。
踊れとさ・・・
「二人ともやろう」
俺ら三人は、少し離れた所に移動し、イントロが流れると共に、踊り始めた。
「なぞなぞみたいに♪」
白川さんは可愛い声で歌っていく。
歌う美少女。隣に、オタク男子三人がガチダンス中。
シュールな場が生まれていた。
「お疲れ~~」
歌が終わった時、俺達は膝に手をついていた。
「お兄ちゃん達、バカ?」
「わ、私は凄かったと思うよ」
女子二人から、それぞれコメントを頂く。
完全に踊りきったのだ、YouTubeにあげたいぐらいだぜ!!
「高橋君、次でしょ、何歌うの?」
俺がマイクを受けとると同時に、曲名が画面に表示される。
星野源の『恋』
「次も、踊らないとね♪」
「「嘘だ!!」」
そして、男子達の悲鳴がマイクを通して部屋に響き渡った。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「疲れた~~、え~と、トイレは?」
俺は、歌い終わった後、トイレに行くために部屋を出た。
辺りを見回したその時、一人の男性と目があってしまった。
しっかりとした身体に、ダンディーな顔立ち。
体から発せられるオーラは、イケメンに満ち溢れ・・・
「初めまして、白川陽斗です」
笑顔を浮かべ名前を告げた。
「・・・・・・」
俺は、彼の存在に言葉を失っていた。
彼は、にこりと笑ったままこちらを見ていた。
「遥の父です」
「初めまして、娘さんの友達の高橋淳也です。名俳優と言われる白川陽斗さんにお会い出来て光栄です」
俺は何とか口を開く。
彼、白川陽斗はサスペンスの魔王と言われるほどの名俳優である。
そして、言葉とは裏腹にこう考えていた。
ヤバい、帰らせて……と
文章を書くのが下手になってる……(元から下手ですが)
すいません、書く期間が空いてしまったので文章が読みづらくなってると思います。
次回までには戻します!!




