体育祭だ!!・・・・・・帰りたい
今回、下ネタ入ります。
苦手な方は飛ばしてください。
遂にやって来ました体育祭。
はぁ~、帰りたい。
午前の部はあっという間に終了。
お昼休みが終わった現在、校庭中央では応援合戦が行われていた。
「やっぱり体育祭って暇だよな~~」
俺は青春を謳歌する学生達を見ながら呟く。
「出場してないからでしょ?」
リョウは俺に呆れつつ言葉を返してくれる。
「でもよ、こんなリア充イベントに出たがる奴の方が少ないだろ?」
「そんなことないと思うけど・・・」
リョウは言いながらも目を反らす。
現在、応援席にはやる気のない人達しかいない為、全員がだらけているのだ。
やる気のある生徒達は応援合戦に参加して踊っている。
リョウの言葉には説得力が残念ながらない。
『借り物競争の方、集合場所に集まってください』
アナウンスがかかる。
どうやら出番らしい。
「出番だ、行こうぜジュン」
今まで眠っていたシュンがエネルギーチャージが終わったと言わんばかりの笑顔で告げる。
「頑張って!!」
あえてヒロインボイスで告げてくるリョウに見送られ、集合場所へと向かった。
「借り物競争ってなんかワクワクするよな!!」
待機列で前に座っているシュンがバトル系漫画の主人公みたいな台詞を口にするが無視をして校庭へと視線を向ける。
ちょうど、最初の借り物競争の一組目がスタートしていた。
『借り物競争がスタートしました!!今年から多くのお題が追加されたとの事、今年はどんなお題が、どんな奇跡があるのか楽しみです!!』
司会女子が楽しそうに実況を入れている。
実況が終わるタイミングで全員がお題を書かれたカードを引いていた。
「あれ?」
カードを引いた男子二人が動く気配がない。
何かヤバイものでも引いたのか?
「オリハルコンなんてあるわけないだろ!!」
一人の男子が持っていたカードを地面に叩きつける。
『おっと、ここでの伝説の金属オリハルコンだ!!彼は世紀の大発見をすることが出来るのか!?』
(主に男子から)笑い声があがる
空想上の金属をお題として出されるとは誰も思っていなかっただろう・・・
「リョウならオリハルコンとか持ってそうだよな」
「だな~~」
「お、もう一人も動き始めたぞ!!」
待機組の生徒の一人が声をあげる。
カードを持った彼は迷いなく、一人の生徒の元に向かう。
そして、女子の手を掴み走り始める。
『これはまさかのまさかの』
ゴールした直後、男子生徒は女子生徒を熱い眼差しで見つめ告げる。
「俺と付き合ってください!!」
『告白だ~~~!!』
マジか!!
『答えは~~~~』
女子生徒は、顔を真っ赤にしながら返事を告げた。
「ごめんなさい!!」
直後、告白した男子は灰となった・・・
その後も借り物競争は盛り上がりながら進みヤバめなカードも続いた。
魔導書、魔剣、ヒヒイロカネにポーション、どこでもドア。
これらが出た生徒は他の生徒がゴールした後、時間切れでゴールしていた。
ヤバカードは一種類につき二枚、普通のカードは四枚あるみたいだ。
告白カードは既に三枚出ている。
一人は先生に告白するという漫画的行為の果て玉砕。
もう一人は先輩に告白して無事結ばれていた。
良かった、良かった。
「よし、行ってくる」
シュンは元気よく出ていった。
俺も次か・・・
シュンはカードを引き当てた途端、フリーズした。
あ、ドンマイ・・・・・・
「舞、来てくれ舞!!」
シュンは名前を叫ぶ。
半袖のシャツにショートパンツのラフな格好の少女が姿を表す。
舞ちゃんはシュンの妹で中学二年生でかなりの美少女。
シュンのことが大好きなブラコンjcである。
「うん」
舞ちゃんは顔を真っ赤にしながらシュンに手を引かれていく。
生徒達は突然現れた美少女に興奮を隠しきれていなかった。
『え~と、蒼井君、彼女、誰?』
「俺の妹です」
『引いたカードは・・・ウソ!?まさか、禁断の・・・』
司会女子は何やらゴニョゴニョ呟いているが、全生徒の視線が二人に集まる。
「舞、伝えないといけない大切な話がある」
真剣な表情で告げるシュン。
舞ちゃんはコクンと頷く。
皆が彼の言葉を待つ。
「俺、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先週、お前が冷蔵庫に入れてたチョコケーキ食べちゃった」
「「「「・・・・・・」」」」
会場に微妙な間が流れる。
『な、なんと、罪の告白でした~~!!』
「ごめんな、舞。この通り」
シュンは両手を顔の前で合わせ謝っているのだが、
「・・・・・・」
舞ちゃんは何も喋らない。
「ま、舞?」
「おにぃちゃんの・・・」
あ、キレた・・・
「お兄ちゃんのバカ!!」
舞ちゃんの強烈なビンタがシュンを襲う。
うわー、テンプレだーー(棒)。
そして、そのままどこかへと走り去っていく。
「ケーキ1個でそんなに怒らなくてもいいじゃないか!!」
何も分かっていないシュンは妹を追いかけ、どこかへと消えていった。
『そ、それでは気を取り直して次、行きましょう!!』
そして、俺の出番が回ってきた。
「位置について、よーい、『パン!!』」
開始と同時に、一人の男子が倒れた・・・
「あ、足つった。誰か助けて・・・」
だが、全員スルーしていく。
敵に塩を送る馬鹿はいないのだ・・・
保健委員の女子にお姫様抱っこで運ばれていく。
会場からは苦笑が漏れた。
「よし、これだ!!」
俺達は可哀想な男子生徒のことを無視しながら走り続けていた。
お題が置かれている場所に着き、カードを選択する。
カードに書かれていたのは・・・・・・聖剣だった。
「よし、帰ろう!!」
とんでもカードを引くのは予想できていたのだが、やはり、引き当てると悲しくなる。
内心、告白カードとかじゃなくて良かったと思いながら。
「リョウ、聖剣持ってたりする?」
軽い調子で訊ねる。
「聖剣?持ってないよ」
リョウでもダメか。
「お題が聖剣なんだよ。お前が持ってないとなるとな・・・」
周りの生徒は、「は?何言ってるのこいつ」という視線を俺に向けてくる。
「わかったよ。ちょっと待ってね。あ、もしもし・・・」
リョウは言うと電話を始める。
しばらくすると、幼稚園ぐらいのイケメンな男の子が走ってきた。
「お、来た来た。ごめん貸して。ありがとう。はい」
「ありがとう。君もありがとうね」
俺はリョウが呼んだ相手、彼の従兄弟(五歳)に礼を言って走る。
『おっと、赤組と白組の選手、同時にゴールしました。これからお題の確認が開始されます。ですが、白組の選手、何も持っていないようにも見えます。いったい何のお題なのでしょうか?』
赤組は俺だ。
やるからには全力でがモットーの俺なので一位を狙ったのだが、同着となってしまった。
『それでは赤組の選手、お題と借りてきたアイテムをどうぞ!!』
「お題は聖剣、持って来たのは聖剣」
俺は審判の生徒に告げる。
『おっと、赤組の選手、何かとんでもないことを言い始めました。聖剣なんてあるわけ・・・・・・』
そこで、俺が借りてきた剣を見て笑っていた。
「これだけど」
『なるほど。あ、オッケーです!!』
司会の生徒は、理解してくれたみたいだ。
これは、アクションヒーローが使ってた聖剣・・・らしい。
彼女にも、年下の知り合いがいるのだろう。
『それでは白組の選手、お題とアイテムをどうぞ』
「お題はこいつと同じで聖剣だ」
白組の男子は自信満々に告げる。
『アイテムはどこに?』
なんか見えない剣とか言い出しそうな流れだよな・・・
「ここにある。これが俺の聖剣だ!!」
男は自分のチ○コを指差しながら叫んだ。そう、チン○をだ・・・
これは駄目な奴だろ・・・・・・
会場全体が静寂に包まれる。
『白組の選手』
最初に口を開いたのは司会女子だった。
『退場』
処分が決定した。
彼は、ナイスボディーな生徒達(マッスル部)に連れて行かれる。
『はい。それでは次、行きましょう!!』
何事もなかったように体育祭は再開した。
次話投稿は・・・・・・いつだろう?
冗談はそこそこに早めに投稿します。
一週間以内には更新出来ると思います。
次話も宜しくお願いいたします。




