表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

プロローグ

前作を読んでくださって皆様お久しぶりです。初めての皆様は初めまして。

松輝です。

精一杯書いていきますので読んでいただければと思います。

宜しくお願いいたします。


 授業中の教室。

 教師の声をBGMに机の上に置かれたノートに文字を綴っていく。

 文字だけでは何の意味も持たない言葉も繋がっていくことで物語となっていく。

 作品となっていくことに嬉しさと楽しさを感じながら、物語(ライトノベル)をノートに書き込んでいく。


「・・・・・・高橋、聞いているのか、高橋!!」


 教師の言葉によって創作の世界から現実の世界に引き戻される。


「はい!!」


 授業を聞いていなかったとはいえ先生の言葉を無視する訳にはいかないので返事をしてから立ち上がった。


「高橋、ノートを一生懸命取るのは良いが先生の話はちゃんと聞いておけ」


 俺は教師の言葉に思わず苦笑してしまう。

 同時に、教師が勘違いしてくれたことに少しの安堵を感じていた。

 

 板書は一切してないんだよな。ラノベ書いてたなんて言えるわけないけど・・・・・・


 俺は心の中で呟きながら教師の言葉を待つ。


「じゃあ、この問題を解いてみろ。あれだけ集中していたんだから解けているだろう?」


 俺は心の中で舌打ちする。

 現在の授業は数学。

 文系の俺(言い訳)には数学は魔境である。

 特に今行っている範囲は苦手な場所であったりする。


 集中はしてました。ノートにも色々書いていました。

 でも、問題は解いていません。

 ってか、どの問題??


 そう言えればどんなに楽か・・・

 だが、言えるわけもなくどの問題かを判別する手段を考える。

  

 解けないとヤバい。解けないとヤバい。


 心の中はそれだけが満たしていた。

 

 だが、どんなに黒板を見てもどの問題かがわからない。

 本当にどの問題なのだろうか?

 気持ちが焦り始める中、どこからか声が聞こえた。


「高橋君、高橋君・・・」


 甘く透き通ったどこか美しく、どこか可愛いの声が俺の名前を呼ぶ。


 声の主は右隣に座る女子生徒のものだった。

 白くキメの細かい肌にスラリと伸びた足、整った顔立ちにふっくらと存在する胸部、美しい黄金色の髪。

 学園のアイドルである彼女が俺に視線を向け、目が何かを語っていた。


 彼女は他の者に気づかれないようこちらにノートを見せてきてくれていた。

 そのノートには、『この問題だよ』と可愛らしい文字で書かれ、その下に問題文と途中式、答えが綺麗に並べられて書かれていた。


「式が・・・で答えが・・・です」


 俺は教師に向かってノート通りの答えを告げる。

 問題はこれであっているのか?というちょっとした不安と疑いを持ちながら教師の返答を待つ。


「高橋、・・・・・・正解だ」


 教師の言葉にそっと安堵の溜め息を溢す。


「高橋悪い。ずっとノートばっかり見てたから先生は高橋が授業をちゃんと聞いてくれていないのではと疑ってしまった。本当にゴメンな」


 教師は申し訳なさそうに謝罪してくる。

 黙っていればわからないのにあえて口にしてくるのがこの教師の特徴であり、この教師が生徒から好かれる理由でもあった。


「い、いえ」


 俺は呟くように言葉を返しながら、


「(授業中に関係ないことをして、ズルしてすいませんでした!!)」


 心の中で土下座していた。


 答えを教えてくれた彼女は俺の表情を見ながらクスクスと笑っている。

 答えを教えてくれた恩人に何か言われる訳でもなく黙って彼女が笑う姿を見ていた。

 その後、何の問題も起きず授業終了のチャイムが鳴った。


「ありがとう」


 俺はボソリと呟くように彼女にお礼を告げ、友人達のいる席へと移動する。

 彼女は少し不満げな顔をしていたが特に気にすることもなくその場を去った。


「授業中に書いてるから怪しまれるんだよ」


「少しは気を付けなよ、ジュン」


 友人達の第一声はそれだった。

 

 ここで俺の友人、いや少し違うな、親友の二人を紹介したいと思う。

 

 言葉使いが少し荒い方が蒼井俊(あおいしゅん)

 アダ名はシュンだ。

 中学からの付き合いでオタク仲間である。

 サッカー部に所属しており、今年はレギュラーとして活躍している。

 彼女は無し(過去含む)で時々彼女が欲しいと言葉を漏らすことがある。

 そんなことばっかり言ってるから彼女が出来ない節がある。

 勿論、容姿は黒髪黒目とラノベ主人公のような普通さだ。

 つまり、可もなく不可もない。


 言葉使いが丁寧な方が村上良平(むらかみりょうへい)。 

 アダ名はリョウ。

 リョウとは小学校からの付き合いで所謂幼なじみというやつだ。

 部活は所属していないがしていないというより出来なかったの方が正しいだろう。

 リョウは明るい茶色の髪に整った顔立ちを持つイケメンである。

 又、運動神経も抜群というチートキャラな為、多くの部活から勧誘が掛かり、取り合いとなってしまった為部活に入れなかったのだ。

 皆の予想している通り成績も優秀であり、少女漫画に出てくるイケメンキャラそのものである。

 彼女はいない(学校にいる女子生徒の大半が撃沈)。

 本人曰く、付き合ったら彼女が他の女子に襲われるとのこと。

 まぁ、間違いではないだろう。

 一応オタクでもある(俺の布教活動により)。


 少し説明が長くなってしまったので俺自身の説明は今回は省こう。

 名前だけ紹介すると高橋淳也(たかはしじゅんや)、アダ名がジュンだ。

 シュンと似ている?気にするな・・・


「なぁ、ジュン。さっき姫様に声をかけてたみたいだけど何かあったのか?」


 出来るだけ気づかれないよう小声でボソリと呟いたのにリョウは気づいていたらしい。やはり彼はチートキャラだ。


「ああ、問題聞かれた時に教えてくれたからお礼を言っただけだよ。姫様に堂々と声をかけたら騎士団に殺されるぜ?粛清だ!!って」


 俺は言葉を返す。

 姫様とは右隣の席に座る美少女、白川遥(しらかわはるか)

 元子役女優である彼女はその美しさから姫様と呼ばれていた。

 騎士団は簡単に言うと非公認の過激なファンクラブだ。

 

「それもそうだな」


 リョウは理解してくれた。

 俺は陰キャ、あっちは陽キャ以下略。

 って言ってもあっちが輝き過ぎて陰キャになってるだけ。

 そう信じたい。


「ま、お前と姫様の間に何かあった方が可笑しいよな」


 シュンは笑いながら告げる。

 サラッと貶すなよ、傷付くだろ?


「もしかしたらここから二人の関係が・・・」


 フラグが・・・


「リョウ、ジュンだぞ。それはない」


 立たなかった!! 

 否、立ったんじゃね?


 そんな馬鹿な会話を続けてる間に中休みは終わり授業が始まる。

 

 授業中、何度か白川さんから視線を向けられていたことに気付かずに時間は進んでいく。


 この時、俺は彼等の会話が現実になるとは思っていなかった。

 リョウの主人公力を見誤っていたのだ・・・



 次の日の放課後、俺は白川さんに呼び出されていた。

 



 

 

読んでくださりありがとうございます。

多くの人に楽しんでいただける物語を目指して書いていきたいと思っています。

今作は不定期更新とさせていただきます。

必ず最後まで書き上げますので更新期間が空いても待っていただければと思います。

次話も読んでくださると嬉しいです。

皆様、これから宜しくお願いいたします。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ