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7/20

その7 ぅゎょぅι゛ょっょぃ

「よっしーたん!」


 お部屋に戻ってきた竜の幼女を、ポカポカ叩いた。


「英雄が来てるって、バラしちゃラメ~!」

「えー? だっておヌシ、全力で頑張るって言ったじゃろ? アバターも違うし、そうそうバレんノジャ」


 あー、そーゆー認識でチュたか。


「んっとねぇ。ボクの戦い方って、これオンリーなの」

「え?」

「あんな前フリだと、100%バレちゃうでプ」


 よっしーたん、お目々パチクリ。


「ワシ、やっちまったかノォ?」

「うみゅ」


 あぁ……。ぐっばい、マシュマロぼでぃ。


「ボク、アバター消すよ」

「待つノジャ、英雄!」

「ヤダよ! もー絶対バレちゃう!」


 紳士2人のガチバトルでチュ。決して、姉と弟のほほえまし~ケンカじゃないでチュ。


「お二方」


 ボクらのえり首を、ヒョイとつまんだクロエたん。


「それじゃあ、バレないように頑張りましょうね?」

「――でチュ」

「ノジャ……」


 笑顔がすんごくコワかったでプ。




 その後もオニャノコは、お外で狙われた。みんなアバターを変えてない子で、キッチリお手紙が届く。


“無理矢理トップを戻すような店に未来はない”


 ブッブー。こんなヘッポコピーこそ、「のーふゅーちゃー」でプ。

 お店の子も、また不安がってるみたい。早く解決したいでチュね。むん!






「ケケッ。よお、葦原」


 冒険者10人での遠征中、馬人のゲハラーヅが肩を叩いてきた。


「話は聞いたぜ? あわっこで大活躍とかよぉ」

「ん?」


 はにゃっ! えぇっ、バレた~!?

 んでも、パールたんは笑ってた。


「フッフ~ン! お馬さんの想像とは、ちょ~っと違うわよ~?」

「なんだよ、どケチ」

「友達の話だケドね? こないだ、ソコで事件が起きて、解決のために呼ばれたんだって。ね~、英雄様?」


 黙ってコクン。


「おい、葦原~! 俺も呼べよ~!」

「アハハ! 馬面ハゲはダメなんでしょ、シッシッ!」


 さっさと追い払っちった。


(とまぁ、こんなモンでどうです、英雄様?)

(ありがとう)

(困ったときはお互い様、でしょ?)


 あぅ。立場が弱いでプ。


(パールさん。困ったといえば、引っ掛からないね)

(ですね~。昨日も空振りでしたし)


 そーにゃのだ。

 ブラつく悪魔たんを、囮にするって作戦ネ。出歩く子も少なくなったし、食いつくかにゃ~って思ったんだケド、じぇんじぇん狙われない。


(敵はビビってますよ? 襲うタイミングが、ぜ~んぶ英雄様の活動中ですモン)

(僕が休めば収まるってワケか。だけど、こっちも大事だしね)

(ええ、アタシも困ります。コッチのが稼げるんで)

(ははは)


 ん~みゅ、困ったコトに、英雄の動きが敵に筒抜けなんだよネ~。誰かの【衛星球】に映った途端、動画を出されちゃうんだモン。

 ――んゆ?


(そうか……。犯人も、こちらの動きに縛られてるんだ)

(おや~? 名探偵の称号まで狙ってますね)

(ないない)


 それは困難でチュ。


 あ、そだそだ。ざまぁ団・第15支部は、40人ぐらいいたけど、軽~くやっつけたでチュ。


「英雄様……はにゃ~ん」

「パールちゃんの気持ち……。分かってきたわ」

「いやはや……もう、葦原だけでいいんじゃねえか?」


 ムリだって。


「みんながいたから、半分倒せただけだよ」

「イヤ、それが無理だって!」


 え、別にボケてないんでプけど。

 総ツッコミされたでチュ。




 ネズミ紳士に戻ったボクは、あわっこでクロエたんとナイショ話をした。


「襲撃のとき、『お店にいない子』ですか」

「な~んか、気になってたの。ビリっけつの子を襲ったってのがサ」


 あわっこは、お店の子だけがランキングを見られる仕組みだった。ボクは、モーモーたん自身から順位を聞いたけど、トップ付近は有名だし、知ってるお客さんも多いと思う。

 んでもネ? おニューのオニャノコは多いワケ。だから、下の順位はどんどん変わる。


「その子、本当に最下位だったの?」

「はい。そのときの名簿順で、一番下でした」

「ならさあ、犯人って、『ランクの見えてる子』だよ」

「ですねえ」


 あ、クロエたんも気付いてたんでプね。


「ただ、単独犯と仮定しても、候補はまだ数十名おりまして」

「あぅ」


 んじゃ、プランBでチュ。


「実はボク、お知恵を借りれそうな人、知ってるんだけど」

「アノ方ですか?」

「でチュ」






「そんなに調べる必要はないわ、坊や」


 空き部屋にまねいた理子ピンは、銀髪を耳にかけた。


「そうね……、トップ10に絞ればどう?」

「んゆ、なんで?」

「足を引っ張るときはね、あまりに実力差がある相手は狙わないものよ。相手の方が、ちょっぴり上のライバル関係。今回だと、トップを狙える位置の子がアヤしいわ」

「ふみゅ。そんな理子ピンの人気は?」

「6位。――あら、アヤしい容疑者がいたわよ、坊や?」


 たはは……。


「理子ピンなら、もっとウマくやるでプ」

「ですねぇ。それに、理子さんのお仕事中にも、襲撃は起きてますので」


 クロエたんは、データを操作した。


「理子さんのお話をふまえて、トップ勢に絞りました。その結果……1人だけ、該当者が」


 クロエたんは名前を告げた。


「んじゃ、確認作業はボクにやらせて?」

「ランペルさま……」

「ボクなら、違ったときはゴメンナサイだし。何より、英雄としてのご指名だからサ。最後まで頑張るヨ」




 お部屋で待ってると、全身白いオニャノコが入ってきた。


「ありがとう、ネズちゃん。早速しよっか」

「んねえ、千帆たん」


 ランク2位の少女を見上げる。


「キミって、シューゲキ事件の犯人じゃないよね?」


 千帆たんは、目をまたたかせた。


「え、なんで?」

「ボクって紳士だから、オニャノコのシフトは覚えてるんでチュ。そんで、時間を調べたら、千帆たんが浮かび上がってきたんでチュ」

「え~? ちょっと~。やだ、ネズちゃ~ん」


 千帆たんは、ボクのほっぺをプニッとついた。


「そ~ゆ~ヘンテコな推理、他の人にしちゃダメよ~? 私は大丈夫だけど、怒る人もいるから。とくに、縦ロールのお嬢様なんか、カンカンよ~?」

「あの悪役令嬢たん?」

「そうそう」


 悪役令嬢こと、アークヤ・クレイ嬢たん。うみゅ、言いそうでチュ。

 反対に、千帆たんは、これっぽっちも言わなそう。


「んじゃあ、違ぅの?」

「もう~、ないない。ないってば~」

「ゴメンでプ」

「いいわよ~? ネズちゃんってカワイイから」


 2人は存分にあわっこを楽しんだ。


  ◇


 戦い終わって。


「ネズちゃんって、公園巡りが好きなの?」

「マホロバの中だけでチュけどネ」

「ふ~ん。1人で大丈夫かなあ、ボク?」

「はうぅ……弱っちいけど、すぐ逃げちゃうでプ」

「ウフフ。気を付けてね」


 バイバイしてお店を出たあと、【衛星球】を空に浮かべた。

 少し歩くと、ムキムキの虎男が後ろに現れる。ボールがバッチリ映してるケド、気付いてないみたい。シュッとナイフを投げてくる。


「きゃう!」


 背中に刺さった。コテン。


「フハハッ、くらえ!」


 すぐさま抱きしめにくるけど、オノコノコはのーさんきゅー! 【武具作成】で槍を出して、虎の手足を切りつける。


「なにぃ!?」


 すかさず虎をグルグル巻き! え~い、召し捕ったりー!


「3人とも、出てきていーよ」


 物カゲから、よっしーたんたちが現れた。


「千帆よ。ワシは残念ナノジャ」

「おあいにくさま! これが本性よ!」


 捕まった以上、中の人も調べられるモンね。千帆たんも観念したみたい。

 モーモーたんは驚いてた。


「なんで、千帆さん……?」

「ハッ、ウシチチ女! おっぱいプルンプルンさせちゃってさ! 大っ嫌いだったよ、バーカ!」

「私が休むときも、すごく親身に……」

「アンポンタン! 1位のテメーがジャマだったからだよ! そのまま辞めてろ、チクショウめー!」


 う~みゅ、ガラが悪い。相当カッカしてるでチュー。


 クロエたんが冷ややかに見下ろした。


「追放処分で済むことを、感謝して下さい」

「なにソレ、ダサいし! あークソ、ガキに釣られた。判断が足らんかったわ~! アバター人生、ハイ死んだー」


 好き勝手言ってるネ。あ、目が合った。


「ところで、英雄サマ? アンタって、ド変態の幼児だったのね~ぇ? ハ~イ、マスコミのエサ、けって~!」


 あー、そだねー。覚悟してた。

 生け捕りにする以上、口はふさげないモンね。


「千帆よ。おヌシ、なーにをカン違いしとるんジャ?」


 シッポで叩くよっしーたん。


「お客さんには、手伝ってもらっただけジャ。ワシのテクを、ちょこっと伝授してノォ」


 【武具作成】して槍を出すと、すかさず連続突き。おー、サマになってるでチュ。

 最後はピタリと虎のノド元へ。


「ワシと英雄、どっちの立場を用いても、おヌシは言い逃れをするからノオ。強いお客さんと、打ち合わせをしたまでジャ」


 虎は、目が点になった。


「じゃ……じゃあ、アンタが!?」

「フフフ、あわっこの支配人とは仮の姿……そう! 英雄とは、ワシのことジャー!」


 それにしてもこの幼女、ノリノリである。


(ワシからの謝罪ジャ。ごめんちょ)

(許すでプ)


 紳士の心は太平洋でプよ?


 モーモーたんにほほえんだ。


(もう、ダイジョビだよ?)

(ありがとう、ランペルくん……ううん、英雄様)


 ガクッときた。


(んっとね、モーモーたん? 幼女たんに聞いたんだろ~けど……ナイショ、ね?)

(はい。シーッね)


 包み込むように、ギュ~ッてしてくれた。はふ~ん、いい匂~い。

 しばらく夢心地だったけど、虎の大泣きで終わっちった。


「あばばぁ~! ずっ……ズビばぜんでじだ~!」


 ほえ? どったの?


 クロエたんがメガネを直す。


「支配人が、よく言い聞かせましたので」

「ナノジャ~!」


 ぅゎ、ょぅι゛ょっょぃ。

 だよねー。ポカポカ叩いちったけど、泣く子も黙る魔王でチュもんねー。


「コヤツが単独犯と分かったからノォ。これでもう、誰もおびえんですむノジャ!」


 誰も……?

 いや、足もとの虎、ガクガクなんでチュけど。




 ――OHANASHI、コワイでプ。

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