第1話:これが変身ヒロイン!?~現実はアニメの世界より奇なり~
長い?かもです。
『まあ、携帯が届いたってことは、君達に能力があるってことで、ちょっと地球とか世界とか救ってほしいんだよね~。ってわけで、あとは各自自己紹介したりチーム名決めたりしちゃって?あ、お仕事はレッドのパソコンに送るから。じゃ、後よろしく~』
ブチッ
『…』
電子音はそれだけ言うと聞こえなくなり、その場には無言で立ち尽くす俺達が取り残された。
『さ、さてそれじゃあ、自己紹介をしようか?私はとある学校のアニメ研究会で怪鳥をしているんだ。怪鳥、もしくはレッドって呼んで?』
一番最初に回復したのはレッド。早々に自己紹介を始めた。
『…ブルー、です。』
『私はグリーン!!現役女子中学生です!!』
『どう見ても女子高生だろ。あ、あたしイエローな!!』
『変身後の格好や姿は突っ込み禁止だよ、イエロー。そして俺が!!ピンクだぜっ!!』
『……』
俺は一人、目を閉じていた。どうも、集まった奴らは騒がしい。俺の苦手な部類だ。
『ブラック、ノリが悪いぜ☆』
『貴様らの様なテンションは嫌いだ。(他人が嫌い。…だが一番嫌いなのは自分自身だ。)』
『じゃあ、全員顔合わせは済んだね?だったら明日から、地球のため&世界のために頑張ろうか!!』
『『『イェーイ!!』』』
レッド、ピンク、グリーンが歓声をあげると同時に、俺は目を逸らして溜息をつく。
『じゃあ、チーム名決めようよ。』
『怪鳥ってアニメ研究会の会長?』
『うん。』
…なんだ、この偶然は。
『じゃあさ…アニ『アニ研戦士アニケンジャー…』ブラック…?』
はっ、つい本音が!!
『なんかいいねそれ!!』
『じゃあ、それでいこう!!結成!!アニ研戦士アニケンジャー!!』
ってこんなんでいいのかよっ!
こんな会話があったのが1ヶ月前。
そして現在…
「悠ちゃん♪」
「ふざけるな。誰が悠ちゃんだ。俺は下の名前好きじゃねーんだよ。」
「いいじゃん別に。可愛いんだし。」
「なっだっ誰が可愛いだ!!」
…会話がおかしいが、二人とも女だぞ。ここは女子校、霧朝学園。そして悠ちゃんこと、影羽悠…俺は、現在中学三年のE組に所属している。そして、俺を可愛いとのたまった奴は、同学年でG組の高香橙凜。…親友だとは、思わなくもない存在だ。
「影羽さん!!」
「白ゆ…伊川、どうしたんだ?」
「昨日出た情報なんですけど…」
「ほう、帰ったらパソコンでチェックしないと…」
彼女の名前は伊川白幸。俺の隣のクラス、D組の生徒だ。
「影~~」
「日向。何のようだ?」
こいつは日向。日向琴音。
「あ、伊川ちゃんもいたか。いや~昨日新しいゾンビゲーム、お母さんとクリアしたんだよね~」
「マジか。てか、お前の親何者?」
ほんと、一回聞きたい。
「それは聞かないお約束だよ?」
「おい。」
「日向さん!!!私もやりに行きたいです!!」
え、ちょ、伊川!?まあ、俺も行きたいけどな!!
「あ、実は俺もだ。」
「じゃあ週末に私の家に来るかい!?」
「ああ!!勿論行かせてもらう!!伊川は?」
「私も行きます!!」
「ゾンビ狩りに?」
「「いこー!!!」」
…あとで、自分で思い出して死にたくなるテンションの高さだった。
――NO SIDE――
~G組~
「あれ、日向さんは?」
「ああ、日向ちゃんはE組。」
朝8:23 登校した妃美麗は、何故かいたF組の上松絵理に声をかける。
「へ~…」
「で、妃ちゃんはどうしたの?」
「ううん、いいんだ別に。」
「そっか…」
「それより上松さん、凜ちゃんは?」
「たぶんあの子もE組。」
「へぇ~そうn「美麗ちゃん、遥水見なかった?」
「二火ちゃん…。私、今日はまだ平さん見てないよ。」
「そっか…じゃあn[キーンコーンカーンコーン]あ、鳴っちゃった。」
「じゃ、あとでね~。」
「妃ちゃん、私も帰るよ。じゃね~。」
~A組とB組の前~
「うわ~また遅刻だ…」
「あれ、エイミーじゃん」
「雨~!!!」
A組の遅刻者と、B組の遅刻者の二人が合流した。
これが、ブラックこと影羽悠が毎朝のように送る日常。そして、彼女の知らないところで起きている日常。