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作者: 三月うさぎ

「どうかした?」


「ううん、ちょっと…誰かに呼ばれた気がして」


「嫌だ。私だけを見ててよ」


「もちろんだよ」


(………)


だけどやっぱりだれかが僕を呼んでいる。


「行かなくちゃ」


「待ってよ。どこに行くの」


(…こっちよ、こっち……)


「今行くよ」


「待ってよ、私を置いていかないで」


(………早く…来て)


「君は誰なんだ。どうして僕を呼んでいるの」


(………)


声が僕を呼んでいる。


早く、早く行かなくちゃ。



ギィィ、バタン。



扉を開けて、



ギィィ、バタン。



歌が聞こえる。



(来て、来て)


(早く来て)



「君が僕を呼んでいたの」


(ええ、そうよ)


(会いたかったわ)


(だって私)


(とてもお腹が空いていたもの)


「僕は君に食べられるんだ?」


(嫌?)


「そうだね」


「きっと君のお姉さんが嫌がるから」


「また盗み食いしようとしたのね」


(お姉様)


「悪い子ね」


(今度の人は躾ができているのね)


「貴女にこの人は渡さないわ」


「私だけのものなのよ」


「私のとっておきのごちそうなの」



「ねえ」


「私だけを見てて」



君と口づけを。



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