最厄を宿した少年

柊蓮は特別ではない、ごく普通の高校二年生。いつも通りの朝、幼馴染の大樹との通学路、クラスメイトの美月との会話。変わらない日常が続いている。しかし、街のあちこちで小さな異変が起き始めていた。コンビニ前での口論、ニュースで報じられる原因不明のトラブル。蓮は漠然とした違和感と体のだるさを感じながらも、それを気のせいだと思い込む。彼はまだ知らない。自分の中に、神々が恐れる「最厄」が宿っていることを。この平穏な日常が、二度と戻らないものになることを。