6話
照明変化
イヨIN
イヨはファイルを捲る。
イヨ 「大洋グループの歩み……まだ、大洋グループがテレビ会社だった頃、私が調べた記事。始めは社長が新しくなってから、業績をグングンと伸ばしていく勢いに興味を持つ人が多かったから。しかし、調べていくうちに、裏金や競合他社の不審死、アングラとの関わりが見つかった」
イヨが独り言中に、照明変化・イトカワIN
イヨ 「社長、次の記事を書いてきました。ご精読お願いします」
イトカワ ページを捲る
イトカワ 「この記事は載せられない」
イヨ 「何故です!社長。これは世に出さなければならないことだ!」
イトカワ 「キミ、ニュースは見てるかい」
イヨ 「はい。大洋テレビが競合他社を買収しようとしているとか……それが終わる前に」
イトカワ 「もう、終わっているのだよ」
イヨ 「え?」
イトカワ 「今現在、この朧新聞社の60%の株を持っているのは、大洋グループの社長だ。君はこの業界にいながら、記事が出るまでのラグについて、考えなかったのか?」
イヨ 「でも……それでも……」
イトカワ 「大洋グループの汚職について調べたなら分かるだろ?死にたくなかったら、いうことを聞くんだ。わかったね。これはこっちで処分しておくから、まともな記事を持ってくるように」
イトカワOUT
照明変化
カリン 「ねえ、イヨ」
イヨ無視
カリン 「イヨって、私の事嫌いだよね。それって、私が大洋グループの社長令嬢だから?」
イヨはカリンに掴みかかる
イヨ 「ああ、そうだよ。私はあの会社が大嫌いだ」
カリン 「じゃあ、私と目的は一緒ね」
イヨ 「何を言っている。お前は、自分の親の会社を潰したいのか」
カリン 「ええ。私はお父様を社長の座から引きずり下ろす。そのために、イヨの力を貸してほしい」
イヨ 「私は……俺は、あいつの横暴を許さない」
カリン 「手を貸してくれるってことで良いかしら」
イヨ 「ああ。それで俺は何をすればいい」
カリン 「よし来た。それじゃまずは、あってもらいたい人がいるの。イヨにとっては同業他社にあたるかもしれないけど」
イヨ 「どんな奴なんだ」
カリン 「ゴシップ誌記者のユキ。イヨと同じく、大洋グループの不祥事について追いかけている人間よ」
照明変化