13話
ファジーIN台車を持っている
ファジーは台車にタイヨウを乗せ、部屋を片づける。その過程で日記を見つける。
ファジー 「日記をつけてたのか、意外とまめな男だったんだな」
ファジーは日記を捲る
ファジー 「OO年8月31日、私たちの娘が生まれた。これを機に日記をつけようと思う。ってだめだ。これ以上読んでいたら時間が無くなる」
ファジーは日記を持って、タイヨウが乗った台車を押してOUT
暗転
ファジーIN 日記を持ってカフェスペース
タイヨウ・カリンIN 舞台中央
明転
ファジー 「O□年8月15日…」
タイヨウ 「私の妻が死んだ」
タイヨウは肩を震わせ泣く
カリンはタイヨウの背中を撫でる
カリン 「お父様」
タイヨウ 「どうして、こんな目に合わなければいけなかった。妻が何かしたか。それとも私か」
カリン 「お母様はどこに行ってしまったの?」
タイヨウ 「遠い、遠いところだよ」
照明変化
ファジー 「娘はまだ、自身の母が死んだということを認知出来ないようだった。この子は守らなければ」
照明変化
タイヨウ 「O□年8月20日、護身術を習わせることになった。運動神経が良い子だ。みるみる上達していった」
カリン 「お父様、見てみて!私、大会で優勝しましたの!」
タイヨウ 「そうか。よく頑張ったな」
カリン 「お父様にも大会を見に来てほしかったな」
タイヨウ 「ごめんな。仕事が忙しくて」
カリン 「いえ、仕方ないですわ」
照明変化
タイヨウ 「仕事が軌道に乗ってきた。もっともっと大きくしていかないと。そうしているうちに、私は命を狙われるようになった」
SE銃声
タイヨウ 「こんなところで死んでたまるか。私は何としても復讐を果たさなければならないんだ」
カリン 「お父様?」
タイヨウ 「カリン。どうしたんだ、こんなところで。危ないから家に帰りなさい」
カリン 「私、強くなったんだよ。私を頼ってよ」
カリンOUT
タイヨウ 「カリン。やめろ、戻ってこい!」
SE 敵をぼこぼこにする
カリンIN
カリン 「どうかしら」
タイヨウ 「はは、そうか。カリンはそんなに強かったんだな」
カリン 「ええ」
タイヨウ 「なあ、私の護衛にならないか」
カリン 「お父様の護衛?」
タイヨウ 「ああ、そうだ。カリンの力は、そこらのSPにも負けない。いや、それ以上だ。優秀な護衛になれる」
カリン 「私もお父様のお役に立てるなら、大歓迎ですわ」