11話
タイヨウ IN
アサ 装置物に隠れておく。
照明明転
タイヨウは息を荒げる
タイヨウ 「やはり、カリンは生きていたんだ。一歩一歩、死が近づいてくる。来るな来るな来るな」
イヨ・ユキIN
SE 扉バーン
タイヨウ 「ヒエッ」
イヨ 「タイヨウ!」
タイヨウ 「ああ、なんだ。どうしたんだ?」
ユキ 「社長の座を降りてもらいに来た」
タイヨウ 「一介の平社員に過ぎない君たちが?この街のTV・新聞・出版社からSNSまで、全てを握るこの私をどうにか出来るとでも思っているのか」
イヨ 「思っているさ」
タイヨウ 「大人数になって、気が大きくなってるだけのゴミくずが。アサ、此奴らを捉えろ」
アサが出てきて、銃をイヨの頭に当てる
タイヨウ 「おっと、殺すなよ。見せしめにするんだからな」
ユキ 「ちょっと、面白いものが見れるからって、どうすんのよ。ヒガサも出てきちゃったわよ」
カリンIN
カリン 「へえ、これがヒガサ。また会ったね」
アサ 「残念ながら、俺はまだヒガサじゃない」
カリン 「だよねー。お前みたいなのが噂になるわけないもん」
アサ 「キサマ!」
カリン 「隙はできたよ。イヨも裏家業のはしくれだろ」
イヨはアサの顎を突き上げ、タックル。
イヨ 「それで、面白いモノって何だったんだよ」
カリン 「これ」
カリンはタイヨウを指さす
タイヨウ 「来るな。来るな」
カリン 「さっきの、あなた達にした態度に対して、この違い。まるで、蛇に睨まれた蛙みたい。滑稽でしょ」
タイヨウ 「お前みたいな狂人を世に残しておくべきではなかったのに、治安自治組織とかいう底辺の者どもが、生かしたせいで」
カリン 「蛙の王子様という物語を読んだことはあるかしら?あの物語では、蛙が姫に壁に叩きつけられて潰れることで、王子に戻れるのですよ。まあ、どれだけ面が良くてもあんなセクハラ野郎はお断りですけどね」
タイヨウ 「何が言いたい」
カリン 「転生して、王子様になれるといいですね」
カリンは小刀でタイヨウを刺し、タイヨウが倒れる。