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1話

ツキ&セイ(下手)、カリン(上手) 板付

銃声SE 

照明 下手明転

ツキは銃を構えながらそろりそろりと、セイは近距離武器を持って気楽な様子

ツキ   「この扉の向こうにターゲットの少女、カリンが居るのか」

セイ   「疲れたねえ。さすが財閥社長の邸宅なだけあって、やたらと警備兵が多かったし」

イヨ   「おい、まだ任務は終わってない。油断するな」

  イヨは無線越しに二人へ声を掛ける。

セイ   「油断しているわけじゃないもん。信頼しているのだよ。監視カメラはイヨがハッキングしてくれているし。警備兵もこの辺りにはもういない」

イヨ   「そう言って、のんびりして居たらターゲットに逃げられた事、忘れてないだろうな」

セイ   「もー、わざわざそのことを掘り返さないでよ」

  セイが地団太を踏んで怒る。

ツキ   「静かにしろ。突入するぞ」

  二人は真剣な顔で、互いに頷く。ツキが銃を握りながら、ドアを開ける。


 SE(金属扉)

 照明変化(明らかに異様な色FI) BGM(不気味・ツキがカリンを探す間フェードで上がり、見つけたら最大)


  ツキは銃を構えながら、部屋を見渡して、カリンを発見する。カリカリン  「あら、お客さん?こんな時間に珍しいわね」

  カリンは突然の来客に驚いたように振り返る。

ツキ   「ターゲットはこの少女なのか?」

イヨ   「ああ。見つかってしまったか。こんな深夜に起きているなんて。まあいい、早く殺れ」

  ツキは銃を構えなおす。

カリン  「私を殺すの?」

  カリンはツキに近づく。

ツキ   「ああ、そうだ」

  カリンは優しく微笑む

カリン  「ねえ、殺す前に少しお話させて」

イヨ   「耳を傾けるな。時間稼ぎして、警備を呼ぶに違いない」

セイ   「別にいいじゃない。仮に誰か来ても、私がボコボコにしてあげる」

イヨ   「いいから殺れ!殺せ!」(叫び声)

ツキ   「イヨ、大丈夫か」

セイ   「いつも、いけ好かないすまし顔のくせに、珍しく吠えるじゃん」

イヨ   「俺はこいつらに!」


  SE 無線を切る音

  照明変化カリンにスポットライト

  BGM FO


カリン  「私、カリンのお父様は世界一といってもいい程、優しい人だった。毎晩、絵本を読み聞かせて寝かしつけてくれたし、休日にはこの街で一番大きな観覧車が回る遊園地に連れて行ってくれた。お父様の会社も順調に大きくなっていって、紛れもなく宇宙一幸せな家族だった」

  カリンは懐かしさで涙を流す。

カリン  「でもある日、お母様が死んだ。それから、お父様は狂ってしまったの。以前より、権力に執着するようになった。次々と他の企業を買収し、弾圧し、裏稼業にも手を染めながら。いまやこの街の情報機関の殆どをお父様が握るまでになった。一方、私は硬い金属扉が付いた、この地下室に閉じ込められた。お母様の二の舞にならないように」

  カリンは少しずつ声を荒げる。


照明変化(カリンの部屋)

カリン  「ねえ、私こんな部屋で何もできないまま、殺されるなんて嫌!助けてよ。救ってよ。この牢獄から、私を連れ出して!」

 カリンはツキの胸元に縋りつくように、救いを乞う。

 ツキは話を終えたカリンに銃を向けるが、震えて照準が定まらない。

ツキ   「俺にはコイツを殺せない」

 ツキは銃を降ろす。

セイ   「殺さないとして、どうすんのよ」

  ツキは、涙を流すカリンを、優しく抱き寄せる。

ツキ   「俺達は只の殺し屋じゃない。この腐った街に正義をもたらす治安維持組織だ。俺は、彼女を救いたい」


   照明 暗転 


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