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無自覚ハイスペック男、ド田舎から都会の高校に転校したら大注目される  作者: 本町かまくら


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第18話 オールスターズ


 目を細めてしまうほどに眩しいキラキラ集団。


 全員の容姿のレベルが芸能人並みに高く、学食で圧倒的存在感を放っていた。

 そんな男女の中に紛れ込むド田舎からの挑戦者、桐生旭。


(すごいとこにいるな……俺)


 秋斗と波留と歩いているときに話したことがあるから、全員初めましてではない。

 しかし、こうして数がいると改めて気圧されるところがあった。


「入学して二週間だけど、学校には慣れた?」


 俺にそう訊ねてくるのは、二年生にしてサッカー部エースの山田幸也やまだゆきや

 王子様系アイドルのような、ド王道のイケメンである。


「ぼちぼち、かな。やっぱり田舎とは学校の広さが違うから、普通に迷うけど」


「あはははっ! そういえば、一年生の教室の前でキョロキョロしてる桐生とたまたま会ったのが初対面だったよね」


「その節は本当にありがとう」


「どういたしまして」


 白い歯を見せて笑う山田。

 

「わからないことがあったらいつでも連絡して。私たちの方が詳しいし」


「ありがとう、真田さん」


 正面に座る、背が高くて大人びた女の子。

 彼女の名前は真田美琴さなだみこと

 バレー部で、余裕のあるお姉さんって感じだ。


(真田さんを見てると、あっちのお姉さん方を思い出すんだよな)


 香奈さんたちには小さい頃から本当によくしてもらっていた。

 嵐の恐ろしい日は俺の家に集まって一緒に寝てくれたし、何ならつい最近まで背中を流そうとしてくれていた。

 さすがに申し訳なくて断ったけど。


「ってか、どうよ都会生活はー! 楽しんでる? 満喫してる?」


 もしゃもしゃとチャーハンを食べながら聞いてくるのは、上原陽太うえはらようた

 底抜けに明るくて、全生徒友達なんじゃないかってくらいに社交的だ。


「どうだろうな……電車とか意味わからな過ぎて、全然近所から出てないから」


「えぇ⁉ そりゃもったいねーよ! んじゃ、今度みんなで旭の歓迎会も含め、東京観光でもするかー!」


「それ名案だね、陽太」


「今度の休日でも遊びに行くか」


「いいね! 激辛ラーメン巡っちゃおうよ!」


「……それ、東京観光なの?」


「もちろん、私が食べたいだけですっ」


 どんだけ激辛ラーメン好きなんだよ、波留は。

 

「みんな桐生くんにがっつきすぎ。無理にとは言わないから、桐生くんが来たかったら来るって感じでいいんじゃない?」


 そう言うのは、目力が強い赤羽蘭子あかばねらんこ

 とにかく美人で、男からしたら近寄りがたい雰囲気がある。

  

 しかし、実際話してみると結構優しかったりする。


「はっ! ご、ごめんね?」


「いいよ、むしろありがたいから」


 みんなの親切は心の底からありがたかった。

 

 この計七人で集まり、学食を食べている。

 秋斗と波留以外は別のクラスだが、俺以外の六人は一年生の頃から仲良くしているらしい。


 二週間、この学校で過ごしてみてわかったことだが、ここにいる全員はもれなく学校の有名人。

 他学年でも知らない人はいないくらいで、今も二年の選抜メンバーが揃ったみたいな状況に、周囲は驚いていた。



「なんだよあの集団!」

「赤羽さんに犬坂さん……真田さんまでいるじゃん!」

「久我くんも山田くんもいるよ!」

「キャーー! 上原くんもいるじゃん!」

「顔面偏差値高すぎだろ……」

「もう学生っていうレベルじゃねぇぞこれ!」

「しかも、最近注目の転校生までいるじゃんか……」

「なんだこのオールスターズ」

「芸能人かってくらいのオーラだな……」



 俺以外の六人は気にしていないようだが、明らかに学食で大目立ちしていた。

 そんな大都会のオールスターメンバーの中に俺が混ざってるとか……まるで意味が分からない。


 絶対に浮いてるだろ、俺。



「あ、おい! 猫谷さんまで来たぞ!」

「マジか! 学食来るんだな!」

「可愛すぎる……推しだわぁ」

「誰ともつるまない感じがいいんだよなぁ」



 男子生徒の視線の先を辿ると、そこには相変わらず何を考えてるのかわからない顔でやってきた猫谷さんがいた。

 てくてくと歩き、真っすぐ列に並ぶ。


 すると学食に入ってきたときから猫谷さんのことを見ていた男子生徒二人組が、猫谷さんに声をかけた。

 

「あ、猫谷さんまた声かけられてんじゃん」


「上履きの色からして一年生だろうね」


「一年生なら仕方ねぇか。猫谷さんがどんな奴にも見向きしないって知らなくても」


 秋斗がそう言いながら、かつ丼をかきこむ。

 秋斗の言う通り、猫谷に声をかけた一年生二人は呆気なく玉砕し、トボトボした様子で立ち去って行った。


 猫谷さんは何もなかったかのように注文を済ませ、トレーを持って行ってしまう。

 

「もしかして桐生、猫谷さんのこと気になってるの?」


「え⁉ いや、そんなことないけど」


「それにしてはやけに目で追ってた気するけどなー?」


「目立つから単に見てただけだよ」


 別に猫谷さんが気になってるわけじゃない。

 いや、確かに気にはなるけど恋愛感情なんて持ってない。

 

 俺が猫谷さんに恋心を抱いたとしても、これまでの男子同様玉砕するだけだろうし。


「でも、桐生くんだったら猫谷さんを射止められるかもね」


 真田さんが言う。


「猫谷さんが普通の女の子だったら、間違いないだろうけどさ」


「あはははっ、確かに。でも桐生面白いし、中身も併せて最強キャラだと思うけどな」


「それな~! 頑張ってみたらいいんじゃね? 俺たち応援するからさ~!」


「あははは……」


 なんだか妙に高い評価を受けてる気がする。

 

 まぁ、この人たちは容姿に負けないくらい人柄がいい人たちだからな。

 いきなり入ってきた田舎者にもこうして優しく接してくれるし。


 鵜吞みにせず、でもありがたく受け取っておこう。


 ……それはそうと。


「だってよ、旭。話しかけてみれば?」


「そうだよ旭くん。私、旭くんならいけると思うなぁ?」


「ニヤニヤするのやめてくれ」


 秋斗と波留、猫谷さんの話題になるとやけに俺のことからかってくるんだよなぁ……。


 ほんと、やめてください。田舎者を変に調子乗らせるのは。


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