第49話 どこがラブラブなわけ?
「今ので気になったんだけど。その呪いって自由にできるわけ?」
べルルーシュがケモミミ皇子に質問しています。確かに私の浄華がどうとか言っていましたよね?
「制御しているのは、オリヴィアの能力の方だ。神の奇跡の拒否は可能だろう?」
ん? 奇跡の力の拒否?
そんなことは、考えたこともなかったです。
「普通はしないけど、魔法と同じで阻害してしまう人がいるのは事実。特に魔法に対する耐性を持っている人が、そうなっているよね」
「魔法の耐性?」
何故。耐性を持つ必要があるのでしょうか?
「浄華の聖女様にはわからないよね? 僕たちみたいな者には必要なんだよ」
「騎士ってこと?」
「アークジオラルド殿下もだね」
……普通にモフモフ度が無くなっている時点で、耐性はないのでは?
それなら、モフモフのままでいいじゃないですか!
全身でモフモフを堪能したいと思う私の願いを叶えられているはずです。
「すごく不満が漏れ出しているぞ。俺は人の姿に戻りたいというのが、前提にあることを忘れるな」
わかっています。
しかし、私はモフモフを堪能したい。
「僕、団長を尊敬するよ。機嫌が悪そうなアークジオラルド殿下の頭を、満面の笑みで撫でている浄華の聖女様の姿。僕はこの状況から逃げ出したいよ」
べルルーシュ。それはどういう意味なのかしら?
べルルーシュにはわからないでしょう。ケモミミ皇子からケモミミが無くなった残念感を。
「中身を知らないと、ラブラブじゃん!」
「べルルーシュ。それはどういう意味? どこがラブラブなわけ?」
「つっこむところはそこなの! はぁ……浄華の聖女様はいつも通りで良かったと、べルルーシュは思うことにします」
ため息を吐きながら、何故か頭を下げてくるべルルーシュ。その行動の意味がさっぱりもってわからないです。
それから、どこがラブラブなのか、説明がされていないですよ!
「本日ですが、町の浄華しているぞアピールを、中央広場でしていたのです」
嫌味っぽいです!
本当のことですが、言い方というものがあると思います。
「そこに、僕のことを狙っているなという殺気を受けてね。今までは防いできたから、今度は必ず確実に仕留める方法を使ってくると思ったんだよ」
直ぐにいつもの話し方に戻ってしまいましたよ。
それより、襲われたべルルーシュはまるで他人事のように話しています。
「何故、今日でなければならなかった」
「別に今日じゃなくても良かったのだけど、僕的には甘いなっと思ってね」
「甘い?」
「そんなんじゃ、近衛騎士の壁を超えるのは無理だよって感じだね。そう思うと、公爵の坊っちゃんの方法は確実性があったと評価している」
嫌な評価をしているのですね。
確かにワザと相手の思惑に乗るにしても、聖女である私には護衛がいますので、不可解さが残らないようにしなければなりません。
……ってそれって、べルルーシュがとても危険だったということではないですか。
「その話だと、今回の首謀者とオリヴィア誘拐事件の首謀者は違うということになるが?」
「それは実行犯の能力差だね。貴族の坊っちゃんでも、金を払って優秀な共犯者を雇えば、護衛の隙をつける。まぁ、その辺りをカバーするために僕たちがいるのだけど」
僕達? 近衛騎士ってことでしょうか?
「裏と表か。それで、何で腹に穴を開けられたのだ?」
「なんだと思う?なんと! 帝国製の最新兵器! 『メアレヨン』だよ! 僕じゃなかったら確実に死んでいたね!」
何故か、殺されかけたべルルーシュが楽しそうに話しています。
この感じだと、最新兵器というところが興味を引くところだったのかもしれません。
「馬車に乗り込むときに、横から光が当たったとか思ったら、焼かれるような痛みが貫通して、肉の焦げた匂いが自分から出てくるって、中々ない経験をしたよ」
その時の状況を説明してくれていますが、後半部分は濁してくれてよかったと思います。
「ふーん。それで、最新兵器とやらの欠点は理解できたか?」
「あ? やっぱり不用品だった? 殿下が帝国におられるときは、見かけなかったからね。だったら、わざわざ言いにくる必要なかったかな?」
「いや、欠陥兵器を売り出していることがわかったからいい」
……今、ピンときました!
帝国の最新兵器ってことは、聖女のことを邪魔だと思っているのは帝国だったということですね!
「敵は帝国!」
「違う。安直すぎるだろうが!」
「違うよ。本当に帝国が敵なら、戦争になっているよ」
違うと二人から言われてしまいました。
おかしいなぁ。これはいけると思ったのに。
いい加減に、誰が聖女を邪魔だと思っているのか私に教えてほしいです。




