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浄華の聖女に癒やしのモフモフを〜皇子への愛は全くないですわ〜  作者: 白雲八鈴


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第46話 婚約者として俺様皇子を紹介した

「エリザベート様。ご機嫌うるわしゅうございます」


 私はエリザベートに充てがわれた部屋を訪れて挨拶をします。

 もとは私と同じような部屋のはずですが、床はふかふかの絨毯になっており、壁際にはおそらく価値があるのだろう壺に花が生けられ、座り心地が良さそうなソファーが部屋の中央に陣取っています。


 そのソファーには優雅にお茶を飲みながらくつろいでいるエリザベートとロベルト様がいらっしゃいました。


「あら? オリヴィア様。ごきげんよう」


 はい。挨拶は終わったので、私は部屋に戻っていいですよね。


「ときに噂を聞きましてよ?」


 え? 何の噂が立っているのですか?

 町の周辺での浄華はシスター姿でしたので、私だとバレていないはずです。


「聖女らしい魔獣をと、わたくしは言いましたのに、まさか漆黒のラフェシエンだなんて、笑ってしまいますわ」


 笑ってしまうと言いながら高笑いしているエリザベート。

 思いっきり笑っていますよね。


「まぁ、あなたにはお似合いだと思いますけど。そのラフェシエンは恥ずかしくて流石に連れてこれなかったのかしら?」


 ……それは、私の横にいる俺様皇子ですけど。

 でもそれは口が避けても言えませんので、笑みを浮かべるにとどめます。ええ、いつも通りです。


「なんだ? このベラベラと喋っている女は?」


 ひっ! アーク。エリザベートに喧嘩を売らないでよね! 後が面倒になるのだから?

 ほら! エリザベートの顔が引きつっているじゃない。


 その横にいるロベルト様もオロオロしだしているし。


「その無礼者は誰かしら? オリヴィア様?」


 くっ……この状況でアークのことを紹介しなければならないの?

 周りはハイラヴァート公爵家の使用人とファルレアド公爵家の護衛に囲まれているのです。

 いわゆる敵陣の真っ只中。そこで、この突き刺さる視線の数々。まさに針の(むしろ)とはこのことです。


「アークジオラルド・ファルガレイ様です。この度私の婚約者になっていただいた方です」

「は?」

「え?」


 エリザベートとロベルト様が驚いた表情を浮かべて、私とアークに視線を巡らせています。


 やはり死んだとされている者の名を出すのは、引かれますよね。

 そしてロベルト様に至っては蒼白の顔色になっています。もしかして、幽霊だと思われています?


「オリヴィア」


 私の名を呼んで近寄ってきたロベルト様は、何故か私の両手を取ってきました。

 え? なんですか? それからリオネーゼ伯爵令嬢と呼んでください。


「ごめんね。私が婚約解消したばかりに、こんなことになって」


 は? 婚約解消? 破棄って言って去っていったのは誰よ!


「偽物の帝国の皇子を国が用意したんだね。だまされていることも知らずに可哀想に」


 思いっきり本人ですけど?

 それから、騙されたことは認めましょう。まさか、モフモフが俺様皇子化するなんて詐欺もいいところです。


「俺が偽物だと決めつけるな無能が」


 ロベルト様に失礼なことを言った俺様皇子は、私の手を握っているロベルト様の手をはたきました。そして私はそのまま背後に引き寄せられます。


 これは、俺様皇子に私が捕獲されていませんか?


陸離(りくり)の魔眼持ちは俺しか存在しないはずだ。決めつける前に確認しろ」


 え? 私はその魔眼という物がさっぱりわからないのですが、見た目で何か違うってことですか?


 でもアン様がアークを見て悲鳴を上げていたので、たぶん見てわかることなのでしょう。


「それから、オリヴィアの婚約者になりたいと言ったのは俺の方からだ。それをこの国の王に上げた。そこも勘違いするな」

「え? オリヴィア。本当なの?」


 本当のことですが、以前訂正したことを何故直してくださらないのでしょうか?


「ファルレアド公爵子息様。私のことはリオネーゼ伯爵令嬢と呼んでいただきたいと申したはずです。それから、婚約の件はアーク様からご配慮をいただき、お受けした次第です」


 するとそこにエリザベートの笑い声が響いてきました。


「まぁ! ロベルト。当てが外れましたわね。公爵の予想では、ジークフリート神父が(てい)よく仮の婚約者に充てがわれるはずでしたのに」


 その予想は半分当たっています。アークが私の婚約者にと言わなければ、神父様の双子のブライアンを押し付けられるところでした。


「どういう意味だ?」


 アークが疑問を口にします。この話からすれば、なにやら怪しい予感しかしません。


「今回のことを事前に情報を入手したお父様が、ファルレアド公爵に打診をしたのですわ」


 ハイラヴァート公爵様が婚約破棄をするようにとファルレアド公爵様に言ったということですか?


「三ヶ月ほどわたくしの婚約者にロベルトを置かないかと。まぁお父様もロベルトの剣の腕はお認めになっていましたし、わたくしとしましては、護衛か婚約者かなど、些細な違いでしかなかったですもの」


 ん? 三ヶ月ほど? 三ヶ月後にはエリザベートとロベルト様の婚約関係を解消するということですか?


 もしかして、その後に元サヤに収まろうという、(てい)の良いことを言おうとかしていませんわよね。

 そんなこと、私は許しませんよ。


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