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幼馴染転生  作者: 邑田緋和
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異世界sideトクサ

 ということで、落とされた平民街。


 ここは噴水もあり、椅子もあり、老若男女がいて、見る限り公園のようだ。


 皆、カラフルな髪・目の色で、無い色が無いほどだ。

 おかげで俺たちも浮くことなく馴染めている。


 これからどうしようか。

 チートを持った四人がいれば、何でもできる気がする。

 いや、できる!

 柄にもなく、わくわくしている。


 これからどうするか、相談してみ───

「じゃ、四人でいても仕方ないし、バラけるか。」


「そうだね!何も知らない人が四人集まっていると、怪しいもんね。」


「一人一人、バラバラでいいよね?」


「うん。でも、3ヶ月に一回くらいは、会って報告し合おうぜ。」


「あとあれね、この世界の知識とかは、適宜チャットで報告し合おう。」


「りょうかい!じゃあ、主にチャットは異世界知識の報告用として、会った時に自分たちがどう過ごしたか言い合うって感じでいいかな?」


「それでおけ。まぁ、死にそうな時とか、今日の宿が見つからないとか、食べ物分けて欲しいとか、普通に大変な時は声掛け合って助け合おう。」


「うん。トクサもOK?」


「あぁ、わかった。大丈夫。」


「よし、じゃあお互い3ヶ月後に!」


「うん、また会お!でも、すぐチャットする!」


「生きて会おうね〜!」


「縁起でも無いこと言うなよ!またな!」



 気付いたら会話が終わっていて、お互いに背を向けあい進んでいた。

 上からみたら、十字になっているように皆バラバラに進む。


 なんか、協力とかじゃないんだ。

 みんな一人で生き抜くんだ。

 そっか。

 まぁ、そうか。


 皆、元社会人だもんな。

 俺がいつまでも学生気分だったってことか?


 まぁ、また3ヶ月後に会えるし、それまでに報告できるネタを作らなきゃ。

 とりあえず、頑張ってみよう。


 よし、まずは、住民票というか、市民権というか、本人証明書といえばいいのか。

 俺の存在を認められるように、異世界あるあるの冒険者を目指して頑張ってみよう。





 冒険者ってあるのかな。

 いや、異世界だから、さすがにあるだろ。

 でもこれで、質問した人に、何言ってんだこいつ?って目で見られたら恥ずかしいし辛すぎる。


 そう思いながら、なんとなく道なりに歩いていると、剣を背負っている人を見つけた。

 よく見ると、所々金属や皮が使われていて、服装も俺が来ている一般平民の服よりも丈夫そうだ。

 しかも周りには、弓矢を背負う人や、杖を持っている人もいる。


 見つけてしまった!!


 これは、リアル冒険者じゃないか???


 怪しくないですよ〜という顔をしながら、少し離れて後ろをついて行く。




 《冒険者ギルド》

 堂々と大きく書いてあるじゃないか!


 気まずい思いをしながら、ついて行くこと十数分。

 大きな建物に着きました。

 冒険者もいるし、ギルドもある、と看板を見るだけでわかりました。

 よかった!!


 歩く流れで俺も、ギルドに入る。


 入ってみると、意外と人は多くいた。

 掲示板に貼ってある紙を見ていたり、机を囲んで話してたり、カウンターでギルド職員と話していたり。


 カウンターは、銀行とか郵便局みたいなイメージかな。

 何個も受付があって、内容ごとに大まかに分かれている。

 並んで、空いたらそこへ行って話しかける感じ。


 掲示板は、小学校の教室の壁みたいな?

 いっぱいプリントが貼ってある。

 でも、所々取った跡があって、穴あきで並んでいる。


 机は、椅子がある所、無いところどちらもある。

 イメージはフードコートみたい。

 職員が何かをする訳ではなく、本当に自由に使っているような感じだ。



 俺は、《登録・変更・その他手続き》と書いてある受付に向かう。


「こんにちは。本日はどのようなご用件でしょうか。」


「あ、えっと。冒険者登録?をしたくて…。」


 やばい。

 シュミレーションをする前に順番が来てしまったから、心の準備ができていない。


「かしこまりました。この用紙に、名前、年齢をお書きください。」


 よかった。

 名前と年齢は決められているから、迷う必要が無い。


 トクサ、14歳

 と記入する。


「では、登録の準備と冒険者の説明を行いますので、一つ隣の椅子のあるカウンターでお待ちください。」


「はい。」


 たしかに、隣のカウンターは、椅子があった。

 電気屋さんのレジも隣に椅子のあるレジ?カウンター?あるよね。

 そんな感じ。


 そこにぽつんと座って待つこと数分。

 受付のお姉さんが戻ってきた。


「お待たせしました。では、冒険者の説明から始めますね。

 まず、冒険者は10歳からなれる職業です。

 主な仕事内容は、依頼を受けてそれをこなすこと。

 依頼は、植物採集や魔物の素材集め、他の職業の手伝い、国や貴族からの要請など様々ございます。


 基本的には、あちらの壁に依頼を貼っておくので、それを見て受けたい依頼を決めてください。

 仕事の手順としては、あの壁で受けたい依頼を見つけたらその紙を取ります。

 そして、受付の《依頼受付》に持っていきます。


 そこで依頼を受け、冒険へ行き、こなして来てください。

 帰ってきたら、受付の《完了報告》へ向かいます。

 依頼内容と行ってきたことや持ってきた物などを確認し、無事に依頼完了できていたら報酬をお渡しします。

 そこでは、依頼外にも素材の買取も行っていますので、一緒にみせる方が多いです。


 これが一連の流れです。

 冒険者としてそうやって依頼をどんどん完了させていくと、ランクが上がります。

 ランクは、冒険者登録時に自動的にEランクになります。

 そのあと、D、C、B、Aへと上がり、1番上のランクはSになっています。

 基本的には、Cランクの冒険者からは世間から一目置かれる存在になりますね。

 冒険者と名乗り、冒険業だけで暮らしていけるほど稼げています。」


 なるほど、なるほど。

 おおよそイメージ通りでわかりやすい。


「…以上の説明で、理解出来ましたでしょうか。」


「はい。わかりました。」


「もし、わからないことがありましたら、その都度聞いてください。もしくは、先輩冒険者さんに聞くのもいいと思いますよ。」


 口での説明だけで、紙はないんだなぁ。

 まぁ、そりゃそうか、冒険者がA4書類をファイリングしてる方が解釈違いだよなぁ。

 と思いながら聞いていたら、説明が終わった。


 次はやっと、登録みたいだ。



「では、今一度ご確認します。

 名前はトクサ。

 家名なども一緒に登録できますが、必要ございませんか?」


 頷いて、家名が無いことを示す。


「承知致しました。

 歳は14。

 登録地は、王都ローヤルメト。

 ランクはEから。

 変更がございません様でしたら、次に魔力の登録を行います。」


 え、!!?!え!?

 魔力って、俺も持ってる?

 俺、武力チートにしたけど。

 てかてかてか、魔力の出し方とか知らないけど。

 今まで何となく上手くいっていたばかりに、急に焦って背中を冷や汗がつたう。


「では、こちらに手をお願いします。」


 そう言って出してきたのは、丸いお皿の真ん中に尖った針が付いたもの。

 お皿の部分には、魔法陣みたいなものが刻まれている。


 え?どうすればいいの?と思いながら手を出してみる。


「では、こちらの針を手に刺して、血を出して頂きます。」


 なるほど!

 痛いけれど、先程の焦りと比べれば大したことは無い。


 プスッと、指先を針に刺す。

 案外痛くないなぁと思っていると、指先から血が垂れる。

 針を伝い、皿の方へ。

 皿の真ん中部分、針の付け根に着いたと思ったら、そこからは魔法陣の窪みに沿って、血が広がっていく。


「はい、もう十分ですよ。こちらで指を巻いてください。」


 そう声がして、包帯を貰った。


 血で魔法陣が描かれ、しっかり俺の魔力が登録されたらしい。


 貰った包帯は何か魔法がかかっているようで、傷はすぐ治った。


「では、これで冒険者登録は終わりです。

 最後に注意となりますが、不正や違反行為を行うと、貴方の魔力自体を違反者として登録します。

 すると、持っていただく冒険者カードの色が変わります。

 そのため、誰にでもバレるので気を付けてください。」


 当たり前だ。

 そんなことはしない。


「では、こちらが冒険者カードになります。

 登録していただいた、名前、歳、登録地、ランクが書いてあります。

 無くさないよう、気を付けてください。

 では、良い冒険ライフを!」


あっという間に、幼馴染四人がバラバラになってしまいました。

これからは、トクサsideで区切りがいい所まで行きます。

その後他の人sideが入ります。

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