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第2話 エルムウッド迷宮都市

不定期更新になります。

よろしくお願いいたします。

「ねえ、フォディン、通行料がないと入れないのよ~。ダーリン、本当にお金は持っていないの~?」ファルコンが尋ねた。


「いや、ほら分かるだろう? あれだよあれ、そう、ほらここまで来るのに使い切ったんだ、うん」フォディンは目を泳がせつつ言った。


ファルコンは少し考えた後、胸元から金色のカードを取り出して言った。「しょうがないわねーダーリン、通行料くらいは立て替えとくわ。後で返してもらうからね」門の目前でやり取りをしていると。


「あれ、ファルコンさんじゃあないですかー、おいすー、ナイトロです~」門の向こうから声が掛った。


黒のチャイナ風ワンピースを着た、ショートカットで銀髪の小柄な少女が手を振りながら近づいてきた。


「あら、ナイちゃん、久しぶり良い所に来たね~私たち友達よね~」ファルコンが猫なで声を出した。


それを聞いて、少女はびくっと立ち止まった。「あはははは、...え、...何ですか?...」明らかに警戒した様子で言った。


「実はね、ここに冒険者志望の期待の新人君がいるのよ。彼の名前はフォディンって言ってね。彼は今非常に困っていてね」ファルコンはワザとらしく困った顔で言った。


「どう~、困ったときはお互い様だよね。持ちつ持たれつよね」ファルコンはうんうんうなずき大げさに手を振り指でフォディンを差し、「ここに貧乏な農村から有り金を使って出稼ぎのために来た、貧乏無一文の可哀そうなこがいるよの~」貧乏を特に強調して言った。


「どうー、可哀そうだと思うわよね?」


そして少女は何故か感情移入したようで「うぅうっ、かわいそうです~…」と言い始めた。


「それじゃあ分かるわね、通行料と冒険者ギルドの登録料、それと宿代を貸してくれないかしら」ファルコンは最高の笑顔で言った。


「はいっ!わかりました~!まかせてください~」胸元から金色のカードを取り出して嬉しそうに言った。


「うんうん、いずれ彼が成長すればみんなで一緒にダンジョンに潜ろうね~」相変わらずこいつちょろいなって言う顔でファルコンが頷いていた。


「おうおうっ、いいですね、いいですね!冒険です、です!」少女は目を輝かせてはしゃいでいた。


そして黙ったまま後ろで一連のやり取りを見ていた門番とフォディンがドン引きしていた。


少女は金色のカードをかざして差し出した。門番の方も金色のカードを取り出しカード同士を重ねて、門番はひとつうなづき、通行許可を出した。


「私の名前はナイトロです。みんなからナイって呼ばれています」ナイがフォディンに向かって笑顔で言った。


「ねえ、さきにいちゃうわよ~」先行して冒険者ギルドに向かっていたファルコンが言った。


そうこうしているうちに大きな建物が見えてきた。「着いたわ~、ここが冒険者ギルドよ~。新人冒険者用に格安で泊まれる部屋の貸し出しもやってるわ。寝れるだけだけどね」


そう言いながらファルコンは入っていき、空いている受付カウンターに向かった。


「はーい、いまいいかしら?」カウンターの受付嬢に向かって、ファルコンが声を掛けた。


「あ、ファルコンさん、どういったご用ですか?」


「冒険者志望の新人を連れてきたの~。お金もないらしいからつけで登録してくれない?」


「わかりました、冒険者ギルドにようこそ。それでは説明に移りますね」受付嬢はフォディンに笑顔で言った。


「ん、ん、あれ、...ナイが渡したお金は……」


「ねえ、ナイちゃん、お金は大事なものでしょう? 節約するべき時は節約するのが道理だと思うよね?」すかさずファルコンがやれやれと、首を左右に振りながら道理のないことを言った。


「ファルコンさん……」ナイが俯いて震えながら言った。


横で聞いていたフォディンもさすがに今回はノーテンキ・天然少女でも騙されないだろうと様子を伺っていると、ファルコンもさすがに無理かな~っと思いながらじっと見ていた。


「すごいですっ!さすがベテラン冒険者のファルコンさんです~!尊敬しますですよ~」ナイトロは目をキラキラさせてファルコンを褒めたたえた。


ナイがフォディンに近づき、小声で「ファルコンさんって、ちょっと変わってるですけど。でも優しいところもあるから、仲良くしてあげてくださいね」と囁いた。


ナイはファルコンに完全に騙されていた、こんなに簡単に騙されるなんてナイの将来が心配になった瞬間だった。


「…うんうん…、じゃあ分かったら、黙っていようね。邪魔になるからね~」ナイと一緒にファルコンは下がって行った。


一連のやり取りが終わるまで待機していた受付嬢が「では、説明させていただきます」


「…まず冒険者には、ランクがあり下から、F,D,C,B,A,S

,となります、また受けられる依頼もランク制限があります」

・  

「…………受けた依頼を達成できない、または達成した場合でもきめられた期日が過ぎていれば失敗扱いになりますこの場合、ペナルティがありランク降格、あまりにひどい場合は罰金を課せられます」

 

「迷宮都市のすべてのダンジョンの特性なんですが、基本的に洞窟のような階段を下りたすぐ先に転移結晶があり触れて念じることで第1階層へ転移できます。1階層は誰でも転移可、階層ボスを攻略することで次の階層が解放できます」


「もし、迷宮内で死亡した場合は、棺桶に入った状態で教会に転送されます、そしてすぐに教会の神官に復活の儀式を行われて生き返ります」と真面目な顔で受付嬢は言った。


「はっ?なんて?」聞き間違いかと思ってフォディン聞き返した。


「迷宮ダンジョン内で死んだ場合に限りますが、そうなっています」


「ただ死亡のペナルティでレベルが-5され装備している武器を迷宮に落とします、そして借金ができます」


「借金?」フォディンが聞き返した。


「その時のレベルに比例して金額が決まるため、よっぽど貯金していないと教会に借金ができます」

·

·

·

「……………買取カウンターで、ダンジョン内の素材買取、素材販売、アイテム販売などをおこなっています」


「えーこれが、ギルドカード ランクが表示されていて、モンスターを倒すと倒したモンスターの履歴が残るので討伐依頼の確認に使えます、それと報酬もギルドカードに振り込まれて、ギルドカード同士ならお金のやり取りができます」


「問題がないようでしたら、登録に進みますがどうですか?」


「ああ、たのむ」説明が長く、げんなりしながらフォディンは答えた。


「では、ギルドカードに本人登録を行うので、この水晶に手を当ててください」受付嬢は、ギルドカードを水晶の反対側に当てて、言った。


フォディンは言われた通り手を当てた、しばらくすると水晶が一瞬光った。


「これで登録は完了です」


「素材の買取をしてほしいんだが、頼めるか?」


「本来なら買取カウンターはあちらですが、少ないようならここで対応しましょうか?」

 

フォディンは、インベントリからファングボアの牙、肉、革、を取り出した、はたから見ると行きなり虚空からアイテムが出現したように見える。


それを見て、受付嬢は驚いたように言った。「アイテムボックス持ちですか?すごいですね、レアスキルですよ」


「お、そうなのか嬉しいね」言葉ほど、興味なさげにフォディンは適当にあいづちを打った。


「査定が終わりました、ではギルドカードをお願いします」と、笑顔で受付嬢が言いました。フォディンは首に下げていたギルドカードを渡した。


「パーティー募集は、行いませんか?、レアスキル持ちはかなり人気なのですぐ決まりますよ」


「いや、とりあえず大丈夫だ」


「そうですか?、もし気が変わったらお越しください」


「ちょっと、聞きたいんだが、この辺りで安くて腹にたまる食べ物屋がないか?」フォディンは入金作業をしてもらいながら尋ねた。


それでしたら、近くに「鳥の骨亭」って言いう所がありますからそこがおすすめですよ」


「じゃあな、ありがとさん」


「…おい終ったぞ。」なぜか、後ろで終わるのを待っていた二人にフォディンは声をかけた。


「…これからどうするんですか?」ナイトロがチラチラ、フォディンの様子をうかがいながら尋ねた。


「腹が減ったから、とりあえずさっき受付に聞いた『鳥の骨亭』に行ってみようと思ってるよ」


「…そそ、そうなんですね、…なんだかナイもお腹が減ってきたような~」あきらかに誘って欲しそうにナイトロが言った。


「じゃあ、お前も一緒に来るか?」


「えっ!いいんですか?!!、いきます、いきます!」ナイトロが嬉しそうに笑って言った。


それを確認したファルコンは、「うーしっ、そうれじゃあ臨時収入も入ったことだしみんなでダーリンの歓迎会と行きますかね~、よし今日は飲むぞ~」がははと笑いながら言った。


「臨時収入って、なにがあったんですか?」ナイトロがファルコンに向かって不思議そうに言った。


「あれ、そんなこと言ったかな~、ナイちゃんの気のせいよ~」ファルコンは、あ、ヤベって顔でごまかした。


「よし、さっさと行くぞ二人とも」フォディンが急かした。


【エルムウッド迷宮都市(基本設定)】

エルムウッド迷宮都市は自然発生した複数のダンジョンが中心となり広がった都市です。この都市は人々が冒険者となり、迷宮の探索やモンスターとの戦闘、貴重なアイテムの入手を目指す場所として知られています。


【ダンジョン】

ダンジョンは基本的に洞窟のような階段を下りた先に転移結晶があり、それに触れて念じることで次の階層に転移することができます。1階層は誰でも転移できますが、階層のボスを攻略することで次の階層が解放されます。各階層には様々なモンスターやトラップが存在し、冒険者たちはそれらと戦いながら探索を進めます。


カクヨム(別作品)

https://kakuyomu.jp/my/works/16817330657459934974

ツイッチ

https://m.twitch.tv/rx104f/home

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