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たとえ人生をやり直せるとしても俺は同じ過ちを繰り返す  作者: 大神 新
第6章:偽れない本当の気持ち
86/116

2通目の手紙:好きなところ

 ――1枚目


 一ノ瀬 梨香さんへ


 残しておきたい言葉があるので手紙を書くことにしました。

 内容はいつも君に話していることと大差はありません。


 この手紙では君の好きなところを書こうと思います。

 それは数え上げたら、本当にキリがない。

 たくさんありすぎて何ページになるかわかりません。

 だから、今回は便せんに収まるだけを書きます。


 何よりも1番好きなところはやっぱり笑顔です。

 君が笑うとつまらないことでも楽しく変わる。

 良く笑ってくれるところも好きだ。

 もう何度も言ったけど、俺は君が笑うと笑顔になれます。


 次は……やっぱり可愛いところかな。外見でごめん。

 大きな瞳に白い肌、綺麗な髪が気に入っています。

 君は表情がクルクルと変わるから見ていて飽きません。


 声も好きだな、歌を歌うのが本当に上手い。

 電話の時も、ずっと聴いていたいって思っているよ。


 ――2枚目


 これは変態とか突っ込まれそうだど……匂いも好きです。

 甘くて優しい、君の香り。近くにいると優しい気持ちになれる。

 胸の奥が暖かくなって、心のわだかまりが無くなるんだ。


 あとはいつも前向きなところ。君は本当にすごいと思う。

 小さなことでは落ち込まない、勇気をもって未来を選ぶ。

 俺は君の真似事をしてはいるけど、とても追いつけそうにない。


 優しいところも好きだ。君は困っている人放っておけない。

 そのせいで、自分が傷つくことがあるのは心配だけど……。

 俺もその優しさに何度も救ってもらったと思うんだ。

 正直、君に出会わなかったら自分を嫌いなままだっただろう。


 話をちゃんと聞いてくれるのも好きだ。

 君はいつも、目を反らさずに話を聞いてくれる。

 つまらない話でも最後まで聞いて真面目に答えてくれる。

 俺にはそれが、とても嬉しい事だった。


 文句や悪口を言わないところ。いつも元気なところ。

 別れ際にさよならと言わないところ。他にもたくさんある。


 ――3枚目


 と、ここまでは君の良いところばかり書いてきたつもりだ。

 でも、君の好きなところはそれだけじゃない。

 これを言ってしまったら、終わりなのだけど……。

 俺は君らしいと思えるところは全部好きだよ。


 例えば、嘘が下手なところ。君はすぐに顔に出る。

 化粧をしないところ。俺は君の素朴さがとても好きだ。

 すぐに寝てしまうところ。いつも可愛いと思っている。


 食べ物をよくこぼす。何もないところでつまづく。

 寝起きが悪い。リアクションが大きい。ちょっと意地悪。


 やっぱり、数え上げるとキリがないな。

 俺は一ノ瀬 梨香が好きだ。

 だから、我儘で居て欲しい。ありのままで居て欲しい。


 もしも君が自分に迷うようなことがあったのなら。

 俺のことを思い出してくれないかな。

 何度でも、君の好きなところを説明するよ。


 高木 貴文より

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