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40 第二の追手・殲滅戦

「今度はルートを変えて南側から来る…か」


あの決意から数日が経った時、国王から追手の第2陣が南から来るという報告が入った。

俺達と、メイジフォックスウルフの家族は先に南地区の門から少し南下した場所で待機していた。


「気配察知で兵士の数も分かったよ。 100くらいだ」


「100か…増やしてきたな。 春日部さんは?」


「彼女も付いてきてる。 男3人、女3人の勇者と共にね」


ひなたが今回の追手の兵力を気配察知で教えてくれた。

兵士においては前回から10倍増やした感じだな。

勇者の方も、4人から7人…、実際に戦うのは6人だが。


「アルト達も準備はいいな?」


『無論だ。 彼女の事はひとまず我が妻と子供にまかせてくれ』


アルト達メイジフォックスウルフの家族もやる気満々だ。


「他の勇者に対しては暁斗君を無能と罵った報いは受けてもらわないとね」


「ん…、勇者至上主義なのも…許さない」


ヘキサ公国から助っ人で来た、エミリーさんとクレアさんも同様にやる気満々のようだ。

メイジフォックスウルフの件はギルドと国王を通して伝わっており、理解を示してくれた。


「来たよ…! まずは兵士100人だね」


アイリスが人影を見つけたようだ。

確かに先に兵士が100人いる。

だが、その背後に勇者の姿も確認した。

前回とは違って、隠れる気はないみたいだな。


「まずは兵士を駆逐しないと始まらない。 一斉にいこう」


『承知。 必ずや主の期待に応えて見せよう』


『ええ、あの1件の八つ当たりをさせていただきますわ』


アルトとサクラはすでに臨戦態勢だ。

おチビーズも同様。


「それじゃあやろうか」


ひなたも剣を抜いた。

アイリスやクレアさん達も準備OKのようだ。

兵士が俺達の姿を確認するや否や、スピードを上げて俺達に近づいてきた。


「よし、行くぞ!!」


俺の合図とともに、全員が一斉に兵士の方に向かって走っていく。

真っ先にアルトが前に出て、兵士二人を噛み砕いた。


「な、メイジフォックスウルフだと!?」


兵士の一人がアルトを見て戦慄する。

この隙にサクラも魔法を使って、兵士を焼き殺していく。


「俺達も負けられないな」


「そだね!」


それに続くように俺とひなたも剣で兵士を何人も切り裂いていく。

今まで以上の鮮血が俺達に降りかかるが、数を減らすことが優先だ。


「私たちも行くよ!」


「ん…!」


「よーし、一斉に…、【フレイムブラスト】!!」


アイリスとエミリーさんとクレアさんが3人同時に【フレイムブラスト】を発動した。

今まで以上の業火が兵士にまとめて襲い掛かる。

それにより、一気に兵士の数を50人は減らせたようだ。

これで俺達は有利に運ぶことが出来る。

兵士の数が減ってきた所で、勇者の姿を完全に捉えた。


「よし、突っ込むぞ!」


『承知!!』


残りの兵士をひなたに任せ、俺はメイジフォックスウルフの家族と共に勇者たちの元へ走る。


「な、メイジフォックスウルフだって!?」


「あの野郎、あんな魔物まで引き連れて…!!」


「こうなったらメイジフォックスウルフには…こいつを餌に!」


「え、きゃあっ!!」


あいつら、何をトチ狂ったか春日部さんを突き飛ばしやがった!

多分、メイジフォックスウルフの餌になってもらうつもりだろうが、彼らは俺の従魔だからな。


『サクラ、頼むぞ!』


『了解しましたわ。 彼女は私たちが保護してみせましょう』


春日部さんの事はサクラたちに任せて、俺とアルトはそのまま勇者の元へ。


「な、こっちにも来るだと!?」


「い、いやっ、こないで…あああっ!!」


先にアルトが二人の勇者に襲い掛かった。

女子生徒の方をまずは喉元を噛みちぎって即死させた。


「う、うわ…うわあぁぁぁっ!!」


その後に男子生徒の方を襲い掛かり、同じく喉元を噛みちぎる。

当然ながら即死だった。

まぁ、この二人はあまり名前を覚えてないからなぁ。

さて、俺も本気を出しておこうか。


「な、佐々木…!?」


「悪いが、春日部さんを餌にしたお前らは即座に死んでもらうぜ!」


密集している4人に向かって、抜刀する。

風刃(ふうじん)』…。 これはこの世界で魔術師の素質と剣士の技を融合して出来た合成技。

剣に宿った気を使って、かまいたちを飛ばすもの。 ぶっつけ本番で放った技だが…。


「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」


「いやあぁぁぁぁっ!!」


「があぁぁぁぁっ!!」


上手くいった。

切れ味抜群のかまいたちは、4人の男女の勇者の全身を切り裂いた。


「う、ううぅ…」


全身を切り裂かれた4人は、虫の息だった。

本来なら俺がとどめを刺してもいいが、丁度ひなたがこっちに来たので彼女に任せよう。


「ひなた、こいつらのとどめ、任せていいか?」


「うん、私がやるよ。 由奈ちゃんの事、お願いね」


「ああ」


俺は、4人の止めをひなたに任せ、春日部さんの元に向かった。

その傍らで、4人の哀願する声が聞こえたが、ひなたが容赦ない罵声を浴びせた後、まとめて4人の首を撥ね飛ばしたのを見た。


きょとんとした目で春日部さんは俺を見つめていた。

おチビーズが駆け寄って褒めて褒めてとアピールするので、その子たちを撫でながら春日部さんに語り掛けた。


「久しぶり…だな、春日部さん」


「暁斗…くん…?」


「話したい事、あるだろうけどまずそのままジッとしてくれ。 君を助けるための処置をやるよ」


そう言って、俺は春日部さんの背中に手を当てた。



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追放された剣士の冒険譚』もよろしくお願いします。
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