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124 暗殺阻止へ…

(Side ひなた)


 自宅に帰って来た直後にある準備をし、それを終えたので私は自分の部屋で着替えをし始めることにした。

 後輩達の住む家にも、ある人物から貰ったアイテムを設置して対処しやすくすることにした。 結界や壁をすり抜ける布を作られた現状では、これしか対処がないからだ。

 もう一つのアイテムは、大量に貰っているので各自室の四隅、トイレなどにセットした。 壁などに同化して相手に見つけられないようにしているので、安心だ。 特にトイレをしている最中に襲われたらたまったものじゃない。


「しかし、私も対象だとはね…。 分かり切ってたことだけど」


 そう。 同時にある人物から渡されたメモには、安川が記した暗殺対象の名前が書かれており、そこには七絵ちゃんや、すでに殺された湊ちゃんの名前だけでなく私の名前もあったのだ。 暁斗君対策でもあるのだろうが、当初にガルタイトを裏切ったから、ザナと話して纏めたのかもしれない。 もう、正面では勝ち目がないから暗殺に舵を切ったのだろう。


「気配察知も併用して、対処しますかね。 湊ちゃんは着替え中に暗殺されたって話だし」


 後から分かった事だが、湊ちゃんはパジャマに着替えようとして、下着姿にまでなった瞬間に背後から毒針を刺されたようだ。 致死性の毒を合成したものがその針には塗られており、刺された瞬間即死に至ったのだろう。


「入ってきたか…」


 侵入を察知するセンサーアイテムが反応した。 おそらく、結界と壁をすり抜けてこっちにくるのだろう。

 私はあえて着替えをしながら近づいてくるのを待った。 徐々に反応は近くなる。 もうすぐだろう。 すり抜けの効果を持つならドアを開ける必要性もないからだ。


(背後にいるね…。 さて…)


 四隅に設置してある別のアイテムのおかげで、すり抜けの布をマントのように着用した安川を模したホムンクルス…以後はクローンホムンクルスと名づける事にしたが、しっかり見えていた。

 そして、私が下着姿になったタイミングで、背後のクローンホムンクルスが殺気を放った。


「甘いっ!!」


 私はそれを回避し、手刀で針を持った手を打ち付けて針を落下させてから、大外刈りで相手を叩きつけた。 その後は剣を手にし、それをクローンホムンクルスに突きつけて、私はこう言った。


「乙女の着替え中に襲うとはね。 最低だよ」


「な、なんで俺様の姿が見えたんだ…!」


「それは企業秘密だよ…っと」


「が…はっ…!!」


 私はそのまま剣を、クローンホムンクルスの心臓部に思い切り突き刺した。 床に傷がつくくらいに貫通したので、奴はすぐに息絶えた。 ついでに奴が着用していた布を取っ払う。


「ひなた、大丈夫か?」


 ドア越しに暁斗君の声が聞こえた。 センサーが反応したから、心配だったんだろう。


「大丈夫、侵入者は片付けたよ。 アイリスちゃん呼んで火葬してもらえないかな?」


「倒したのか。 分かった、呼んでくる」


 暁斗君がアイリスちゃんを呼びに行ってくれた。 アイリスちゃんの部屋は2つ先だからすぐ来てくれるのだろう。


「ひなたちゃん、終わったんだね?」


 その直後にドアが開いて、由奈ちゃんが入ってきた。


「うん、終わったよ。 乙女の着替え中に襲ってきたからね。 湊ちゃんと同じ感じで暗殺しようとしてたんだろうね」


「そうなんだ…。 暁斗君は?」


「さっきドア越しに声を掛けてきてくれたよ。 今はアイリスちゃんを呼びに行ってる」


「ひなたお姉ちゃん、来たよー」


「大丈夫だった?」


 由奈ちゃんと話をしている間に、アイリスちゃんだけでなく、エミリーさんやクレアさんも来ていた。 今回の件はそれほど心配だったんだろうねぇ。


「うん、大丈夫。 これの火葬、頼める?」


「分かったよ。 庭に持っていくね。 エミリーお姉ちゃんとクレアお姉ちゃんも手伝って」


「りょうかーい」


 クローンホムンクルスの死骸を三人が持っていく。 庭で火葬するつもりだからだろう。

 後に暁斗君からの報告で、黒衣の仮面の人…後でクロと呼ぶことにした人から京終さん達の暗殺も、他の後輩達の暗殺も防ぐことに成功したとのこと。 すり抜け効果の持つ布も没収し、ガイアブルク王家で封印するとのこと。

 なお、クロ曰くこの布は、素材的にも希少なものが使われているので、安川のユニークスキルをもってしても、もう作れないとの事だった。 これで多少安心したかな?


 何にせよ、今回の暗殺事件はひとまずの終わりを告げる事ができたのだ。



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追放された剣士の冒険譚』もよろしくお願いします。
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