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121 ダンジョン攻略その4

「まさか、ドラゴンがボスだとはな…」


俺達は、最下層にあたる第四階層の大部屋にて、ボスであるブラックドラゴンと対峙していた。

流石にドラゴンだけあってか、放たれる威圧感(プレッシャー)がすごい。


「ブラックドラゴンは、Sランクに近い実力を持つAランクの魔物なんだよ」


「Sランクに近い!?」


「うん、しかも闇属性のドラゴンだから、対策のしようがないの」


どうりで奴から放たれる威圧感(プレッシャー)が強いわけだ。

強さがSランクに近いかつ対策があまりないとされる闇属性のドラゴンならば、下手に考えない方がいいのかも知れないな。


「なら、持てる力をぶっ放したほうがいいな」


「ブラックドラゴン相手じゃね。 普通はそれで行くと全滅必至だけど、暁斗くんだと謎の安心感があるしね」


「ああ、バーサークバッファローを倒した時のパワーで戦えば…」


「君ら俺を何だと思ってるんだ?」


色々と突っ込みたいところはあるが、相手がブラックドラゴンなので、全力で行かせてもらう。

ブラックドラゴンを前に俺は、剣を構えて突撃した。


「グオオォォォッ!!」


当然、奴はそれに気付く。

そして、奴の鋭利な爪を振り下ろしてきた。

それを俺は、ジャンプで躱し、他のみんなは距離を取ることで回避に成功。

なにせ、奴が爪を振り下ろした後で、その衝撃波が周囲で発生していたからだ。

先程も言ったが、他のみんなは距離をとっていたのでダメージはない。


「でぇぇぇぇい!!」


ジャンプしていた俺はそのまま奴の翼に向けて斬り下ろしを試みた。

すると、ブラックドラゴンの翼の片割れは、あっさり斬り落とされていた。


「ギャアァァァァァッ!!」


斬り落とされたブラックドラゴンが苦悶の雄たけびをあげる。

翼も奴の身体の一部だからな。

斬り落とされると痛いわな。


「こっちも魔法をぶっ放すよ! 【インテグネイション】!!!」


「ボクもやるよ! 【スターフレア】!!」


「【ヴェイパーブラスト】!!」


「アガアァァァァァッ!!」


アイリス、エミリー、クレアの順に強力な魔法を解き放った。

アイリスは電撃の超級魔法を、エミリーは光の超級魔法、クレアは火の超級魔法だ。

当然、奴は防御態勢を取る暇がなく、それぞれの魔法を直撃してしまう。


「次は私達…、ええいっ!!」


「そして、『クロスブレード』!!」


「グギャアァァァッ!!」


そして追い打ちと言わんばかりに、由奈とひなたの連携攻撃がさく裂。

由奈のマジックアローで怯ませた直後にひなたが『クロスブレード』でドラゴンの身体を切り裂いた。

元々対策が練られない相手だから、こういった強気の攻めも必要なのだろう。


「グ、グゥ…、グオォォォォッ!!」


『主、ブレスが来るぞ!!』


「くっ、散会しろ!!」


しかし、奴も黙ってやられない。

奴の口から吐いたのは、冷気のブレスだった。


「さ、寒い…!!」


「射程外からでも寒さが伝わってくるよ…!!」


『私達メイジフォックスウルフは冷気に強いですが、由奈様たちはそうでもないですからね…』


ブレス自体はみんな範囲外に逃げ込んだので直撃はしなかったが、冷たい空気が部屋全体を冷やしていた。

寒さに弱いクレアや由奈は流石に無理はさせられない。

奴は無尽蔵にブレスを吹き続けるので、こうしているうちに段々と部屋が冷やされていく。

なので、速攻で奴を仕留めにかかる。

俺は剣に風の魔法を纏わせ、奴の頭上へ目掛けてジャンプする。

そして、そのまま剣を我武者羅に振った。


「烈風剣!!」


我武者羅に振った剣から風の刃が乱れ撃つ。

その刃全てが、ブラックドラゴンの身体を切り刻む。


「グギャアァァァァッ!!」


ブレスを吐いてる間は無防備なのだろう。

避ける事すらできずに、風の刃を直撃する。

身体全体に血しぶきが舞い上がる。


「グガ…ァ…」


血まみれになったブラックドラゴンは、そのまま倒れ息絶えた。


「やった…んだよね?」


「ああ、間違いなく奴を倒した」


「あ、あれを見て!」


アイリスが指を刺した先に、ワープゲートのような穴が開かれていた。

ブラックドラゴンを倒したからだろう。


「あれを通れば外に出られるのかもな」


「多分…ね」


「じゃあ、通ってみようよ」


考えても始まらないので、俺達は、ひなたの言うようにそのままその穴に飛び込んだ。

すると景色が変わり、当時サラトガさんに指定された場所にいた。


「外に出れたか…」


「みたいだね。 あ、ダンジョンが消えてるよ」


「なるほど、一度きりのダンジョンってわけだね」


みんな無事に外に出ることが出来たが、ダンジョンは消えてなくなっていた。

エミリーが言うように一度きりなのだろう。


「とにかく、これで完了だな。 ひとまずギルドに報告に行こうか」


「そうだね。 早く休みたいしね」


疲れが溜まってるみんなを休ませるためにも、早くギルドに行って報告をしないといけない。

俺達は、足早にガイアブルクの城下町へと向かった。

とにかく、これで終わればいいけどな…。



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追放された剣士の冒険譚』もよろしくお願いします。
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