表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.1~No.100】

昼休み 【月夜譚No.20】

作者: 夏月七葉

 生徒達が廊下を行き来する中、少女は弁当の入った手提げの持ち手を握り締めた。号令の声が聞こえて俯き加減の瞳を僅かに上げると、目の前の教室から丁度出てきた男子二人組が驚いたような表情で戸惑いながら学食に向かっていく。すぐ後に女子生徒が廊下に片足を出し、少女の顔を見ると何かに気づいたように中へ取って返した。

 ふと視界に入った自分の毛先を指で摘み、今更ながらトイレで鏡を見てくるのだったと後悔する。すると一人の男子生徒が顔を覗かせたので、少女は髪からぱっと手を放した。

 後ろからついてきた野次馬であろう数人のクラスメイトを軽くいなし、少年が少女に歩み寄る。少女が手提げをそっと掲げると、少年は優しげに微笑んでみせた。

 本当は教室まで来ようかどうしようか悩んだが、やっぱり来て良かった。少女は教室から手を振る先程の女子生徒に、小さく手を振り返した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  この、通じ合っている感じが……、最高です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ