【キースのメモ】梅肉エキスの作り方&使用方法(6月16日追記)
6月16日、追記いたしました。
【梅肉エキスの作り方】
≪材料≫
・梅…4kg
≪注意≫梅は強力な酸性であるため、金属素材の道具を使用すると腐食しやすい。そのためおろし器は陶器、鍋はホーロー鍋かガラス製、陶製のものを使うといい。
≪作り方≫
1:梅を綺麗に洗って清潔な布で拭き取る。
2:梅のヘタを取り除く。
3:すりおろし器ですりおろす。
4:木綿の袋を二、三枚重ねてすりおろした梅を入れ、汁を絞り出す。
5:絞った果汁を鍋に入れ、かき混ぜながら煮詰める。
≪用量用法≫
・1日にティースプーン三分の一杯ほど
・紅茶などにハチミツと一緒に混ぜて飲むと飲みやすい。
≪効能≫
・血流改善、疲労回復、食中毒予防、体質改善
≪症状に合わせた摂取方法≫
・のどの痛み:5~10倍にぬるま湯で希釈し、うがいする。
・湿疹:10倍に水で希釈し、患部に外用薬として塗る。
・頭痛、腰痛、肩こり:少量の水で希釈しガーゼに塗り、患部に貼る。
・腹痛:原液を少量、そのまま舐める。
キースはメモをまとめながら、自分の口の中に唾液がたまるのを感じた。
「梅干しも強烈だが、梅肉エキスも強烈だよな……」
紅茶に混ぜて飲むと飲みやすいが、試しに原液を舐めてみたところ悶絶する結果となった。キース本人は積極的に摂取していないが、グレイスは隙があればこの梅肉エキスを「健康にいいんですのよ!」とキースに飲ませようとしている。
「回復魔法があるから大丈夫なんだけどな……」
若干、しつこいレベルで梅肉エキスを勧めてくるグレイスにオリバーは閉口していたが、キースは密かにそれを喜んでいる節もあった。
「梅肉エキスってただ飲めばいいってわけじゃないんだよな」
梅肉エキスは服用するだけでなく、湿布として使ったり塗り薬として使用したりしなければいけない。グレイスは闇雲に梅肉エキスをキースに提供するのではなく、適切な用法で使用するように迫ってくるのだ。
「ちゃんとグレイスは俺のこと毎日、見てくれているんだよな」
メモを振り返りながら、ポツリとそう呟くと、診察室の入口からひょこりと寝間着姿のグレイスが顔をのぞかせた。
「あら! キース様、まだ起きていらっしゃいましたの?」
時間は既に深夜を回っており、グレイスが驚くのも当然のことだ。
「ちょっと書類を整理したくてね」
「明日も朝は早いんですからね。早くお休みになられてくださいませね」
グレイスは少しキースを睨むと、クルリと寝室の方へ戻っていった。成人した大人からすれば――特に医者ならばなおさら――この手の助言は口うるさいと思うだろう。だが神官学校に通うようになってから、体調を誰かに心配されたことがないキース。特に医者になってからは相手にするのは患者ばかりで、勿論自分の体調を誰かが心配してくれたことなど一度もなかった。だからこそグレイスの小言は、キースにとっては長年何より与えて貰いたかった言葉でもあったのだ。
【追記】
6月16日に追記いたしました。
本編は午前6時に公開予定です。
【参考文献】
梅のある生活:作り方について質問集(最終閲覧:2019年6月16日)
https://minabe.net/umelife/ekis/qa_make.html
やさしい梅屋さん:梅肉エキスの作り方(最終閲覧日:2019年6月16日)
https://www.yasashi-umeya.jp/hpgen/HPB/entries/26.html
【注意】
今回紹介した『梅肉エキス』による効能はあくまでも民間療法です。経験に基づいた知識であるため体質に合わない場合があります。体調に異変を感じた場合は、直ぐに使用を中止してください。
登場人物が一定の効果を感じておりますが個人の感想です。必ずしも効果を保証するものではありません。




