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ノビムに約束の花園を  作者: 山波斬破
ノビムの初めての願い
14/14

オガトの記憶・2

すみません!

一応更新しますが、改稿をしますので

お許しを

 『ノビム』は少年に成長していた。フェリルの縄張りも把握し、道具を使って罠を仕掛ける等の行動もできるくらいに、サバイバルにも慣れてきたのがわかる。


(こんな風に成長していくんだな。すごいものだな。生きるとは失敗と成長の連続だ)


 『ノビム』はよく男に叱られた。やれ、気配が消せていない。それ、生き物の居た形跡を見抜けていない。叱られる理由は様々だ。いつしか『ノビム』は彼を父と呼んだ。


「父さん、今日はウサミドリの肉が食べられそうだよ。それにメネの実も採れた」


「そうか、そりゃ気分がいい。俺の方も盗賊を狩れたからな。オガトは飲めんが俺は酒を久しぶりに飲めるぞ」


「あ、ずりぃ。俺にもくれよ酒」


「ダメだね。おまえは味わって飲まねぇからあげる気にならん。それに未成年はダメなんだよアホったれ」


(これが、オガトの記憶か。ノーブフ領の外の世界はこんなにも過酷なんだな)


 〝黒髪〟は町に入れてもらうことは出来ない。〝黒瞳〟は大丈夫なのに何故なのか〝黒髪〟の者は三者の考えにわかれた。一つ、それが慣わしならば従おうという者。一つ、いつか仕返しをしてやろうと考える者。一つ、自らを呪う者。


 大きくわけて、この三つが〝黒髪〟の選ぶ道だとオガトは父に教わった。


「いいか、酒ってのは味わって呑むもんだ」


 オガトに見せつけるように父は酒をちびちびと口にする。


「酒に弱いだけじゃん、父さんの場合」

「うっせぇ。お前がおかしいの!」


 しっしっと父はオガトを追い払うような手つきをする。その目は笑っているが。


「ちぇっ、父さんだけいい思いしてさぁ」

「大人の特権ってやつだ。敬いな」


 父はふんぞり返ったように、自慢顔である。


「うわぁ、ダメな大人だね。きっと」


 オガトは両手を上げて処置なし、とばかりに呆れた表情で父を馬鹿にしている。二人の関係性が見えてきそうなやり取りである。


「お? やんのか?」

「上等だ!」


(この二人は仲がいいのか、悪いのかわからなくなるな)




 

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