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プロローグ
神崎和泉18歳、就職試験全滅しました。
「ありえねー…まじありえねー…」
確かに俺はバカだ。それは認めよう。
それでも創立以来全員採用してきたあの企業にまで落とされるなんてあんまりだ。
こんな形で歴史に残るなんて嫌過ぎる。
生まれてすぐに両親が交通事故で亡くなった。
それから優しい祖父母の元で育ったが、もう結構な年だった祖父は三年前に他界、祖母も先日旅立った。親戚なんてものには生まれてこのかた会ったこともなく、葬式にも現れなかったのできっといないのだろう。いわゆるテンガイコドクってやつだ。
最後まで残される俺を心配していたので、無事に就職して彼らの墓に報告に行き安心させてやる予定だったのだが、その予定は本日脆くも崩れ去った。
これではとてもじゃないが報告なんてできやしない。
それをぬきにしても、切実な話働かないで生きていけるほどこの世の中は甘くない。
「…バイトでもいいから雇ってくれねーかな?」
すがるような気持ちで最近見つけたお気に入りの店に向かったのだが、この選択がこの先の俺の人生を決めるとはこの時は思いもしなかった。
一つ言えるとすれば、ナイス、俺!くらいだろうか。




