2話 神崎さんは落ち着いている
今回も短めですが暇つぶしにどうぞ↓
眩しい光が顔に当たる・・・
「朝か、そろそろ起きるか・・・」
俺は起きるとまず近くの川まで行って、顔を洗う。
次に周りの木から枝をあつめてもどり、ライターで火をつけ、昨日の残りの肉を枝に刺して、焚き火で焼く。
その間に朝の日課のラジオ体操を始める。
「いーち、にー、さーん、しー、
にー、にー、さーん、しー・・・」
そして、体操が終わると、焼き終えた肉を手にとってかじる。
そして、一言・・・
「肉マズっ・・・」
さて、ここまできていうのもなんだが、
「俺、落ち着きすぎじゃね・・・」
確かに落ち着きすぎているが、だからといって別に慌てることもないのが現実だ。
『ここがどこだか分からないじゃないか!』
うん、確かに分からないが一つ確かなのは
「ここ地球じゃないな・・・」
いきなり何を言い出すのかと思うかもしれないが、根拠はある。
月が1、2、3、4、・・・だいたい8個ほどある。
うん、多いな・・・でも、地球以外の別の惑星で月くらいの大きさの衛星がたくさんある星なんて山ほどある。
だから、それほど驚きもしないし慌てる理由にもならないのだ。
『元の場所にかえりたくないのか?』
よく考えてみてほしい、俺は宇宙人だ。
元も何も故郷の惑星にかえることができずに600年ほど経っているのだ。いまさら、場所が変わったところで何とも思わない。
『こんなよくわからない世界では危険ではないか?』
別に危険ではないんだよな・・・
結構、俺強いし、緊急時は透明化して逃げればいいしな。
まあ、こんな感じの理由で俺は特に焦ることなく行動しているわけだ。
「こんな場所に来た理由も分からないし、来てしまったものはしょうがないな。」
そう割り切ってこれからの行動を考えてみる。
まずは知的生命体でも探すか。あまり人付き合いしない方とはいえ、いつまでもこんな独り言を話すのは御免だ。
「よし、そうと決まれば早速いくか。近くには人工物はなさそうだし、長い時間がかかりそうだしな。」
俺はそう言って立ち上がった。
常識的に考えて、水辺に住む傾向が多いはずだから、川沿いに進むか・・・
その時、俺は完全に忘れていたんだ・・・
川沿いには確かに文明が発達することが多いが、それ以上に野生の獣も集まるって事を・・・
「あーー‼︎うぜぇ‼︎」
キシャァァ!・・・
グルァァァ・・・
進み始めてしばらくすると、ものすごい頻度で肉食動物がおそってきた。
そいつら全部を相手にするのは面倒なので途中から透明化使っているが、それでもあちこちで唸り声やら威嚇音やら聞こえてきて集中できない‼︎
てか、なんでこんなに集まってるんだ?
いくらなんでも、この密集度は異常だろう、そう考えて特にこいつらが集まってる場所にそっと近づく。
「なんだこれ・・・?」
そこには明らかに誰かが作ったような木製の樽?のようなものが置いてある。
この獣たちはこの樽の中の匂いに集まってきたようだ。
しかし、何のために・・・?
こいつらの肉が美味しくないことは俺自身が身をもって知っている。
他にこんな迷惑な奴らを集める理由は?
ん?『迷惑な奴らを』集める?
まさか・・・
だとしたら、こんな場所にいるのは危険だ‼︎
こんな事をする理由はおそらく・・・
「害獣の駆除・・・‼︎こいつらを一掃するために一箇所にまとめた場所に何か仕掛けてるはずだ‼︎」
その時、遠くの方で人の声が聞こえた。
「極大魔法 『プロミネンス』発動です‼︎」
そして、辺りは炎に包まれた。
読了ありがとうございますm(_ _)m
まだ続きますよ(笑)
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