01-01 VRMMO貰いました
放課後―――目の前に勢いよく、ファンタジー世界によく出てくる魔法書みたいなサイズのケースが置かれた。
「あの……なにこれ」
俺は突然の出来事に目を白黒させた。そして置き主の少女にこの魔法書の正体を問いただす。
すると少女は、
「これは今日発売されたVRMMOの Sky Field Online だよ!」
とにこにこしながらそう言った。
あるところにゲーム好きの一人の高校生の少年がいました。その少年には彼と同じくゲーム好きの幼馴染の少女がいました。
ある日、少女が一つの魔法書もとい何かのケースを持ってきました。少年が疑問に思い、これはなんだ、と質問すると少女はこう答えました。
今日発売のVRMMOだよ!
どうやら少女は少年と一緒にこのVRMMOというゲームを遊ぶために自分のものと合わせて二本買ってきてくれたようです。
少年は幼馴染に対しての小言がてら、いろいろと今までの流れの不審点をあげましたが少女はにこにこ笑い、帰ってこのゲームで遊ぼう、としか言いませんでした。
仕方なく少年は家に帰り、少女が買っきてくれたゲームを遊ぶことにしました……。
そしてその少年は―――
ただ今、少女が買ってきてくれたゲームを始めようとしている最中です。
「しかしなあ、今日発売のゲームを放課後の時点で手にしてるっておかしすぎるんだけど」
持ってきてくれた幼馴染の顔を思い出しながら文句を言う。
……学校サボったんじゃないだろうな。
「まあ、俺がもともと興味があったゲームだから嬉しいんだけどね」
つまるところはこれで解決。
まあ、俺と幼馴染の間に壮絶な攻防があったことを今は流して、このゲームを楽しもう。
魔法書の中から浮かぶ大地が描かれたパッケージを出して開く。パッケージには一昔流行ってたCDみたいな形のディスクが入っていた。
ディスクを取り出し、一年前に買ったばかりのVRマシンのディスク挿入口にいれる。
高機動な音がマシンから流れ、すぐに準備オッケーを知らせる電源ボタンが点いた。
そして俺は最近主流になってきたヘッドギア型のVRマシンを頭にかぶった。
「うわあ……、Sky Field Onlineかあ。楽しみだなあ」
結局は俺もやりたかったんです。
早く遊びたいと高鳴る気持ちを抑えつつ、横側の青色に光る電源ボタンを押す。
すると目の前がが真っ暗になり、俺の意識は暗闇に落ちて行った―――