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第四章

挿絵(By みてみん)

 


 


GM (マップを広げて)この周辺の簡易マップがあるので、そこを移動しながら情報収集をしてください(※イラスト参照)。

 それと、マップ上のエリアごとに危険度が設定されています。危険度が高いほど、ハプニングの発生確率が上がる。ちなみに、危険度は夜遅くになると上昇するので気をつけてください。

一同 (マップを確認しながら)了解。


  ●簡易マップのエリア紹介


○冒険者の宿“朝露の薔薇亭”&自宅(危険度:なし)……ステラが経営する冒険者の宿。夜になっても、危険度が上がらない休息場所。

○歓楽通り(危険度:低い)……娼館が並ぶ大通り。中でも高級娼館“碧の森”がこの通りで一番である。夜がもっとも人通りが多い。

○“シルバーフォックス”(危険度:なし)……盗賊ギルドで、様々な情報をお金で入手できる。また、ザインがいればお金を借りることができる。

○市場(危険度:低い)……様々な合法的な商品が売っている広場。夜になると、市場も終わり人はほとんどいなくなる。

○闇市場(危険度:中)……非合法な商品も売っている裏通り。

○上級区(危険度:なし)……富裕層の住宅街。このエリアは衛兵が巡回している。

○路地裏(危険度:中)……貧民層の住宅街で廃屋寸前のものも多い。

○廃墟(危険度:高い)……10年前の大地震“迷宮大活性”によって完全に廃墟となったエリア。未だに復興はできておらず、その目処も立っていない。

○シマの中立地帯(危険度:高い)……“シルバーフォックス”と“夜会(やかい)”など、複数組織の緩衝地帯。“夜会”とは、蛮族が仕切る9つの組織の1つ。


GM こんな感じです。今は昼のちょうど12時ね。

マリー (出発の準備をしながら)……なあ、坊や。

メルト なんだ、マリー?

マリー 恐らく、“シルバーフォックス”のシマを荒らすなんざ新参者の馬鹿者だろうさ。

メルト ――そうだろうな。

マリー (メルトの顔を見据えて)……ま、ともかく変な情に流されるんじゃないわよ?

メルト へいへい、言われずとも分かっているさ(肩をすくめる)。


(マリー (マップを見ながら相談しつつ)さて、手分けでもするかい?)

GM その場合、なにかあった時には一人で対処することになるけど?

(マリー まあ、昼間なら危険度が低いエリアを手分けして回ってみるかねぇ。……坊やは、歓楽通りがいいかい?)

(メルト フ……嫌いじゃないな(ニヒルな笑み))

GM なんで格好つけてるの!?(笑) いい加減、どこに行くか決めてよ(笑)。


 *結局、マリーは市場に、メルトは歓楽通りに分かれて出発する。そして、マリーは市場の商人から情報を聞き出すことに成功する。


GM/商人 「……ああ、娼婦の引き抜きの件ねぇ。そういや、娼婦から噂程度に聞いたことあるけどなぁ。

 でも、普通は引き受けないだろ? なにせ、それを承諾した時点で“シルバーフォックス”の裏切りになるから、よほどのことがなきゃしないと思うけどな――――」

マリー (思案顔で)なるほど、娼婦も命がけってことだねぇ。

GM そうそう。だから、その話を持ち出す方も聞く方もかなりの危険なんだよ。

 


 


GM さて、歓楽通りにいるメルトはどうする?

メルト そうだな……アーディリアにでも話を聞いてみるか。

GM 昼の12時だと、1時間かけてアーディリアを探したが会うことができなかった。

 どうやら、アーディリアは15時からじゃないと起床していないようだね。あと、夜は娼婦の仕事があるから、なかなか会えません。具体的には、ダイス運です。

メルト そうか。この時間はアーディリアからすれば、まだ早朝なのか……。


 *このように、このシナリオでは各エリアに情報提供者が何人かおり、さらに情報を得られる時間帯が決まっています。

 情報を得ても、得られなくとも1時間は経過。ハプニングが発生した場合も1時間経過します。メルトたちは、GMが設定したタイムリミットまでに事件を解決することができるでしょうか……?


(メルト アーディリアに会える時間まで後少しあるし……どうしたもんかな?)

(マリー 合流でもするかい? ……今、気づいたけど。あたしたちは待ち合わせとかなにも決めずに分かれたわね?(苦笑))

GM っと、そういや携帯電話なんてない世界だよね。今回はいいけど次回からは、待ち合わせの場所と時間を決めてね。

一同 はーい。

(メルト じゃ、この後に路地裏に行くつもりだし、合流するか(相談開始))

 


 


GM (相談した結果を聞いて)じゃあ、二人は歓楽通りで合流することになりました。ここで、市場から移動したマリーはハプニング判定をしておいて。

マリー (ころころ)ごめん、ハプニングに巻き込まれたわ(笑)。

一同 1ゾロか!(笑)

GM まあ、合流後なんで、まだよかった……かな?(笑)

 では、君たちが路地裏に出かけようとした時。歓楽通りの向こうから、いかにもチンピラな4人組が君らに目をつける。

  /チンピラ兄貴 「オイオイ。随分とイイ女を連れてるじゃないかよ、色男さんよぉ」

メルト (余裕そうに)ああ、うらやましいだろ? だが、これは人にはやらんぞ!

マリー (ハァ? という顔して)誰が、坊やのものだと?

GM/チンピラ兄貴 「だとさ。失せな、色男さんよ。――なぁ、姉ちゃん。奴のひょろいブツより、オレのデカい魔剣とヨロしくしよーぜ?(ニヤリ)」

メルト (オバサマ口調で)んまあ、下品っ!

マリー (二人のやりとりを見て)……はぁ(ため息)。

GM/チンピラ子分 「兄貴がそう言ってんだ。すぐに消えろ、カス!」と、メルトにすごんできます。

メルト いやー。貴方がたがボコボコになるのは、非常に忍びないんですがね?

GM/チンピラたち 「ひゅー、驚きだぜ。まさか、こいつは喧嘩を売られているってやつか?」「「「ひゃっはっは」」」と三下笑いをします(笑)。

マリー ……あたしは今、相手をしてやってもいい気分だがね。坊やはどうだい?

メルト (やる気なさげに)この街の住民として、汚たないモノは消毒しておくかなぁ。

GM/チンピラ兄貴 「(呆れたように)おいおいおい、たった二人で、オレたちとパーティーを開くつもりかよ!?」と武器を抜く。それなりに手練れっぽい。

マリー あたしらの顔を知らないとは、この辺りに来たばかりなのかねぇ(苦笑)。

メルト ま、ちょっとばかり運動しておきますか。

 


 


GM というわけで、戦闘になります。魔物知識判定と先制判定をしてください。


 *先制判定は余裕をもって成功。セージ技能はないが、こちらもなんとか成功する。


GM 敵データはチンピラ兄貴分が、レベル5の『腕利きの傭兵』。3人の子分がレベル2の『山賊の突撃兵』です。

マリー (敵データを見ながら、感心したように)へぇー。確かに、自信があるだけのことはあるわね。――でも、ここじゃそういうのが一番危ないのよ(妖艶な笑み)。

GM/チンピラたち 「(下品な笑みを受けべて)姉ちゃんみたいのが、一番危ないんじゃねぇのか? ひっひっひ」「「「ここは、兄貴が出るまでもねぇですぜ!」」」と声を揃えて、子分3人は前に出る。というわけで――どうぞ、倒してください(笑)。

一同 もう諦めた!?(笑)

 


 


メルト 俺は子分3人に近づいて《薙ぎ払い》。全員に命中して、ダメージは19点。

GM/チンピラ子分 それだと、HP4点残ります。

メルト さらに、《ファストアクション》で2回目の行動。同じく、《薙ぎ払い》!

GM/チンピラ子分 「「「ぎゃーー!!」」」と3人が綺麗に吹っ飛びます。

マリー 残ったチンピラに、近づいて《投げ攻撃》。(ころころ)ダメージは20点よ。

 「おやおや、どうしたんだい? なにもない所で転んで(不敵の笑み)」

GM/チンピラ兄貴 「(地べたを這いながら)くそっ、くそっ、くそっ!!?」

マリー 「(見下ろしながら)昼間から、酔っぱらっているのかい? いけないねぇ」さらに、《踏みつけ》で追加攻撃……ダメージは17点。

GM/チンピラ兄貴 「ぐ、ぞ……。ゆ、許さねぇ……このアマぁ!!?」と起き上がって、マリーに《全力攻撃》。

マリー (ころころ)そんな大振りじゃ、あたしに当てるなんて一生無理よ(くすりと笑う)。


 *そして、次のラウンドにチンピラは容赦なく倒された。


メルト (ころころ)ふんふーんふーん♪ ……しけてるなぁ(←戦利品入手中)。

GM ヒドイ!(笑)

  /チンピラ兄貴 「(マリーに対して)も、もしやあなたは、あの“猛毒の花”では!?」

マリー なんだい、あたしを知っていたのかい(苦笑)。

GM/チンピラ兄貴 「(絶妙な間で)へへっ(卑屈な笑み)」(一同笑)

 「いやぁ、姐さんがまさかご高名な御方だったなんて。

 ――ほら、あそこの店でうまい酒と飯でもやりながら世間話でもすれば、さっきのは軽いジョークだったって分かってくれますよ、ね?」

マリー 悪いけど、よそへ行ってくれ。あたしは、弱い男と知り合うつもりはないよ。

GM/チンピラたち 「そ、そうでしたか。じゃあ、オレたちはこの辺で」「「「失礼しやしたーっ」」」といなくなる。

 


 


 “猛毒の花(フラワーオブマリス)”――チンピラたちはその名前から、マリー・マリスの美しさとその強さをイメージしたに違いない。

 『美しいものには棘がある』……そんな綺麗な言葉を彷彿とさせる二つ名。

 しかし、その真の意味を知る者は少ない。

 それは、マリーが非力なエルフの少女であった頃の生き延びるための手段――その名の通りの“毒”――籠手に隠された“毒の仕込み針”のことを指していた。

 神官としても格闘家としてもそこに誇りはなく、生存手段がその名前の由来であった。

 力を身に付けた今のマリーは、それを使うことはほとんどなくなっていた。ただ、その名残として彼女はそう呼ばれ続けている。


 一方、メルトローズには二つ名や称号は存在しない。

 いや、正確には5年前に無くなった(・・・・・)のだ。

 殺し屋をやめたその時に、メルトローズはただの“メルトローズ”でしかなくなった。

 


 


 彼らはこのナインテイルと呼ばれる無法都市で生きている。

 ただ、ここに在り続けている……それだけで、彼らは汚濁を飲んでいく――――

 


 

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