『巨大プレスマンを引く地蔵』
貧乏なじいさまばあさまがあった。大晦日だというのに、米も味噌も何もない。一年働いて貯めた銭が三百文あるから、それで歳取り支度をしてくることにしたが、途中の地蔵堂のところで、お堂がひどく壊れて、お地蔵様がすっかり雪をかぶって真っ白になっているのを見て、これはいけない、俺は米や味噌がなくても歳は取れるが、こんな様子ではお地蔵様が気の毒だ、ということで、町でずきんやら前かけやらを買って戻ってきて、お一人お一人に着せてやると、最後のお一人の分が足りなかったので、自分の蓑笠を着せて、よく拝んで家へ戻った。
夜中になると、どこかでごろごろと大木を引くような音がするので、長者の家が、山から木を切り出してきたのかと思い、ばあさまと話していると、家の前でその音が止まった。
じいさまを呼ぶ声がするので、外へ出てみると、とてつもなく大きなプレスマンが横たえてあって、先端の金属のところを開けてみると、大判やら小判やら銭やらがざくざくとあふれ出してきて、じいさまとばあさまは急に長者になった。
教訓:雪が積もったところで、巨大プレスマンの金属部分に触れるのはつらい。




