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第零幕 ”お伽ばなし”語り  聖なる華に 堕つる泪よ・・・。

御神は唯一であり、永遠である。


それ故にか御神は、創造主であることもまたあらんやと。



そこになにか。

虚無に揺蕩うなにかを。

偶さかのなにかが。


掬うかのようなありかたで、御神は美しい花をお創りになられた。


それは無二の光を編んで創られ、御神の歓喜の雫を受けて愛くるしく咲き誇る。


御神はその花の全てを愛おしみ、存在そのものであることすら慈しみ、なによりも、なによりも・・・。

そしてその想い(あい)の深さ故に。

御神は果てぬ孤独を知ることとなり・・・。


御神は自らの深淵に永遠の孤独をもってなお、その彼方を想う己が身に絶望し、御自らが光に闇をくみすことに没する。


嗚呼。嗚呼。嗚呼・・・その哀哭の泪よ。


その慟哭から迸る雫に堪えがたきは。

御神は愛しき花を・・・何処いずこの彼方へと。

遥かなる在処へと・・・堕としたもう。


故に・・・。

御神の光の・・・その花は。

歓喜と憤怒、悲哀と謳歌の螺旋の渦にまみれ、華と化し、光の雫となって地に滴り墜ちる。


そして。

そこに人が生まれ・・・。


その華は母となり、地を慈愛あいす。


御神は地に墜ちた華を嘆き、天の光を注ぐをもって浄化の華をその花として懐に戻そうとするけれど。

母となった華は混沌(カオス只中に生まれしその邂逅にあらゆる慈しみをもって ”人として人を愛する” ことを。

そう在ることを。

その身の全てでもって乞わんと。

赦されんと。



御神は自らの咎故に、永遠に己が花を喪ったことを嘆じ、悲嘆かなしみの淵を彷徨いたもうて・・・・。


その後にや、地に咲く華に祝福を贈りたまわんことを。




御神のいとし子よ。


我が懐から零れ堕ちし光の雫よ。


聖なる力をもってそなたに遠とわの守護まもりを。


地の混沌にそなたが穢れぬように。

光の守護が永遠にそなたを包むよう・・・。




ここに始祖の国、セレフィロソネア皇国が誕生し、神の永遠なる祝福を受けた華が母として地に君臨する始まりとなる。

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