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第三話 願いの叶え方

ミオの願いを叶えるため2人はなんとか方法を考えるがなにも思いつかなかった。

そんな中、ミオがヒントを知っているようで

ミオの願いノートを見ると、授業で発表すると言う簡単そうなものやどうやって叶えさせようか頭を抱えるものもあった。

「う〜んどうしたら」

机で頭を抱えて悩んでいると、誰かに肩を叩かれた。

「ん?誰?」

「宮田、なんかめっちゃ悩んでるな、どうかしたか?」

「うん、ちょっとね」

「どうしたんだよ、いつも悩みなんてありませ〜んみたいに過ごしてるのに今日は頭なんて抱えちゃって」

「それは悪口として受け取るぞ」

僕がギロっと平野を見ると嫌だと気がついたのかまた肩を叩いてなだめはじめた。

「ごめんごめん、で、何に悩んでるんだよ、宮田」

「いや、平野の友達でオカルトとか話せる人いない?」

「う〜ん、こりゃまた変な質問だね〜」

少し驚いたような、笑っているような表情になりながらも腕を組んで考えこむと

何か思いついたのか指を弾いた。

「知り合いではないけど、確かこの学校の図書館の受付の生徒が幽霊を見たとか見てないとか」

「なんだよそれ」

僕はあまりにも不確定すぎる情報に肩を落とした。

「なんだよ、露骨に肩落とさなくてもいいじゃないか」

「わかってるよ、無理なお願いだったってのは」

「まあ、いくら顔が広い俺だってそんなピンポイントでコアな知り合いなんていないって〜」

「まあ、そうだよな〜」

二人で話していると、その横でミオがちょっと申し訳なさそうな表情をしていた。

「ああ、大丈夫だよ、僕はなんともないから」

「そうか、今度、悩み話せるなら俺に相談してくれよな、それは俺は予定あるから行くわ」

そう言って、平野は去っていった。どうやら、ミオにかけた言葉を平野が受け取ったらしい。

だが、伝えたいことは大体同じなのでまあ、よしとしよう。

でも、問題は残ったままだ。

ミオはこっちの声は聞こえるがミオから何か僕らに伝えることはできない。

ミオの願いは大抵が人との交流を求めているものだったため、会話ができないと

大抵の願いが叶えられないことになる。

その、1番重要な場所を考えながら、僕は昼休みいつものベンチでミオと話していた。

「う〜ん、確かに私が人と交流するのはほぼ不可能なんだよね」

「やっぱりか」

「うん、君が特別なだけで、他の人は私の姿も声も見たことも聞いたこともないからね」

ミオはノートを取り出して自分が書いた願いを見返している。

「考えても、僕にはわかんないからどうしようかなって、慣れてるミオなら何かヒントがあると思ったんだけど」

「待って、たしかだけど私、方法知ってるよ」

「そうなのか?」

「うん」

知っていると言う割にはミオは自信がなさそうに答える

「私、少しだけ人に取り憑くことができるはず」

「なんで、はずなの?」

「だって、怖くてやったことないんだもん!」

そう、少し怒ったようにこっちを向いてくる。

「そっ、そうなのか」

確かに、よく幽霊や妖怪が人に取り憑いて悪さをする、

と言うのは聞いたことあるがそれが彼女にもできるのだろうか?

「なあ、じゃあ一回、僕に取り憑いてみてよ」

そう言うと、ミオは首をブンブンと横に振った。

「いやですよ!それで宮田君が変なふうになったら私はどうすればいいんですか!」

「でも、気になるし」

「ダメですからね」

しかし、当の本人も気になっており、少し視線が泳いでいる。

「本当は自分も気になってるんじゃないの?」

そう、言うと少し目を泳がせた。

「まっまあ、宮田君がいいって言うなら一回試しにやってみてもいいかもしれませんね」

(案外、ちょろいな)

僕が心の中でそう思っていると、ミオはベンチから立ち腕を伸ばして人がよくやる幽霊のポーズをとった。

「うらめしや〜」

何か起こるのかと身構えたが、何も起こらない。

強いて起こったことを挙げるとするならば、ベンチで可愛がっていた猫があくびをしたことくらいだろう。

「それが、人の取り憑きかた?」

そう聞くと、ミオはだんだんと顔を赤らめて地面に顔を隠すように蹲った。

「ミオ〜大丈夫か」

「これが大丈夫に見えますか」

顔を隠したまま、そう答える。

「だって、取り憑くってなんか霊のパワーみたいなのが必要だと思って、

霊が霊の真似したらパワーが得られるかなって、」

そう言うと少し、ミオの姿が薄くなった。

「消えたいです」

「まっまあ、そんな失敗もあるよ、ねっ」

なんとか、ミオを引き止めた僕だったが、いまいち、取り憑く方法については思いつかなかった。

昼休みが終わり、午後の授業が始まっても、僕は取り憑く方法について考えていた。

(第一、取り憑くって本当にできるのか?

いや、実際の幽霊が言ってるんだからできるんだろうけど、その方法も知らなかったし、どうすれば)

考えているのもあったが今回の授業は先生の話がメインなためどうしても眠気に襲われてしまう。

必死に戦っていたが、負けてしまい瞼が下りてしまう。

すると、耳元でずっと名前を呼ぶ声が聞こえる。

「起きて!和葉君!」

目を覚ますと耳元にミオが立っている。

「ミオ?ああ、寝てたのか」

「授業中寝ちゃダメですからね、ほら起きて起きて」

そう言って肩をポンポンと叩くふりをしている。

すると、なんだかだんだんと意識が遠のいていく。

(あれ?なんか体がおかしい?)

眠るとは違って体が軽いようなふわふわすると言うような感じだ。

すると視界がだんだんと開けてきた。

「ここ、、、どこだ?」

気がつくと僕は知らない場所のベッドに横たわっていた。

「あら、美緒さん、起きましたか?」

そう言って声をかけてきたのは看護師さんだった。

さっきもミオと呼んでいたのでどうやらこの僕が見ている世界は生前のミオが見ていた景色だろう。

「あの、ここは?」

「あら、美緒ちゃん、まだ寝ぼけてるの?それとも調子悪い?最近は元気だと思ってたんだけどねぇ」

「いえ、少し、寝ぼけてるんだと思います」

「そう?気分が悪くなったら言ってよね」

「はい、ありがとうございます」

そう告げてまだ僕はベットに横になった。

「そういえば、私ってどこが悪いんでしたっけ」

「美緒ちゃんはね〜うん白血病って病気なの」

「白血病、、ですか」

少しの間、病室に沈黙が訪れた。

「でも、美緒ちゃん!最近薬とか頑張ってるじゃない」

すると看護師さんは僕の手を包むように握った。

「きっと、このまま、頑張れば、きっと治るわ」

「治るといいですね」

「ほら、あなたのことなのよ、そんな他人のことみたいに言わないで」

「はい」

そう看護師さんは言って病室を後にした。

それとほぼ同時にまた視界がぼやけ始めた。

まただ、また、感覚が変なふうになり気が付くと僕はいつもの教室の机に突っ伏していた。

「あっ起きたんですね!」

隣をみると、ミオが嬉しそうに笑っている。

「どうした?ミオ」

「私初めて、取り憑くことができたんです!気付きました?」

「まあ、不思議な感覚にはなったたけど」

「不思議な感覚?」

「ああ、いや、なんでもない」

また、ミオに嫌な記憶を思い出させてしまうかもしれないのでここは黙っておくことにした。

でも、ミオが言うには取り憑くことができたらしいがどんな感じなんだろうか。

それが気になってミオに聞いてみることにした。

「なあ、ミオ、取り憑くってどんな感じだった?」

「えへへ、聞きますか〜私としてはとても楽しかったですよ〜」

そう言ってミオはさっき自分に起こった出来事を話し始めた。


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