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裏の顔がヤバいイケメン君が狙う美少女を助けてから、気づけば彼のハーレムごとブチ壊して美少女全員オトしていました  作者: 本町かまくら


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第76話 準備は整った


 ※須藤北斗視点



「九条ォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 立ち去っていく九条。

 思わず地面に膝をつく。


「なんだよアイツゥ……俺様に、俺様に盾突きやがって……ふざけんな、ふざけんなァ!!!」


 イライラが止まらないィッ!!!

 ウザい! ウザいウザいウザいッ!!!!

 


 ――お前の考えなんてお見通しなんだよ



 ――甘めぇよ、考え方が



「ウガァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」


 お見通しだとォ⁉ 甘いだとォ⁉

 誰に言ってんだアイツはァッ!!!


 クソッ!

 世の中すべて俺様の思い通りのはずなのに……なんでアイツになるとこうも上手くいかねェんだッ!!!

 おかしいだろッ!!! バグだろこれェッ!!!



 ――だってお前は“手遅れ”だから


 ――もうお前に引き返す道はない。落ちていくだけだ。それがお前の未来で、定めだ



「アァ……アァッ!!! アァアアアアアアアア!!!!」


 

 

 ――これで“最後”にしよう、須藤




「グァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


 イラつくイラつくゥ!!!

 イラつくゥ!!!!


「今年どこが集客数一位になんのかな!」

「さすがに美少女四天王全員いるクラスじゃね⁉」

「あそこ客入りヤバいもんな!」

「確か閉会式で発表だっけ?」

「見れっかな」

「最悪配信で見ればいいでしょ」

「あぁ、そういえばなんかで生配信してんだっけ。生徒しか見れないっていう」

「すげぇな時代!」


 遠くから足音と共に聞こえてくる話し声。

 やがて……。


「ってうおっ! す、須藤⁉ 何やってんだこんなところで」


「ッ!!! うるせェッ!!!! 消えろカス共ォッ!!!!」


「っ⁉」


「い、行こうぜ! なんかやべぇよ!」


「お、おう!」


 ゴミを置いて、逃げるように立ち去る男子生徒たち。

 俺はその背中を睨みつけ、すぐにスマホで電話をかける。

 収めないと……収めないとォッ!!!



「今すぐに来いィッ!!!!」










 校舎裏にて。


「あんっ♡ 北斗様ぁ、激しっ……んんっ」


「ハァ、ハァ、ハァ……アァッ!」


 佳奈子の押し殺した声が小さく響き渡る。

 俺はひたすら腰を振り、心を落ち着かせた。


 最近はすぐに頭がおかしくなっちまう。

 さすがにクスリやりすぎたか……。


「おい佳奈子! お前が動け」


「は、はぁい♡」


 体勢を変え、快楽をひたすらに摂取する。

 セックスでしか得られないこの快感。

 俺の脳を刺激され、活性化されていく。


 九条の野郎はまだ死んだ目をしてなかった。

 家を燃やしたっていうのによォ……。

 いや、アイツの周りだけじゃダメだ。

 やっぱアイツ自身をぶちこわすような、デケェことを……。


 でも、動画作戦は失敗したわけだしな……いや待てよ。


「……おいおい、俺様天才じゃねェかwww」


 なに律儀に撮ろうとしてんだ俺は。

 もっと簡単に、楽にできんじゃねェかwww


「これでアイツを終わらせて……ヒヒッwww」


 これで終わりだァ……九条ッ!!!!


「おい立てッ!!! いくぞ……!!!」


「はいっ!」


「オラァッ!!!」


「ああんっ♡ ほ、北斗様ぁ♡ もっと……もっとぉ♡」


「オラよッ!!!」


 あとは念のため、“アレ”も用意して……。

 ま、使えばリスクを伴うが、持っといて損はねェか。

 それに何かあれば……使うしかねェ。

 そうすればアイツを必ず……!!!


「アハハハ……アハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!」


 これで最後にしよう、だっけ?


 それはこっちのセリフだ。

 明日で全部、終わりにしてやる。


 待ってろよォ……九条ッ!!!!!!





     ♦ ♦ ♦





 夜の十時。


 薄暗い地下室で電話を待つ。

 じっと机の上のスマホを見ていると……。


 ――ブー、ブー。


「はい、もしもし九条です」


『良介くん、待たせたな。これでようやく準備が整った。羽生さんも明日に向けて動き出してる』


「……そうですか。よかったです」


 ほっと息をつく。

 ほんの少しだけ体が軽くなった気がした。


『……ようやく。ようやく全部返せる。今まで情けねぇとこばっかで申し訳なかった。それにこんなに時間かかって……』


「荒瀧さん、謝らないでください。荒瀧さんがいなかったら絶対、ここまで辿り着かなかったですから」


 そう言いながら、近くでパソコンと向き合う二宮さん、そして瞳さんを見る。


「それに二宮さんが、瞳さんが、長谷川さんが、金光さんが、羽生さんが。そのほかにも大勢の常連さんたちが頑張ってくれたから、今があるんです。誰かが欠けていたら、絶対に成しえなかった。それほどに手強かった」


『良介くん……』


「むしろやってやったぞってくらいでいいんです」


『……ずずっ。あぁ、そうだな』


 少し間を置いて、荒瀧さんが言う。


『じゃあ最後まで頼むよ』


「はい」


 電話が切れる。

 それから俺は二宮さんの近くに腰を下ろした。


「急にお願いしてすみません。どうですか?」


「良介くんの言う通りっすね。計画に関しては問題ないと思うっす」


「“モノ”もできてるからねぇ。あとは、あっちがどうするか」


「間違いなく須藤は仕掛けてくると思います。だからこのまま実行でお願いします」


「了解っす」


 二宮さんがカチカチと作業を続ける。

 ふとパソコンから視線を外すと、瞳さんと目が合った。

 瞳さんがニコッと笑いかけてくる。


「明日、だね」


「……うん」


 明日だ。

 明日ですべてが終わる。


 長かった俺と須藤の“物語”が。




「――準備は整った。これで終わりだ、須藤」




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