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裏の顔がヤバいイケメン君が狙う美少女を助けてから、気づけば彼のハーレムごとブチ壊して美少女全員オトしていました  作者: 本町かまくら


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第60話 九人との戦闘


 「――萌子ちゃんはどこだ」


 そう言いながら、辺りを見渡す。

 ここにいる人数は八……いや、九か。

 萌子ちゃんも奥にいるな。

 パッと見、拘束された状態で気絶してるって感じか。

 よかった、何もされていないみたいで。


 それにしても、さっき須藤らしき声が聞こえたが……気のせいだろうか。


「ア? 誰お前」


 入り口付近に立っていた男が近づいてくる。

 しかし、


「おい、そいつは」


 もう一人の男に耳打ちされ、俺を再び見て驚いたように目を見開いた。


「こいつがあの……」


 さっきまで隙だらけだった男が立ち止まり、構える。

 なるほど。俺の情報があらかじめ共有されていたのか。

 ますます須藤が裏で糸を引いてる可能性が高くなったな。


「萌子ちゃんを解放しろ」


 力強く、圧と同時に言い放つ。

 しかし、男たちは動じることなく俺の動きを警戒していた。

 

「それはできない。瀬那宮子はどこだ」


「瀬那は来ない」


「ならこの子は解放できないな」


「……そうか」


 これまでの奴らとは“質”が違う。

 こっちも最初から全力で行くしかないな。


 俺は瀬那と約束した。

 萌子ちゃんは絶対に俺が助けると。

 今も不安を抱えながら萌子ちゃんの帰りを待っている瀬那を思うと、心がきゅっと締め付けられる。


 ……助ける。俺が――助ける。 




「なら、仕方がないな」




 その言葉を皮切りに、俺は萌子ちゃんに向かって駆け出した。


「行かせるかァッ!!!」


「オラァアアアアア!!!」


 入口付近の男二人が行く手を阻んでくる。

 同時に二人。

 顔を狙った右ストレートと腹部への膝蹴り。


「「ッ⁉⁉⁉」」


 その二撃を予測し、素早く避ける。

 面を食らっている隙に、拳と肘を使って男たちを戦闘不能にした。

  

 この間、わずか――五秒。


 バタン、と音を立てて男たちが倒れる。

 場に張り詰めていた緊張感が、一気に増した。

 さらに四人、俺を囲んでくる。

 間合いからしておそらくプロ。それも相当な実戦経験を積んでいるだろう。


 それぞれが視線を交わし、タイミングを見計らっていた――その時。


「ッ!!!!」


 俺は地面を蹴って一人と距離を縮め、みぞおちに飛び膝蹴りを食らわせる。


「グハッ!!!」


 地面に伏す男。

 陣形が乱れたところを、俺は各個撃破していった。

 ある程度のレベルまでなら、経験者の方が逆に動きを読みやすい。

 おかげで時間をかけることなく倒すことができた。


 一秒でも早く、萌子ちゃんが目覚める前に救い出したい。

 その思いが、俺を駆り立てた。

 もっと――速く!


「な、なんだこいつ……」

「動きが人じゃねぇ!」

「凄腕とは聞いていたが、まさかここまでとは……」

「あっという間に六人がやられたぞ!」

「ど、どうすんだこれ!」


 動揺する男たち。

 二人は今にも逃げ出しそうだ。

 俺は一歩踏み出し、さらに圧をかける。



「もう一度言う。――萌子ちゃんを解放しろ」



 俺の言葉でさらに緊張感が増す。

 戦闘において大事なのはプレッシャー。

 いかに相手の戦意、勢いを削ぐかが大事だ。


「クックックッ……アハハハハハハッ!!!」


 萌子ちゃんの近くにいる、大柄の男が笑い出す。


 おそらく年は三十代後半から四十代前半。

 相当な場数を踏んでいるのか、風格やオーラが他の奴らと違った。

 肉体も老いを感じさせないほど完成されている。

 こいつは手強い。


「さすがだな。聞いてた通りだよ。若いのによくやる」


 そう言いながら、男は怯える残り二人の下に歩いて行った。

 隙がない。

 今俺が動けば、確実に対処される。


「おいお前ら。何ビビってんだよ」


「え、えっと……」



「俺より怖いモン、あんのか?」



「「ッ!!!!!!」」


「ほら、早く行け!!!!」


 駆り立てられた男二人が、拳を握りしめて俺に襲い掛かってくる。


「オラァアッ!!!」


 殴り掛かってくる男二人。

 ――しかし。


「「グハッ!!!!」」


 攻撃をいなし、手刀を入れる。

 意識を刈り取ると、埃っぽい地面に顔から倒れた。

 感情任せの行動は、隙だらけなんだよ。


 ――あと、一人。


「うんうん……いいねぇ。最高だ。これほどの強者がまだいたとは……しかもこの若さで。素直に感服するよ。すごいねぇ、君は」


 話を聞きながら、攻め手を探る。

 しかし、なかなか道が見えなかった。

 やはりこの男――強い。


「でも、俺たちも仕事でやってんだ。高校生のガキ一人に負けてちゃあ面子が立たねぇ。だから悪いけど――痛い目に遭ってもらうぞ」


 男の雰囲気が変わる。

 これが戦闘モード。

 威圧感がケタ違いだ。


「俺を楽しませてくれよッ!」


 男が薄ら笑いを浮かべながら俺に襲い掛かってくる。

 

「ッ!!!」


 地面を蹴って一気に間合いを詰め、素早く拳を打ってくる。

 右頬をかすめる拳。

 当たったらかなりのダメージになるだろう。


「オラオラッ!!!」


 連続で俺の顔を狙って繰り出される攻撃。

 そのすべてを交わし、いなす。

 しかし、その男の勢いが落ちることはなかった。


「守ってばっかじゃ、勝てねぇぞッ!」


 交わしきれない距離にまで間合いを詰められ、力を込められた強い右拳が飛んでくる。

 俺は咄嗟に腕をクロスし、攻撃を受け止めた。


 ジンと痛む腕。

 やはり――強い。


「おいどうした? さっきまでの威勢の良さはどこに行っちまったんだよw」


 そう言う男の後ろに萌子ちゃんがいる。

 

 俺には責任がある。 

 萌子ちゃんを助ける責任が。

 瀬那とした“約束”を果たす責任が。




「――ウォーミングアップは終わりだ」




 額に滲んだ汗を拭い、男を睨みつける。


「ッ!!!!!!!!」


 顔を強張らせる男。


 終わらせよう。

 俺の責務を全うするために。



 

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