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裏の顔がヤバいイケメン君が狙う美少女を助けてから、気づけば彼のハーレムごとブチ壊して美少女全員オトしていました  作者: 本町かまくら


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第22話 クソ女に裁きを


 体育祭の最終種目が終わり。

 勝負が決した今、本部近くで人だかりができていた。

 

 その中心にいるのは俺と一ノ瀬、そして花野井。

 向かい合うのは、驚いた様子の千葉たち。

 ……まだ俺の体育祭は終わってない。


「は、は? 何言ってんの?w私たちがわざと怪我させた? そんなわけないじゃんwww」


「言いがかりはやめてくれる?w仕返しでもしてんの?www」


「そういうの最低だと思うんだけどww第一証拠はあんの?wwww」


 千葉たちが薄ら笑いを浮かべる。


「一ノ瀬」


「用意できてるわ」


 声をかけると、一ノ瀬が一台のスマートフォンをポケットから取り出した。


「これは本部の正面に設置されたスマホの動画よ」


「……え?」


「後で映像を全校生徒に配信するために実行委員会が設置したみたいね」


 映し出されたのはグラウンドを撮影した動画。

 その上部には本部があり、そして小さく花野井の姿が映っていた。


「こ、これは……」


「この動画は先輩が怪我したときのものだ。よく見ていてくれ」


 スマホをタップする。

 すると動画は再生され始め、動画内で花野井が看板を動かした。

 そして先輩がビブスを取りに来る。

 受け取り、立ち去ろうとした――その時。


「ッ!!!!!!!」


 動画を止める。

 静止したのは、決定的瞬間。

 俺は事実を確定させるために、ちゃんと言葉にした。




「看板を倒してるの、千葉だよな?」




 スマホの画面に映し出されているのは、千葉が看板を倒す瞬間。

 つまりこれは事故ではない。――千葉の仕業だ。


「こ、これはっ!!!」


「花野井が怪我させたように仕向けるために、わざと看板を倒して怪我させたんだろ?」


「そんなことッ……!!!」


「じゃあこの動画はなんだよ」


「それ、は……」


「咄嗟の行動で頭が回ってなかったんだろうな。でもばっちりと映ってたよ。見ての通りだ」


 代走に行こうとする前、グラウンドを見てこのスマホの存在に気が付いた。

 だから一ノ瀬に確認するよう頼んだのだが……大当たりだったようだ。


「言い逃れはできないぞ。さっきみたいにな」


「ッ……!!!」


 千葉が押し黙る。

 これは正論とかではなく“事実”。

 決して揺らぐことはない。

 何を言ったところで、だ。


「嘘でしょ……」

「わざと怪我させたってこと?」

「ってかあの子たち、別の子に罪擦り付けようとしてたよね?」

「だとしたら最低じゃない?」

「やっばwww」

「きしょすぎだろ」


 周囲がざわつく。

 それはあっという間に伝播していき、全員が千葉たちに蔑むような視線を向けた。


「わた、しは……」


 千葉が恐怖で震える。

 すると千葉の隣にいた佐藤と橋本が声を張り上げた。


「だ、だから言ったんじゃん! しない方がいいって!!!」


「私は反対してたし! ってか、私は看板倒してないし!!!」


「はぁ⁉ あんたたちも乗っかってたじゃん!」


「全部佳代子のせいでしょ⁉ 私たちのせいじゃないから!!!」


「佳代子のせいだ!!! 私たちは悪くない!!!」


「なっ……!!!」


 醜い仲間割れ。

 ――しかし。


「何言ってんだよこいつら」

「この子たちも一緒になって擦り付けてたじゃん」

「今更関係ないとか無理なんだけどwww」

「どんだけ汚いんだよこいつらw」

「マジ信じらんねぇわ」

「最低」


 周囲はそれを許さない。

 当たり前だ。


「そ、そんな……」


「嘘でしょ……」


 佐藤と橋本も状況を理解したのか、涙目を浮かべる。

 千葉は今にも泣きそうだった。


「さっきまで花野井は、この視線を浴びてたんだぞ」


 一歩前に出る。

 言わなければいけない。はっきりと、ここで。


「いくら花野井に嫉妬してるからって、花野井に罪を擦り付けるのは間違ってる」


 多くの人が見ている今、この瞬間。

 俺は千葉たちに向けて言い放った。







「花野井はこんなひどいことはしない。絶対にな」








「「「ッ!!!!!!!!」」」


 千葉たちがその場に崩れ落ちる。

 その表情は後悔と絶望で溢れていた。


 しかし、可哀そうだなんて思わない。

 だって千葉たちは、これを花野井に擦り付けようとしたんだから。

 そんなの許せるわけがない。

 許していいわけがないんだ。


 やるなら徹底的に。

 残酷でも、それが――正解だ。





     ♦ ♦ ♦





 ※須藤北斗視点



 俺は見てしまった。

 最悪の瞬間を見てしまった。


 崩れ落ちる千葉たち。

 その正面に立つ九条と雫、そして――彩花。


「…………」


 彩花は千葉たちを見ていなかった。

 雫を見ているわけでも、周りの人を見ているわけでもなかった。

 そして当然、“俺”を見ているわけでもなかった。


「あ、あいつ……」


 彩花がボーっとした様子で、熱っぽい視線を向けている。

 “あの顔”を、俺は知っている。


「まさか……」


 体がぶるっと震える。

 最近の不安感。それもあって、この予想が確信に変わっている。

 ……間違いない。



「九条良介ッ……!」



 あいつ……またやりやがったッ!!!!!!





     ♦ ♦ ♦





 ※花野井彩花視点



 体育祭が終わり。

 ようやく全体の片づけを終えて教室へ戻る。


 夕陽に沈んだ、静かな廊下を一人歩く。

 もう閉校ギリギリの時間だ。

 きっと生徒は誰も残っていないだろう。

 喧騒の余韻だけが、ふんわりと漂っていた。


 心落ち着く放課後の風景。

 しかし、私の胸は強く脈打っていた。


 どくんどくんと、鳴っていた。


体育祭クライマックス!!!

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