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婚約破棄され魔王のもとへ送られることとなってしまいましたが、そこで真実の愛を知ることとなりました。  作者: 四季


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10/10

10話「ここへ来て今日でちょうど二年になります」

 私がここへ来て、今日でちょうど二年になる。


 あの国から追い出されて魔王のもとへ送られるとなった時には欠片ほども想像していなかったことだけれど――私は今日ポポと結ばれる。


「まさか、まさか自分が、こんなことになるとは……エーメラ様と、だなんて……今も嘘みたいに思います」


 魔王と強制的に結婚させられるのだろうと思っていた時期もあった。しかし魔王は私の意思に反することを強要するような人物ではなくて。私がポポを愛していることを知ると、ポポと生きる道へ進めるよう背中を押してくれた。


「エーメラ様は陛下とご結婚なさるかと思っていました……」

「そうですね、最初は私もそれを求められるかと思っていました。でも違いましたね。陛下はとても温かい方です。私の望みを理解し受け入れ、さらには背を押してくださった。尊敬できる偉大な方です」


 私は結婚後もここで暮らす予定だ。

 それは私という存在に国を護る力が宿っているからである。


 これからは、愛する者と共に生きると同時に、その特別な力でこの地を護ってゆく。


「エーメラ様、どうか、末永くよろしくお願いいたしますッ!」

「こちらこそ。これからも仲良くしてください。お願いします」


 種族も、生まれ育ちも、異なる私たち。

 けれどもそんなものによって二人の絆が簡単に壊れるわけではない。


 共に生きるという幸せを見つけた私たちは無敵だ。


 この先にもきっと時に辛いことや山やら谷やらもあるだろう。でもそれも共に思いやりを持って歩んでいれば間違いなく乗り越えてゆけるはず。


 今のこの想いを、初心を、忘れないようにしよう。


 どんなことがあっても。

 どんな感情に揺れる時でも。


 新たなる道へと歩み出すその瞬間のこの気持ちを忘れないで歩もう。



◆終わり◆

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― 新着の感想 ―
[良い点]  ゆっくりと築きあげた信頼。  魔王様、本当に良い方ですね…。 >どんなことがあっても。  どんな感情に揺れる時でも。  大変な経験をしたからでしょうか。  何もないのだと思わずに、…
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