表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

9 データ収集

視点 スチールゴーレム

[火球](使1残5)

魔術師(ルース)が赤と青のスライムに火球を放つ。

すると、青のスライムは、そのまま前進。

赤のスライムは爆発を起こした。

熱波が流れてくる。

後、少し近づけていたら、皆巻き込む事に成功していただろう。

今回は魔術師に少し火傷を負わせた程度に終わった。


「な、あ、青スライムが……」

近づくスライムにルースが焦りを見せる。


「凍らせて。砕くから。火傷治療は後。」

司祭(フォニ)が呟きルースの前に出る。

どうやらフォニの方が肝が座っているらしい。


[凍結](使1残4)

素早い詠唱の後、ルースがブルースライムを指し示すとスライムが凍結し始める。

冒険者にして、正魔術師は伊達ではない。


そして叫び声と共にフォニが突進しメイスを叩きつける。

ブルースライムは割れ、露出した細胞核を更に粉砕する。

やはり清掃用魔獣では話にならない。

天井からの奇襲、通称スライムアタックが決まらないと簡単に排除されてしまう。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ボルドーさんは一体引き付けて!」

戦士(チカカ)が小盾を前に突進する。


スケルトンウォリアーは連携して迎え討とうと構えるが、横合いから商人(ボルドー)が時間差で突進し、一体はその対応に追われる。


ボルドーの一撃をチカカと同じ様な小盾で弾くとスケルトンウォリアーは逆襲に出る。

機械的に、だが正確に片手剣を振るうスケルトンウォリアーにボルドーは防戦一方。

時々切っ先が掠り血が滲む。


逆にチカカは巧みに片手剣と小盾を操りスケルトンウォリアーを追い詰める。

ときおり蹴りも絡めて、機械的対応のスケルトンウォリアーの間合いを崩し骨を削り取っている。

見た目ゴブリン相手の素人(おのぼり)戦士に見えたチカカは良く訓練された戦士の様だ。


「ㇰ、チカカ!援護してくれ!」

ボルドーの泣き言。

「僕が削りきるまで防戦に徹して耐えろ!」

激を飛ばすチカカ。

その様子は熟練冒険者の様だ。


もしかすると、親の片方もしくは両方が冒険者なのかも知れない。

データでは、人間は幼い頃より習得させる事で特殊技術を学ばせる事があるらしい。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「メェェェ!ブベ」(使1残29)

高い位置にあるヤギが魔術で強酸を吐きかける。


「なんじゃこりゃ」

正面から命中したドワーフの鋼鉄の胸甲が煙を上げ、飛び散った酸がドワーフの肉を焼く。


「ディッツの旦那!こいつは正面からじゃ手に負えねぇ!」

盗賊(ラアナ)がライオンの噛み付きを躱し、凌ぎながら叫ぶ。


「メェェェ!ブベ」(使1残28)


「あぶねえ!」

距離を取ったラアナに酸が吐きかけられる。

ドワーフは下がり、強酸のかかった胸甲を急ぎ外している。

酸が肉を焼く煙がたなびき、ドワーフの苦痛の声がする。


「なんか弱点はねぇのかよ!」

出来損ないの相手とはいえ、体術を使い1人で翻弄するラアナは腕利きだ。


「タイプ2aはマンティコアと違い細かい魔術の使用は出来ません。」

ラアナの問い掛けにデータからの情報を元に自動で返答をした。

直ぐに死なれては、戦闘データの収集が出来ない。


「ありがたい返答に涙が出そうだ、ポンコツ」

牽制攻撃をしながら、ラアナが叫んだ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ルースとフォニが、スライムを排除した逃げるぞ!」

穴の空いた胸甲を投げ捨てながら、ドワーフが叫ぶ。


スケルトンウォリアーも一体が倒され、タイプ2aは、残りのスケルトンウォリアーに攻撃を始めてしまった。


侵入者達は通路を走り始める。

追尾開始。

侵入者の追尾を始めた。

集めた戦闘データと位置データを発信。


一度は後方の隔壁を閉めたが、タイプ2aの誘導は行う。

侵入者が持つビーコンが故障しないとも限らないからだ。


「ポンコツが付いて来てるぜ!旦那」


「最悪、捕獲して持って帰れば金になる。攻撃して来ないなら気にするな。」

ドワーフが苦痛を押し殺し話す。


「休憩室があります。見学者の皆様。休憩なさいますか?」

中立のフリを演じ、なるべく情報を収集する。


許可なき見学者への対応プログラムに沿って音声を発した。

私の黒歴史がまた1ページ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ