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6 悪趣味

入口無き遺跡で転移した[鋼鉄の鍋]。

だがそれを眺める魔族の姿があった。


「ムッカ研究所に侵入者です」


人使いの荒い姉の急な命令によるサブロスの組み立てが終わり、やっと一息ついたと思っていたら助手が次の報告を持って来た。


シロスの組み立ては本部の連中で何とかしてもらおう。

そもそも、高機動ゴーレムは姉の研究範囲であって、私の研究範囲じゃない。

私の研究は、もっと有機的な魔獣作成とかに類する分野だ。


「転移陣の映像廻して貰える?」

眼の前のモニタに映像が映る。

ドワーフをリーダーとした6人組。

予定通りだ。


「モードをサイレントセキュリティにしてB1に誘導。[出来損ない]の檻をオープンに。」

助手に指示を出す。


「そういえばガーゴイルのストックってある?」


「ガワなら4つ。元々1機欠けてたので準備はしてました。」

私には過ぎた心得た助手。

自然と笑顔になる。


冒険者を捕らえ、人格をコピーして調整しダウンロード。

昔の様に自律型ゴーレムに一々教育しなくても良くなったのは技術の進歩だ。

姉の様な古い作成方法は高性能だがコストがかかり過ぎる。

5人もいれば1人ぐらい適性あるだろう。


「奴隷市場で冒険者崩れ買った方が安くつきませんか?」

助手が疑問をぶつけてくる。


「それが難しいのよ。お登り冒険者じゃ安いけど戦闘適性に欠ける事多いし、傭兵崩れって、そこそこ高値で市場じゃ足が付きやすい。」

姉は人間に嫁いだ未亡人のせいか、人間を駆除すべき害獣とは思っていない。


好きな研究を続ける費用が全て姉と姉の関係者からの援助である以上姉の心証は害せない。

ただ、そんな姉も人間の貪欲さには呆れているから、正当防衛(・・・・)仕方(・・)なく手に入れた人間には何をしても怒らない。

精々「目立ち〜すぎないように〜」と言う位だ。


「そういえば侵入者が[出来損ない]に負けたらどうします?」


「戦闘適性がないなら、そもそも成り立たない話だけど?」


「逆になったら?」


「実験スタート!」

助手と最終打ち合わせ?をした。


「そういえば、閣下から差し入れの揚げ芋が届いてます。」

助手がまだ温かい揚げ芋と冷えた麦芽酒を持ってきた。

私は常温黒麦芽酒より魔冷庫で冷やした竜人式麦芽酒の方が好きなのだ。


「必死になった人間をモニタで見ながら飲むって良いよね?」


「閣下には悪趣味と言われてませんでしたか?」

姉が何と言おうと良い物は良い。


助手と乾杯をし、モニタを覗きこんだ。

私の黒歴史がまた1ページ

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