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僕が私になった日。  作者: スラル
9/9

第五・五話 俺の最後の一日。

こんにちは、スラルです。

今回投稿させていただいたのは、ある意味、番外編にあたります。

詳しくはここでは言わないので、また後書きで会いましょう。

業を終わらせ、俺は帰路についた。

 俺は最志さいし 日糸ひいと二十四歳社会人だ。

 毎日、出勤して同じ仕事を繰り返す。なんの変哲もない普通のサラリーマンだ。

「疲れたなーー」

 疲れるのも無理はない、現在午後十一時。会社とマンションは近いので歩いて帰っている。

 同僚のミスで一部のデータが消えてしまい、同じ部署総勢でデータの修復などと今日は散々な目にあった。

 ぶっちゃけ、サービス残業だ。部長は定時になったら消えるように家へと帰った。

 ふざけるな手伝えよ――。

 家への帰り道、俺は昼休みの事を思い出した。

 俺は、コンビニにおにぎりとコーヒーを買いに行っていた。その道中、近道するために路地裏を通ることにした。その時、紺色スーツに身を包んだ男がいた。

「疲れているように見えますが、この疲れが取れる飴はいりませんか?只今、無料で配布中です」

 飴か――久しぶりに食べてみるか。

 明らかに怪しいが、疲れが取れるならもらっておくか。

 もし取れなかったら、訴えてやろう。

 黒スーツの男は、アンケート用紙を受け取ると、俺の右手に飴を握らせ、深々とお辞儀をした。

「ありがとうございました。ご武運をお祈りします」

 何を言っているのだろうか。スーツの男を背に俺は飴を頬張った。

「あ、うまい」


 ったくよぉ、全く疲れが取れてないじゃあないか。それどころか疲れたぞ。

 気のせいではなく、何と言うか体がだるい――。熱もあるみたいだ。

 自分のでこに手を当てると、びっくりするほど熱かった。

「やばい、ふらふらする」

 ここは住宅街の路地裏。あまり街灯はなく、どちらかと言うと暗い。

 近くではいつも工事が行われているが、明かりがついてないことから、もう終わってるようだ。今歩いて家まで、約十五分程度。タクシーなど来るはずもないので諦めて歩くことにした。

 しかし、だ。本当にヤバイ!壁に手をつかないと歩けないぐらいだ。

 なんだか体が痛いし、違和感がある。

 足がもつれてしまい、間違えて工事現場に入ってしまった。

 起き上がらないと。しかし、足に力が入らない――。

 俺は、近くにあった水たまりに移った俺の顔を見た。

 そこには、見慣れた俺の顔ではなく、女の顔があった。

 なぜだかわからないが、不思議と脳の回転が速く、この女が俺だと直ぐに気づいた。

「なんだよ、コレ――?」

 誰もいない工事現場に女の声が響く。これは俺の声だな――。

 体中から力が抜けていく、眠い。寝ちゃいけないとわかっているのだが、瞼がゆっくり下がる。

 これが俺の最後。これが俺の()()なのだろう。


どうでしたか?

今回は、『飴』のよる別の犠牲者の話を投稿させていただきました。

ちなみに、これはプロローグに出てきたご遺体の記憶です。

僕の作品には、意外と伏線が貼ってあるので、意識して読んでいただけると楽しめると思います。

では、また次の話で。

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