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僕が私になった日。  作者: スラル
8/9

第五話 僕が署へ行った日。

お久しぶりです。

スラルです。

すっごい久しぶりに投稿した気がします。

はい。最近部活動が忙しくて投稿する時間がなかったんです。

急に話しかけて来た彼は、僕の親友の真神まこう 大和やまと

 僕の小学校からの親友だ。

 昔、実弥と僕と大和の三人で小学校を統一した懐かしい思い出がある。今も小学校では僕らは生きる伝説とされているらしい。

「ひっさしぶりに話しかけて来たと思ったら、急に何?廃美容院対策?寝言は寝て言え」

「廃病院探索!!」

 紛らわしいこと言うなよ――。

「明日って四時間授業で午後空いてんだろ?だから、近くの山にある廃病院探索行こうぜ!」

 明日の午後か――。

「おう、いい――」

 何故か言葉が詰まる。

「い――。いや、やめておく」

「そうかぁー。じゃ他の奴らで行ってくるわ」

 他の奴――。

「だめだ!」

「ど、どうした?」

 どうした?か。そりゃこっちの言葉だ。

 なんで、だめだって言ったか自分でも分かっていないのだ。

「そりゃあ、その廃病院がやばい所だからだ!」

「お、おう」

 大和が少しびっくりしながら頷く。

「廃病院って、近所のだろ?確か、あそこって人体実験とか違法手術とか、とりあえずやばいんだろ!!やめとくべきだ」

 なんで、そんなことを知っているんだ――。

「あ、あと!警察が立ち入り禁止にしているから、もし誰かに見られたら警察沙汰になるかもしれないし――」

 自分でも何を言ってるのか、わからなくなる。

「と、とりあえず!」

 わ、わからないけど、これだけは伝えないと。

「「絶対にそこへ行くな――。お前ら、死ぬぞ」」

「お、お前の声がかぶって聞こえたんだが――」

 わからなかった、なんでこんな事を言ったのか。

 でも、伝えることができて、なぜかほっとしている僕がいた。



「ふぅ~、プリントの整理終了!っと」

 只今、午後七時。

 私は職員室のデスクでプリントの整理を行っていた。

 来週から私たちの学年で初のプール授業が始まる。

 そのため、保護者には参加するか確認するプリントを書いてもらい、今日回収した。

 何人かは遅れて出したがどうにか集まった。

 今回一番遅く出したのは、青島渚さんだろう。

 彼は、私の受け持つクラスの少し変わった男の子だ。

 まぁ、理由は絶対にアレだろう。

 悩みに悩んで、結局プール授業を受けることにしたようだ。

 教師として、今回の件について今度改めて話を聞かないと。

 私は、旦那に今日は少し遅くなると連絡し、新しいプリント作りのためにパソコンと向き合う。

 改めて、今日起きたことを思い返す。

 今でも、渚さんが女の子になるという事実を受け入れ切れていない。今の私に出来ることはないだろう。

 いいや!生徒の悩みに寄り添うのが教師の務め。

 と、言っても。思いつかないのが現実だ――。

 ゆっくりと机に倒れ、大きなため息をつく。

「雪林先生、大丈夫ですか?」

 優しい声をかけられ、後ろを振り向く。

 教頭先生が、コーヒーの入ったカップを二つ持って心配そうな顔をして立っていた。

「これ、どうぞ。お疲れでしょう」

 お礼を言って、コーヒーを受け取る。教頭先生は私の赴任する結構前からこの学校にいる、ベテラン女性教師だ。

「渚さんの事ですか?確か、雪林先生のクラスでしたよね?これは本当に予想外でした――」

「えぇ、そうです。渚さんはクラス――いや、学校一の記憶力の持ち主です」

()()()()という能力でしたっけ?聞いた時があります」

「そうですね、彼の家系は少し特殊でして――」

 私自身、凪帆さんのクラスを一度担任したことがある。

 なんと言うか、ほんとに特殊な家計だ。

 そういえば。昔、凪帆さんがこんなことを言っていた。

『私の家って。特殊って言うか、昔から変なことに巻き込まれやすいんですよね~。()()()()を持つ私たちへの試練とか運命なのかもって私は思っています』

 それを証明するかのように起こった、今回の件――心労が絶えないわ。

「今回の件、先生はどうお考えですか?」

「あはは――。私は旦那みたいに刑事ではないので、何とも言えませんが――。私は精一杯、教師として渚さんをサポートしたいですね」

「流石です!そういえば旦那さんは刑事でしたねー。相談してはいかがですか?」

 旦那に相談する。

 確かにその手があったか!今日は帰ったら相談してみようかしら。

「アドバイスになったのなら光栄です。それでは失礼します」

 さすが教頭先生だ。広い視野を持ってらっしゃる。

 早速、旦那に相談があると連絡をして、仕事に再び取り組む。早く終わらせないと。



「くしょんっ!」

「どうしたの渚?風邪って季節じゃないでしょ、誰かに噂されてるんじゃないの?」

 噂されてるか――。

 心当たりがありすぎる。今日の僕は会話のいいネタになるだろうなー。

 今日は珍しく早く帰ってきた両親が苦笑いをしながら、夕飯を持ってきてくれた。

「今日もいつも以上に食べるわね、渚」

「そらそうだろ、腹減ってるもん」

「女の子はあまり、食べないイメージあるけどね~」

 そういわれれば、そんなイメージあるよな。


 翌日。凪帆と家を出ると、玄関のドアの前に歌志希と実弥が待っていた。

「おはよー、渚ちゃん!凪帆お姉ちゃん!」

「おはよ、実弥!」

 なんやかんや言って凪帆は面倒見がいい。

 そのため、僕と仲のいい二人を実の妹のように可愛がっている。学校では少しばかり有名な凪帆三姉妹などと呼ばれている。

「姉さん、おはよう」

 歌志希が少しもじもじしながら挨拶をする。

 今思ったら、寝坊しまくりの歌志希がこの時間帯に起きているのは珍しいな。

「ははーん、褒めて欲しいの?この時間に歌志希が起きてるの偉いわね」

 凪帆は、ゆっくり歌志希に近づくと、優しく頭を撫でた。なんかいいなこの光景。

 四人で他愛のない会話をしながら、僕らは学校へ向かった。

 さてと、今日は本当に憂鬱だ――。理由としてはアレだ。今日警察署に行くからだ。

 別に捕まるわけじゃないけど、いざ警察署に行くとなると絶対に嫌だ!

 ちなみに、凪帆の言っていた()()と言うのは、なんと雪林先生の旦那さんの事だった。何と言うか、凪帆は頭が回るのが早いな。

 今日は嬉しいことに四時間授業だった。学校に行ってみると、僕のうわさは学校中に広まっていた。まだ話したことのない先輩などからも視線を感じた。

 中等部にとどまらず高等部の生徒も知っていた。どうやら凪帆が言いふらしていたようだ。面倒なことを――。


「あ、最後に明日のお知らせします。明日は特別基礎体力テストがあるので体操服と大き目な水筒を持って来てくださいね」

 特別基礎体力テスト。

 確か、一年に一回だけある学校行事の一つで、入学式の時に、こんなのありますよーみたいな感じに説明され、どんな感じかは全く伝えられていない。

 結構楽しみだな――。


 帰りの会が終わったのち、僕は駆け足で家に帰った。

 家に帰ると、まだ凪帆は帰っていなかった。

 とりあえず凪帆のお古の服を着て待つことにしよう。

 昨日の放課後、昔着ていた私服を着たら凪帆に「ダッサ」と言われ、この姿の時は男物の服を着るのを禁止された。

 数日まで愛用していたパーカーを寂しげな目で眺めていたら、ドアの開く音がした。

「よっしゃー!仕事押し付けて来たー」

 おい、生徒会長。それってどうなんだ?

 リビングの扉を勢いよく開けて、凪帆が入ってきた。

「おー、今日はストリート系ファッションかー。いいね!写真撮っとく?」

「絶対にいい!って、写真撮るなぁ!!」

 撮らなくていいと言っているのに、凪帆はポケットから流れるようにスマホを出して、連写し始めた。

 それから数分。僕はいろんな向き、いろんなポーズで写真を撮った。

 なにこれ?

「ふぅ、満足満足!じゃ、ちょっと署まで来てもらおか?」

 満足そうな顔したり強面刑事の顔を真似したりと、面白い人だまったく。


 家から自転車で十分程度の所に、海風署は建っている。比較的に新しい警察署で近くに病院も建っている。

 正面から中に入って、受付の女の人に凪帆が何か話している。

「こちらでお待ちください。後ほど雪林刑事が向かいますので」

 受付の人に、ロビーの待合スペースへ通された。

「いやぁ、緊張するね!ここに来るのは前に、事情聴取された時以来かなー」

 え、何があったんだ前?姉弟の僕が知らないんだけど、怖いんだけどこの人。

「やぁ!君たちが凪帆姉弟かい?」

 少し早歩きで、二十代後半の男性が来た。多分彼が雪林刑事だな、おろしたてのスーツが似合っている。先生から聞いた通りの容姿だな。

「あ、違います『姉妹』です~」

「おい」

「あはは、妻の言う通り面白い子たちだね」

 一体、雪林先生は何を旦那さんに吹き込んだんだろう――。ろくでもない事だろうけど。

「ここで話すのもあれだから、どこか別の所で話さないかい?」

 こうして、僕らは署内にある喫茶店で話すことにした。何であるんだ?

「なんでも頼んでいいよ」

 本当か?大人のこういうところは好きだ。何にしようかな――。

 イチゴパフェにしようそこまで高くないしな、僕自身甘いものに目がない。できたら季節限定イロトリドリパフェが食べてみたいが、イチゴパフェの倍の値段だ、おごりでもかわいそうだ。

「あ!私、季節限定イロトリドリパフェで!」

 『遠慮』と言う言葉を辞書で調べて赤線を引けよ!と言いたい所だが、凪帆に何て言われるか分からないのでやめよう。

「お、おぅ。おいしそうだね――」

 雪林刑事、少し引き気味じゃないか!やめよ?今からでも遅くないし。

 しかし見てくれ、凪帆の目を、悪気など一切ない!悪い意味での純粋な目だ。

「本題に入っていいかい?」

 さっきまで、引き気味な顔をしていた雪林刑事が、改まった顔をして僕達の方を向いた。

「改めて聞いていいかい?君は本当にこないだまで男だった渚君かい?」

 僕の方を見る彼の瞳は、刑事としての覚悟を持った鋭い瞳だった。

「はい、僕は正真正銘。青島渚です」

「そうか。実際に見てみると信じられないな」

「ですよね。何か証明できるものがあればいいんですけど」

 ここ数日、僕は何でこうなったかの説明ばかりしているな。気が遠くなりそうだ。

「DNA検査をして科学的に確かめたいんだけどいいかな?」

 DNA検査か――髪の毛が必要なんだよな。でも、男の頃の髪の毛なんかもってきてねぇけどどうするんだ?

「てってれー、渚の部屋の中にあった髪の毛入りのビン」

「は?」

「いや、定期的に渚の部屋漁ってるから見つかったのよ。いるかな?って思って持って来た」

 マジかこいつ。目を見開き、隣でパフェを頬張る凪帆を見る。

 とりあえず、雪林刑事の持って来た小瓶に髪の毛を入れて、ビンと一緒に渡す。

「ありがとう。それと、今回どうしてこうなったか詳しく教えてくれないかい?」


 僕は、雪林刑事に今回の事を詳しく伝えた。

 雪林刑事は黙々とメモを取っている。

 しかし――。こんなバカげた話をすぐ受け入れるとは、何でだろう?

 一通り説明し終えたら、雪林刑事は考え込んでしまった。

「実はね、まだ世間に公表されていないんだが、意味のような性別が変わった事件が少し前に起きているんだ――。君はその事件に巻き込まれたと思う。捜査に協力してくれないか?」

 巻き込まれたか――。これも凪帆の言う()()なのだろうか。

 そして、少し小声で雪林刑事は事件の詳細を話し始めた。


いかがでしたか?

まぁ、前回よりかは平和ですね。

あ、もう少ししたら鬼ごっこ編を行います。

ほんとはダンス大会編が良かったのですが、少し『役者』が足りなかったので先延ばしにさせていただきます。

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