第二話 僕が一線を越えた日。
第二話です!
私自身、この小説のストックはたくさんありますので、不定期で投稿させていただきます。
僕がわけあってカメラを探していた時(理由は言わないゼ)、凪帆は自分の部屋に戻って何かを探していた。
ものすごくでかい音がする、何を探しているんだか――。
「渚ちゃーん!ちょっとおーいでー、さっきみたいな事しないからー」
「ちゃん付けすんなぁ!!」
さっきの事は思いだしたくないし行きたくない――。
かと言って、行かないと後が怖いからしぶしぶ行くことにした。
凪帆の発言は、ほぼ命令に近いのだ。僕の家の権力ランキング(今思ったらなんだそれ)では凪帆は二位だ。
ちなみに、一位は母さん、三位は妹、四位はペットのホタル、五位は父さん、最下位が僕――。
おかしいよね、なんで海外留学中の妹よりも下なの?意味わかんない!(これは毎月、母さんと凪帆が決めている)。
「あ、こっちこっちー。見て欲しいのがあるの」
階段を上がると、手招きをする凪帆が目に入った。彼女の手には、中学校の頃に凪帆が着ていた服があった。
「なにしてんの?こっちはそんなことしてる暇ないんだけど!てか、それ姉ちゃん着るの?年齢的にきついよ…」
「あんただって、くだらない事のためにカメラ探してるだけじゃない!てか、年齢的にきつくないですー私はぴちぴちのJKですー」
本当のぴちぴちJKは自分でそんなこと言わねぇよ。
「てか、くだらないって何だ!ロマンじゃねぇか!」
「くだらないロマンねぇ、これだから男は」
女子にはわからないだろうな!このロマンをよぉ!
「あとこの服は私が着るわけじゃないけど?」
「じゃ誰が着るの、莉凪?あいつは服に困ってないだろ」
ていうか、海外留学先の学校からけっこう支援金もらっているもんな、お金には困ってないだろうし。我が妹ながら、とても羨ましい――。
「違う違う、渚。あんたが着るのよ」
「は!?いや、ないない。女の子の服とか着れないし!」
「何言ってんの。今、女の子でしょ。きちんと着なさい!もちろん下着もね!」
そう言って、凪帆はウィンクをした。
いや、ダメだ!女の子の服もダメだけど、下着は越えちゃいけない一線だッ!!
「ぼ、僕はトランクスでいいよ!胸はさらしとかを巻けばいいし…」
「いや、ダメでしょ、こんな可憐な少女がトランクス履いてちゃ。ていうか、あんたのソレさらしなんかに収まらないでしょ」
凪帆はまっすぐ澄んだ瞳でパジャマ越しの僕の胸を見ていた。
こんな時に純粋そのものを体現したような瞳で僕を見るな。
今、パジャマの下には何も着ていない。それを凪帆は気付いているから見ているのだろう、すっげぇ恥ずかしい。
どうするべきか――ここは逃げるという選択しかない!!
「絶対に着ない!!」
僕はそう言い残し、素早く後ろを向き陸上部で鍛えた脚力を使い、部屋を出た!はずだった。
何か柔らかく温かい感触を感じた。ま、まさかッ!!
「どーこーに飛び込んでいるの?渚、かわいいからって許されるとか思ってないでしょうね」
「ば、バカなッ!さっきまで後ろにいたはずなのにッ。姉ちゃんが僕の足に追いつくはずないのにッ!!なんでだぁ!」
「あー。アレね、残像よ」
「残像!?すげーな、そんなのできたのかよ!」
いや、それよりも、もう逃げ場がない。一体全体どうするべきか――。
「さ、勘弁しなさい、私と莉凪、そして渚!あなたで三姉妹になるのよ!」
「やだ!絶対にダメ!それはダメなやつ!ってぎゃぁぁぁぁ!!」
全力の抵抗も虚しく、前のボタンを無理やり外してパジャマを脱がされた――。
「それは、本当に超えちゃいけない一線なんだぁぁぁ!!」
どうでしたか?
やっと日常系になってきましたね。
次回は、両親登場です!
それでは、また!