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クレア

目を開ける


そこでは牛と、女性が戦っている光景が広がっていた


女性はアリスとは対照的な赤い鎧を身に纏っている


何だこりゃ


「・・・間に合ったか」


間に合ったって如何言う事だ?


「時間がない、後で話―――少し時間は開くな」


時間が開く?手伝わないのか?


「手伝わなくとも大丈夫だ」


何故?


「姉様だからだ」


・・・パァドゥン?


「姉様だからだ」


待て、お前姉いたのか?


「いるぞ?妹達も、な」


いかほど?


「姉様と私も含め・・・二十と少しぐらいだ」


多い、俺に少し寄越せ


「やらん、既に私が付いているではないか

ご主人様の、な」


・・・俺、偶には主従逆転って言うのもいいと思うんだ


「ほう、下剋上か?」


おうよ、虐げられし者達の怒りと欲ぼ――ゲフンゲフン

・・・あー、怒りを教えてやるぜ


「今言いなおしたな」


煩い、いいから手伝うぞ


「やけに優しいな」


おうよ、女性には優しく、が俺のもっとーだ!


「私には?」


お前は・・・そうだな、喜べ

例外第一号だ


「・・・素直に喜べないのは何でだろうな」


そんな声を無視し、俺はさっきの方向に目を向ける


牛がこれまたデカイ斧を振り上げ――――振り下ろす所だった


やばい、話している暇なんてなかった


ここからじゃ間に合うかどうかわからんが竹刀を―――


投げようとした所でふと俺の手は止まる

何故なら、再び理不尽な物を見てしまったからだ


振り下ろされた斧を赤い鎧を着た女性が素手で受け止める


一日でここまで変な光景を二回見たのは多分俺が初めてだろう


・・・俺は遂に頭が逝っちまったのか?


「結構元からだろう」


煩い、だまっとれ


「冷たいな」


SI・RU・KA


目を擦ってから再び前を見る


やはりそこには変わらない光景が広がっていた


しかも女性は斧をだんだんと押し返していく


おーい、信じられねえ度が悪化してんぞ


・・・待て俺、冷静になれ俺、KOOLになれ俺


こんな事が現実に有り得るか?よし、有り得ないな


ならば夢だ!これは俺の夢だ!


だって普通小さいのは大きいのに押し切られる法則が―――


女性が牛の斧を奪い取り・・・投げた

投げられた斧は飛んでいき、直に見えなくなる


自分の頬をつねる・・・痛い

どうやら夢ではなかったようだ


・・・アナタ、ドコノ龍の紋章ヲ持った人アルカー?


そして女性は跳躍し左手で牛の角を、右手で肩を掴んだ


・・・いや、まさかな?


ふと、今不吉な予想が俺の脳裏に浮かんだ


出来ないと信じる、・・・いや信じたい


そして女性は暴れる牛の手を避けて牛の頭を―――”外した”


そう、それはまさしく”外した”という表現が似合うほど静かに―――牛の頭と胴体は外れた


・・・予想は当たった、当たって欲しくは無かったが


倒れる牛の胴体部分と共に、女性は着地し、こちらを見た


・・・俺は喰っても美味くないアルヨー?





「ああ、ここにお前をつれてきた理由は――――護衛だ」


護衛?誰のだよ


「ふむ・・・私と姉様だ」


「大丈夫、俺なんかいなくとも二人で何とかできるさ」


「お前のモットーはどうした?」


何?俺のもっとー?


素手で魔物を引きちぎれる人を女性とは呼ばんが?


「・・・酷い」


横で今まで聞いていただけの女性が言った


なぜ会話に参加できてるんだ?


「・・・読心術」


ああそうですか、皆さん初期装備かい


「本題に戻すが、積極的自己防衛もありだ」


・・・なんだそりゃ


「つまり、自分から掛って行ってもいいぞという訳だ」


誰が


「お前が」


誰に


「敵に」


何の理由で


「私達を守るために」


い・や・だ


「何故!?」


俺に徳がないし、そもそもお前ら二人なら十分に戦えるだろう?


「もし、私達が負けたら」


負けたら?


「お前が帰る方法が無くなるぞ」


what!?


「連れてきたのが私だからな、当然の事だ」


・・・元々選択肢なんてないんじゃねえか


「まあな」


はぁ・・・解ったよ、やるよ、やりゃあいいんだろ


「うむ」


その時のアリスのニヤケ顔は多分一生忘れないだろう

主に腹立つ記憶という事で


正「・・・また凄い人が出てきたな」


出てきたな・・・


正「・・・百話を前にしてこのテンションの低さ」


仕方ないだろう、受験だ


?「違うッ!貴様はそれを言い訳にしているにすぎないッ!」


だ、誰だ!?


?「悪ある時に我あり!正義を守る者!ジャスティメン参上ッ!」


露骨ですな


正義「言うんじゃないッ!こんなテンションの低さは直に解決してやるッ!」


中身はア――


正義「何か言ったか?」


イエ、ナニモイッテマセンヨ


正義「そうか」


次回予告!


正「”十二の翼をもつ者”、とは!?」


正義「次回ィ!戦闘開始!」


期待していてくれよ!


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