不穏
「絶対に勝つぞ!!」
正一郎がそう言うと周りの兵士達もそれに応える
・・・ふう、これなら少しは安心だな
そう思い、私は下界から上界へと意識を戻す
目を開ける
すると視界の端あたりからロキがこっちを見ていた
「おや、ロキじゃないか、如何したんだ?」
「下界観察は終わったのか?」
「ああ、たった今な」
「そうかい」
そう言うと、ロキはニヤニヤしながら黙る
怪しい、こう言う時は大抵何か有る時だ
「ロキ、何か言いたい事が有るんじゃないか?」
「お、良く気がついたな
第七級神アリス」
ん?聞きなれない単語が混じっていたような気がする
「まあな、お前がそう言う風にしている時は大抵何か有るからな」
「いい話と悪い話が有る
どっちも一つずつ有るがどっちから聞きたい?」
「聞く事は確定しているのだな
ならばいい話からで頼む」
「じゃあいい話だ
アリス、お前の神級が上がったぜ」
「本当か!?」
私は興奮を抑えずに尋ねる
まさか神級が上がったとは・・・
下がった者には申し訳がないが、とても嬉しい
何故なら高い神級の者ほどオーディン様に信頼されていると言う事
神々の遺産もより高い頻度で授けて下さるようになる
そして最後に・・・更に大きな加護を授けることもできる
「ああ、それにヴァルキュリア序列も上がったぜ、二位だ」
「そ、そうか!」
そっちも上がっていたとは!
序列が上がれば更にヴァルキリーフェイバーを上げる事が出来る
よし、そうと決まればさっそく鍵となる決意をさせねば!
Bは確か・・・忘れてしまったようだ
まあ調べれば直に解るだろう
まあ、お姉様方から神級と序列を奪ってしまった形だが仕方有るまい
この世は下剋上の世の中なのだよ・・・ふふふ
私は思わず笑いが込み上げてくるのを抑えきれなかった
「次は悪い方な
元序列一位、及び二位のセリア、リリアの死亡だ」
「は・・・?お姉様たちが?」
お姉様たちがやられた?
ヴァルキュリアの中でも一位と二位方たちが?
嘘だろう?
そうだ嘘か
なんだ嘘か
私の昇進も嘘か、
はは・・・そうか残念だな・・・
「お前の考えている事は解るぜ、アリス
嘘だと思いこもうとしてるんだろう?
だが事実だ、信じられないのは分かるがな」
「嘘だろう?ロキ
ははあ、さてはオーディン様に叱責でもされた鬱憤を私を騙して晴らそうとしているな?
騙されないぞ」
そうだ、あれだけ強いお姉様方が死ぬはずがない
殺されるはずもない
「事実だ」
ロキが笑い顔を止め、真顔で覗きこんでくる
「いいか?お前も噂ぐらいは聞いているだろう?
”十二の翼を持つ者”だ
奴が逃げたワルキューレ達と手を組んだ」
「・・・本当、なのか・・・」
「ああ、そして奴らはヴァルキュリアの、序列が上の奴から狙っている
お前は今は二位だが・・・直に一位になるだろう」
「クレア姉様がやられると?じょ、冗談が過ぎるぞロキ」
「事実だ、お前とは個人的に仲がいいと思っているからこう教えてやってんだ
・・・今すぐ正一郎を呼び戻せ、でなければ・・・死ぬぞ」
死ぬ・・・
私が?姉様達が?妹達が?
嫌だ、如何すればいい?
簡単だ、正一郎を呼び戻して私の警護をさせておけばいい
しかしそれでは戻った時にはリスティーナ王国は・・・
下界の平穏を取るか、上界の平穏を取るか
・・・どちらを選ぶか位、決まっている事だ
私は心を決め、顔を上げる
「お、決まったようだな
まあ、忠告はしたぜ?後はお前次第だからな」
そう言うとロキはいつもの調子に戻って言い、去って行った
正「こ・・・これは!」
そう・・・良く分かったな正一郎
これは魔法のランプ、とある呪文を唱えれば精霊が出てくる
正「願いは・・・叶うのか?」
ああ、何て言ったって魔法のランプだからな
ちなみに呪文は・・・ごにょごにょ
正「・・・なるほど」
理解したか?行くぞ・・・
呼ばれて飛び出て!
正「じゃじゃじゃじゃんっ!」
ボワ~ン
{我はシリアスの精、さあ、何なりと三つまで願いを聞いてやろう}
おお!シリアスの精!
{願いを言うがいい}
じゃあこの物語を暴走しない様に・・・
{無理だ}
は!?じゃあ俺にハーレムな展開が訪れますように
{無理だ}
・・・ならば俺が受験に受かりますように!!
{無理だ、それでは我は帰るぞ}
何!?何一つ叶えてないじゃないか!
{ちゃんと願いは”聞いた”}
詐欺だ!?
モワモワモワ~
・・・帰りやがった・・・
正「気にすんなよ、次回予告!」
(私の出した結論とは!?)
ア「そして本隊到着!」
ケ「次回、予想外・・・」
ラ「楽しみにしていてね!」