組名
(起!き!ろーーーーーーーーーー!!!!)
アリスの大声によって目が覚める
・・・頭が痛い
この痛みの原因は昨日の料理だろうか、それともこいつの声か
・・・両方な気がする
(”もーにんぐこーる”、成功だな)
ああ大成功だよ、お前の狙い通り朝から俺のテンションはがた落ちだよ
ついでに言っとくが慣れてない英語は使わない方がいいぞ
(ほれ、お礼はどうした?)
はいはい、ありがとよ
ついでに今度はもうちょっと良い起こし方にしてくれると更に嬉しいんだが?
(む、前回は高評価だったというのにか?)
前回は前回、今回は今回だ
(そうか、じゃあ次回は優しく囁く方法でいいな?)
ああ、今よりそっちの方がマシだろう?
軽く伸びをして起き上がる
そして目を開けた俺が最初に見たものは・・・惨劇だった
見渡す限りの人、人、人
しかも全て倒れた状態だ
「な・・・なんじゃこりゃ・・・」
一体俺が倒れている間に何が・・・?
☆
「だーっ!手前か!犯人は!」
「酷いよ正一君!・・・怨むよ」
二人が目を覚ました後に事情を聞くと
どうやら二人ともシェディの手料理をごちそうになったようだ
そして俺が昨日の真相を教えると・・・二人とも何故か俺に突っかかってきた
・・・俺も食ったんだがなぁ
ええい!悪いのは俺じゃない!・・・筈だ
「大体今何時d――――
ゴーン ゴーン ゴーン ゴーン ゴーン ゴーン
ケインの声はちょうどいいタイミングで鳴った鐘に遮られる
ゴーン ゴーン ゴーン
それは九回鳴って止まった
「九時だな」
「今ので分かってる!さっさと登録しに行くぞ!」
ケインが焦ったような声を出す
「期限って何時までだっけ?」
ラスティが尋ねる
「十時だ!急ぐぞ!」
そう言うとケインが駆けて行く
・・・あ、追わねえと
☆
「・・・で、まだ決まって無かったよな、組名」
俺が言うのを待っていたかのように二人は嗤う
「その様子だとお前らも考えてあるのか」
俺が言うと二人は縦に頭を上下させる
「・・・じゃあ決め方なんだが――――”これ”で決めるとするか」
俺は言い、拳を突きだす
「ああ・・・平和的で平等な・・・”これ”でな」
ケインも言い、同じポーズをとる
「負けないよ・・・”これ”は結構得意なんだ」
ラスティもやる気満々な発言をする
ってか”これ”に得意とかあるのか?
「いくぞ・・・」
俺が言うと二人も構える
「「「・・・じゃんけんポン!!」」」
☆
結果はラスティとケインがパーで俺がチョキ
「よっしゃあ!俺の勝ち!!」
俺が言うと二人が顔をしかめる
「くそっ!俺の”無敵無双”が!」
それって呂O?
「僕の”ラスティと珍獣達”が!」
ラスティ、お前どんどん俺達に対する遠慮が減ってないか?
「他にも”三角形の友情!”なんて物も有ったのに!」
意味不明だラスティ
昼ドラ的展開っぽいから止めような
「・・・まあいい、正一郎の案はなんだ?」
ケインが言う
「俺の案か?それはな・・・」
今こそ!俺が即興で考えた名前を披露する時!
「それは?」
「スターデストロイヤーズ!」
「おお!カッコいい響きじゃねえか!」
ふ、だろう?
我ながら傑作だ
「それも”えいご”独特の言い回しか?意味はなんだ?」
「そうだ、英語だ。意味は確か・・・”星壊し男”!」
・・・少し違うような気もするがな
「・・・まあ意味はあんま気にしなくていいだろ」
「響きを重視だね」
「おう、じゃあ登録してくるぞ」
そう言うとケインは受付であろう場所に走って行った
☆
―――――アレックス視点―――――
・・・面倒くせえ
「貴様!組長の私の意見が聞けないのか!?」
俺の事を誘ってきた男が言う
「私は貴方が組長だなんて認めて無いわ。私よりも弱いくせに」
もう一人の組員の女が言う
「何!それは聞き捨てならんぞ!
そもそも私が誘ったからこそ貴様は今出れるのであって――――」
「事実じゃない。それに、私はそこまで出たくもなかったし」
「この前は偶々だ!やりなおせば私が勝つに決まっているだろう!」
「どうかしらね?」
そう言って鞭を取り出す女
「少し懲らしめる必要が有りそうだな・・・」
そう言って周囲から魔力を集め出す男
・・・面倒くせえ・・・
何でよりにもよってこんな奴らと組んでしまったのだろうか・・・
(このチーム、ガタガタだな)
頑固者×2に傍観者×1だもんな
ア「俺に幸運はいつやってくるんだ・・・・」
来ないぞ、諦めろ
ア「畜生ぉぉぉ!!」
ぐほぉっ!?
≪アレックスの鳩尾への攻撃!痛恨の一撃!
サクシャは瀕死になった!≫
・・・誰、だ。お前・・・
≪ナレーターです、お気になさらず≫
じ、次回予告・・・がくっ
≪サクシャは 倒れた≫
(次回!対戦組み合わせ発表!
しかし!そこに現れる者が・・・
一体どうなる!?
次回!”馬鹿”
活目して待て!)