第二回戦”ルシア対アレックス”
「では次の試合を開始します!
ルシア選手、アレックス選手、両者前へ」
審判がそう言うと、両側の門からルシアさんと男が出てくる
この男は予選から入ってきた奴なんだろうな、知らんもん
「隣いいか?」
ふと、声を掛けられる
その方向を見るともう席に座ったケインがいた
って・・・
「聞いたんならせめて返事も聞けよな」
「どうせお前は断らないんだから一緒だろ?気にすんな」
そう言って笑うケイン
・・・まあ、断らないけどもさ
大体こいつはどんどん遠慮と言うものが―――――
・・・いや、最初から無かったな
「お!始まるぞ」
ケインのその言葉に現実に引き戻される
前を向いてみると二人とも既に構えた後だった
「始め!」
審判が言う
「壱の手”赤光”」
ルシアさんがそう言うと先端部分が赤く光る矢が飛んでいく
って――――
「おい、矢の場合ってどうするんだ?」
俺の疑問にケインが答える
「如何やったら勝ちになるか、か?
先っぽに塗料が塗りつけてあるらしいぞ」
「それが体に付いたら負け、ってことか?」
「まあそのへんは結構曖昧らしいけどな」
なるほどねぇ
また視線を前に戻す
すると―――――そこには片手をあげている男と・・・既に倒れているルシアさん
「あ!?何時の間にか決着がついてやがる!」
倒れているルシアさんが担架で運ばれていく
決着が早すぎないか?何したんだあの覆面男
(ほお・・・なるほどな)
アリスが納得とも感心ともとれる声を上げる
一人で納得してんな、何か分かったのか?
(ああ、ほんの少し、な)
何が分かったんだ?こっそり教えてくれ
(そうだな。例えばあの覆面男の魔法の属性とかな)
ああ、それでいいから教えてくれ
(珍しい奴だよ、”速度”だ)
・・・速度?んなもんもあるのか?
(ああ、弾状にして当てれば遅く、自分の体に張れば早くできる
そんな能力だ)
・・・ってそれ結構反則だろう
(かなり珍しいからな、少なくとも私は今までに十人しか目にした事は無い)
・・・恐ろしい、結構いるとこにいるもんなんだな
(まあ大丈夫だろう、魔法を二種類使える誰かさんほど反則ではない)
だってよ?二種類使えてもあんま意味無くね?
(そうでもないだろう、”光”と”闇”、伝説の二大属性を使えるのだから)
そうかねぇ?俺にはあんま意味が無いように思えるんだがな
・・あ、魔法って混ぜられんの?
(混ぜる?今までにない発想だが・・・出来るんじゃないか?根源は同じ魔力だしな)
なるほどね
俺は新しい魔法の構想を練りながら前を向く
すると審判が次の試合の準備をしている所だった
ん・・・なら行ってくっか
「ケイン、ちょっと席取っててくれ、俺トイレな」
「おう」
そう言って俺は席を立った
正「ルシアさん負けちゃったな」
負けちゃったな
まあ、仕方が無いか
正「なんでだ?」
アレックスの方が強かったって事だろ
正「あ、・・・作者ー!後ろ後ろー!!」
あん?・・・ルシア?
ル「なんでー私ー負けちゃったんですかー?」
アレックスの方が強いからだろ
ル「私もー最強にー」
ああ、無理無理、余ってっから
ル「そうですかー残念ですねー」
・・・ルシア?背後に黒い霧が見えるのは―――――
ル「幻視ですー」
・・・そうか?
ル「ええそうですー」
・・・で、なんでお前は笑いながら近付いてくるんだ?
ル「どうしてでしょうねー?」
え?ちょっと待て、まさかお前腹が黒い訳・・・無いよな?
ル「いやですねーそんな訳は――――無いですよ?」
何だ今の間は?
ル「気のせいですよー」
・・・だよな、俺はお前にそんな設定を作った覚えは無い
ル「そうですよー」
まったく、脅かしやがって
正一郎、お前からも何か―――――っていねえ?
ル「賢明な判断ですねー?」
・・・待て?俺とお前の間に何か情報の齟齬が無いか?
ル「どうでしょうねー?
ですけどー・・・」
ですけど?
ル「キャラクターが独り歩きする時って・・・ありますよね?」
ああ、有るあ―――――ってそれは俺の死亡フラグ!?
ル「かもしれないですねー」
おい、どこぞの鉈少女のように笑顔で近づいてくんな、いや来ないで!?
止めろ!?・・・腕はそっちには曲がらな―――――ウボァー
せ、せめて右腕は勘弁して下さい!!
あ、ちょ、やめ・・・ぬわーーーー!!
☆
正「ガクガクブルブル」
@「・・・・・・・・」
(・・・まあ、なんだ
・・・・・・似合ってたな)
正「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
@「バ、バットダ!鉄バットサエアレバ鉈少女トハ戦エル!」
(・・・作者、死んだな)
正「逃げてやる逃げてやる逃げ切ってやる!」
@「ムシロ、スタンガンダ!アレナラ・・・ナントカナル!」
(・・・気を取り直して次回予告だ!
二つの属性を混ぜる・・・
それは一体どんな事になるのか!?
次回!新しい属性
活目して待て!)




