潜入した人その三
え?短い?
そんな苦情は受け付けませんぜ?
―――――――――――アレックス視点―――――
「では次の試合を開始します!
ルシア選手、アレックス選手、両者前へ」
よし・・・行くか
選手控室の席を立ち、闘技場入口の方へと向かう
「アレックス選手ですね?」
そこに居る兵士に尋ねられる
「ああ」
「門を開けたら中央まで歩き、開始の合図を待って下さい」
兵士がそう言うと門が開いて行く
これ、どうやって開けてんだ?
そんな疑問を聞けるような時間は無かったので兵士に言われたとおりにする
歩いていると、正反対の場所にある門からも女が出てくる
弓使い、か
そんな事を考えている内に中央まで辿り着く
「両者、構え!」
審判が言う
女が構えたので俺も構える
「始め!」
「壱の手”赤光”」
女がそう言いながら矢を撃って来る
先の方が赤く塗られた矢が飛んでくる
俺は右にかわす
そしてそのまま近付く
「凍てつけー”氷床”」
それに気がついた女は正面の床を凍らせる
その氷は俺に向かってくる
典型的な遠距離型か
長引かせても何だしな一気に・・・決めるさ!
って言う俺は典型的な短期決戦の近距離型なんだけどな
薄くした魔力を手のあたりに集め、散布する
つまり、辺りに元からある魔力に自分の魔力を混ぜる
「”周囲速度減少”」
そして一気に手から濃くした魔力を放出する
・・・よし、成功
これは周囲の人間の体感時間をトコトン短くする魔法
そして・・・
「”加速・全体”」
こっちは俺の速度を速くする魔法
二つが合わさるとどうなると思うよ
正解は――――俺の動きが恐ろしく早くなるでした
って俺は誰に言ってんだか
凍っている部分の床を避け、女に近づく
へえ、随分の美人で
だけど・・・
俺は女の鳩尾を思いっきり殴る
ゆっくりと女は吹き飛んで行く
おお~、吹き飛ぶのも遅く見えるな
そんな事をしていても意味が無いので解除する
すると普通の速さで飛んで行き、落ちる
「勝者!アレックス!」
審判が言い、俺の片手を持ちあげる
正「・・・とことんあいつも反則だな」
反則の塊が何をほざくか
(まったくだ)
次回予告!行くぜぇえええ!!
正「外から見た時の今回の戦いは!?
次回!第一回戦第二試合!
期待してろよ!」