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厄日

「ここも、か」


(ここも、だな)


俺がやって来たのは料理店


しかし、行きつけの店が閉まっている時に限って


他の店も閉まっているというのはよくあることである


それにはこの俺、竹中正一郎も含まれる


「これで何件目だっけ?」


(7~8件目だな)


・・・そう、今の俺はそれが重なりに重なっている状態である


「・・・厄日だ・・・」


・・・・グー


腹が鳴る


それは仕方のない事だろう、もう約一日近く何も食していない


「材料が・・・材料さえあれば・・・」


俺はうわ言のように呟く


(情けないな、それでも男か?)


・・・あのなぁ?腹が減っては戦は出来ねえんだよ


(我慢しろ!)


無理だ!死ぬ!


(一日ぐらい抜いても死にやしない!)


あああ!し、死ぬうううう!


「如何したんですか?隊長?」


気がつくと目の前には少女が


「・・・隊長?」


俺は腹が減っているのも忘れ、自分を指さして聞き返す


「はい、・・・人違いでしたか?」


え~っとこの子は・・・


「もしかして、第二番隊隊長!?」


「ええと・・今は違いますけどね」


そう言って笑う


あ、可愛い


「どうしてこんな所に?」


「それは私が隊長に聞きたかったんですけど・・・隊長こそ店の前で足を止めてどうしたんです?」


「おお・・・よく聞いてくれた!」


彼女の肩に両手を置いて顔を近付ける


はたから見ると大変な事になっていそうだが知らん


今はこっちの方が重要なんだ!


「え!?え!?そんな・・・こんな人通りの多い所で!?」


何故か彼女は顔を赤くする


「頼む!飯を奢ってくれ!大至急に!!」


「へ?」


・・・まだ赤みの抜けきっていないその顔はとっても間抜けに見えた






「悪いね、奢って貰って」


「いきなりだったので驚きましたよ

でも、こんな事位だったら幾らでも言ってくださいね」


彼女は飯をテーブルみたいな所に置いてくれる


・・・グー


その食欲をそそる匂いに釣られ、腹が鳴る


「先に食べてていいですよ、おなか減っているんでしたよね」


そう言って彼女は微笑む


ああ・・・俺には貴方が女神に見えるよ


どこぞの傲慢、尊大、大馬鹿な女神とは段違いの素晴らしい女神にね


いっただっきまーす!!!


パクパクむしゃむしゃ


(おい!それは誰の事を言っているのだ!)


一拍遅れてアリスが反応する


ん?お前意外に誰が居るんだよ


俺は食べながらその問いに答えてやる


・・・・美味い・・・・・・


ああ、素直に美味い


”空腹は最大の調味料”


そんな言葉も浮かんでくる


だが、それを差し引いても十分すぎる美味さだった


「凄いね、料理上手なんだ」


素直に称賛する


ありがとうございます、とお礼の言葉を言って次の料理を作り始める





「御馳走様でした、・・・ふいー、喰った喰った」


「・・・凄い食欲ですね・・・」


彼女が俺の目の前に並べられた皿を見て言う


塔の様に重ねられた皿は今にも崩れ落ちそうだ


「いやー、約一日何も喰ってなかったからね、あんがと」


「いえいえ」


そう言うと彼女は皿をかたずけ始める


(喰い過ぎだ、太るぞ?)


大丈夫だ、俺はいくら食っても太らない体質・・・だと思う


流石にチョットだけ不安になる


(まったく)


帰ったら少し運動しよ・・・う?


体が少し支えられなくなる


(喰った後の昼寝は太るぞ?)


いや、昼寝な・・・んて?


あれ?おかしい・・・さっきからなんだか寒気がする 


というよりも、体の力が抜けていくような 


なんというか・・・しびれるような感覚だ・・・


本格的に体の姿勢が崩れ始める


(ん?どうした?いつもの元気が無いぞ?)


どさり、と体が床に倒れる


起き上がろうとしても体が言う事を聞かない


(どうした?おーい?聞いているか?)


・・・待・・て・・よ・?


何・・か・・おかし・・い?


薬、・・?


だと・・したら・・なんで・・・こんなこ・・とを?


まさか・・”ま・・た”・・か・・・?


彼女が皿を取りに戻って来る


「あら、やっと効いた?

効くのが遅いから体質かと思ったわよ

大丈夫、殺しはしない

連れてこいとしか言われていないから」


彼女の口調が変わる


・・ああ・・・やっ・ぱり・・・


今日・っ・・て・・・・厄日だ・・・・・・な


最後に見えたのは、見覚えのある”弓”だった


どうも、作者で――――


正「昇O拳!!」


ぶべらっ!


ま、またか・・・いったい何をする!


正「煩い!シリアスばかり書くお前に今日という今日は”鉄拳制裁”だ!!」


くっ・・・何と理不尽・・・だが、シリアスばっかなのもまた事実!


さあ!それで気が済むのなら―――――


正「元よりそのつもりだ!!”高速連続蹴り”!!」


ズダダダダダダダ


正「うらうらうらぁ!!」


ケ「す、凄え!作者が・・・浮いている!!」


(注、”若干”誇張表現が入っております


(次回予告だ!

連れ去られる正一郎!

一体全体何処へ行く!?

次回!拉致されて・・・

活目して待て!)


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