表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/169

反乱、その三”休息、そして悪夢”

ちょっとだけ暗いかもしれないお話

なかなかの名演技だったな、アリス


(ん?まあな、当然と言えば当然だな)


アリスが即答する


あの会談を結構カッコよく(多分)纏めた後


俺は自分の部屋に戻ってきていた


幸い、焼かれたのは市街地の方だったので、町の端っこにある俺の家には被害が出なかった


じゃあなんで戻って来たんだって?


・・・・一番の功労者は休んでおれ、とか言われてここに押し込められた(王に


いや、休みは嬉しいけどさあ・・・何て言うか、罪悪感が・・・ねえ?


(何に対する罪悪感だ?)


・・・街中で頑張って復興作業をしている人たちだよ


(いいのではないか?奴らにとってもお前は感謝の対象だろう?)


へ?なんで?


俺は感謝されるようなことはしていないつもりなんだが・・・


あ!解った!俺がカッコいいかr


(そうではない、税率を引き下げさせた事だよ)


税率?・・・ああ、六割に下げるとか言ってたなそういや


(それだ、それ。

奴らは七割に戻させるつもりだったのに六割に引き下げさせたのだ

それが感謝される理由だろう)


ふ~ん、じゃあ俺にはここで寝ていいという大義名分がある訳か?


(いいのではないか?昨日は眠れなかっただろう?)


よし、なら寝る!


(わかった、お休みだ)


ああ、お休み





・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・


あれ?ここは――――――?


・・・学校?―――に、子供たちと・・・俺!?


「なあなあ、おまえんちのじいちゃんってつよいのか?」


「え?つよいとおもうよ?」


「じゃあおまえもつよいのか?」


「う~んと・・・たぶんね」


・・・ああ、思い出した


俺の一番思い出したくない事が夢になってんのね


場面が歪み、体育館のような場所になる


そこで、防具を付けた俺が大の大人から一本を取った


「そこまで!勝者、竹中正一郎!」


まだ白髪の数も少ない爺が審判をしている


また歪む


「すっげー!つよいんだな!おまえ」


「えへへ・・・ありがとう」


小学生の時の俺が照れている


また歪む


「正一朗、またお前”ゆうだんしゃ”倒したんだろ?すげーな!」


「あはは・・・ちょっと手ごたえが無かったかな?」


・・・・ここまででいいよ、もう


思えばここまでだった、小学校四年生


次の場面には飛ばなくっていい


頼む起こしてくれ、誰か


また歪む


今度は教室


小学五年生、どうせ俺の力が怖がられ始めた頃だろう


思えばあの頃にあんな事しなければ・・・


・・・あの頃はあれでいいことだと思ってたんだよな


教室の隅で女子たちがひそひそと話をしている


俺は耳を閉じる


だが、所詮は記憶、その時聞こえていた事が聞こえなくなるわけではない


「ねえ、知ってる?」


「うん・・・聞いたよ、”また”正一郎君が暴走族を潰した話でしょう?」


「今度は50人以上一気に倒したらしいよ」


「その時に重傷者もでたとか」


止めろ


「ええ!?確かにここら辺を荒らしてて迷惑だったけどさ・・・」


止めろ


「それじゃあまるで・・・」


「しっ!止めなよ、聞こえちゃうよ」


そうだ、止めろ


「だって・・・それじゃあまるで”化け物”じゃない」


ズキン


胸が痛む


締めつけられるような痛み


また歪んで―――――




(起!き!ろーーーーーーーーーー!!!!)


俺の脳にとてつもなく大きな声が響く


「!!」


飛び起きる


体はいやな汗で濡れている


どのくらい寝ていた?俺は?半日ぐらいか?


・・・・あそこで止まってくれてよかった


またあんなの見させられても困るし、堪らない


気晴らしに窓から外を見て見る


外は、少し元の町に近付いてる気がした


空の色は赤、


夕焼けが綺麗、と感じるだけの余裕は今は無い


(やっと起きたか)


ああ、起こさせて貰ったよ、最高の目覚ましでね


(だろう?私の美声が寝起きから聞けるとは・・・この幸せ者め)


ああ、そうだな


(む?不機嫌だな、どうした?)


ん?ああ、なんでもないから気にすんな


ついでと言っては何だがアリス・・・俺がお前に宿題を出してやる


(む?寝起きそうそう変な事を言う奴だ。だが聞いてやろう、何だ?)


”謙虚”って言葉を百回書いて覚えろ、いいか?期限は一時間後だ


(却下だ)


煩い、多数決だ!光龍の分だけ俺の方が有利だ!


(ふ・・・私は立憲君主主義だ。お前の民主主義などで、私の行動は制限不可能だ)


おいこら、いつからてめえはそんな主義を掲げ出した?


(生まれたときからだ!)


んな訳あるか!餓鬼みたいなこと言ってんな!


・・・・はぁ、なんか怒鳴ったら疲れた


(実質的に声を出してない奴が何を言う)


知るか、俺のストレスを知らんお前に俺の崇高なる考えが――――――――


ゴーン、ゴーン、ゴーン


鐘の鳴るような音が辺りに響く


その町全体に響いたであろう音は6回鳴って止まる


今のは?


(六時だな、食事の時間だ)


・・・・ま、腹も減ったし、飯でも食いに行くか


・・・・・・・


正「・・・・・・」


はい、次回予告です!


正「は!?今の雰囲気は!?シリアスは!?」


やだなあ、お前がシリアス苦手って言ったじゃないか


正「・・・そうだっけか?」


ま、次回予告な


・・・正一郎!


正「おう!

しばらくは平穏が続くか?

それとも直に崩れるのか?

次回!俺の不幸な一日

期待しててくれよ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ