総力戦、その五”離脱と不信”
・・・仕方ないのさ、サロントプO♪
消えてしまったのは仕方ない、うん仕方ない
ってことで書き直し~
・・・・・・・・はぁ
・・・元と随分変わって短くなっちゃったな
「さて、後は退却するだけだな」
「そうだな、流石に十万ものニンゲンとは戦いたくない」
意見が一致したのでこいつの連れてきた兵と一緒に撤退だ
・・・あれ?こいつ名前なんて言うんだっけ?
「なあ、お前さ、名前なんて言うんだ?」
「ん?何だ?名乗って無かったか?
一度しか言わないからよく聞けよ?
アリエル=ルインだ」
へえ、初耳・・・って当たり前か
「んじゃ俺も名乗っとくよ、竹中正一郎だ」
「知っている、一度聞いた」
ありゃ、確かに一回言ってたな
「まあいいや、改めてよろしく」
そう言って手を前に出す
「!何か近付いてきている!」
そう言ってアリエルは急に顔が真剣になる
・・・・手が寂しかったが仕方ない
耳を澄ます
「・・・俺達には何も聞こえないが?」
「聴力強化魔法だ、そんなことよりも先ずは確認だろう」
「ああ、そうだな、確認はできないのか?視力強化魔法とかで」
「・・・見えてはいるが、旗がどちらの陣営のものだか分からない」
・・・・・・残念
(大丈夫だ、お前のよく知っている者たちだ)
ん?俺がよく知っている?それってどういう――――――
俺の考えていたことは味方の声に遮られる
「・・・見ろ!味方だ!」
「よかった!これで助かる!!」
「見ろよ!三千はいるぞ!」
・・・味方か、助かった・・・
「正一さん!無事だったんですね!良かった!!」
そう言ってシェディが喜んでいる
「ああ、援軍ありがとな、助かった」
「えへへ、私兵ですから三千しか居ないんですけどね」
そうか、私兵か・・・・ん?私兵?
「・・・私兵って、なんで?直轄兵ではないの?」
「あ・・・それは・・・その・・・」
「それに関しては私が話します」
シェディが口籠り、ガーネットさんが代わりに話しだす
「実は・・・援軍は出せないと言われたんだ」
「!?出せないと言われた!?如何言うことですか?」
「その・・こうなることを国王様は予測出来ていて
それでいてその報復戦の内に城をとる、って
だから、援軍に回すだけの兵力は無いって・・・」
「!!!」
・・・なんだよ、それ
つまりは俺達は囮か?
最初っから分かっててああやったってのか?
「つまり・・・囮、ですか」
「うん・・・正一の事はいい”駒”だったって言ってた」
・・・・・国の為に戦う奴を”駒”扱いだと!?
この戦争で何人死んだか分かってんのか!?
「そう・・・ですか・・・」
やっとの事でそんな声を捻りだし、行軍を再開させる
しかし、俺や隊長、そして兵達に国に対する不信感を植え付けたのは誰の目にも明らかであった
俺達はあの後、ケインやラスティ等の軍と合流し
アリエルの魔法で追手を回避しながら何とか帰還した
俺は帰還してすぐに国王に呼び出された
そして謁見の間に入っての第一声は・・・
「おお正一郎!よくぞ無事に戻って来た!私は嬉しく思うぞ!」
だった
・・・・凄いもんだ、もしも元の世界だったらオスカー賞もんじゃねーの?
それとも国王だったら誰でもこんな演技は出来るのだろうか?
「お主が包囲されたと聞いてから私はずっと助けに行きたいと考えておったのだ
だが・・・何分戦力が無くてな」
・・・さっきからずっとこんないい訳タイムだ
ラスティやケインの処罰は、無し
理由は俺を助ける為の出兵だったからだと
「それで、だ。お主には悪いが兵を休められる時では無くてな
・・・今手薄な敵の本陣を攻めてくれぬか?」
・・・・・・・・・結局それか
「すいません、兵達も疲労していますから・・・」
「む・・・それもそうか。では、ゆっくり休むがよい」
・・・・断れてよかった、流石に戦争なんか連続でやってたら気が狂いそうだ
あ、って事は・・・・明日からは休暇!?
ふっ、これぞ戦士への休息、ってか?
(明日の夜は呼び出しがかかっているぞ?)
・・・・・いいさ!一日だけの休暇を楽しんじゃる!
やっとシリアス終了!
正「燃え尽きたぜ・・・」
ケ「真っ白にな・・・」
ラ「わっー!ケインと正一君が白くなってる!!なってる!!!」
(・・・唯の白い粉を被っているだけ、とは言いだし辛いな)
オーディン「今回初めてここに入ったオーディンだ、よろしく
では、予告をするとしよう
久しぶりの休暇、正一郎は如何使う?
次回!ひと時の安らぎ
楽しみにしているといい」