総力戦、その二”それぞれの戦前”
・・・まだシリアスモードです
結構長くなる?
―――――――――――セノリ=ティルト視点―――――
行ってしまったか・・・
ふむ、やはりあの愚王には勿体無いな
あの歳でのあそこまでの冷静さ
敵の大将を目の前にしてのあの度胸
そして、あれ程までの忠義
そこに加え、戦の才
更にはこちらの最強の魔術師を倒すほどの猛者
・・・・まったく、いい”人材”だ
ますます惜しくなったわ
だが、抵抗が激しければ止むを得ん
うまく生け捕りに出来ればいいのだがな
―――――――――――シェディ=リスティーナ視点―――――
「何故ですか!お父様!!」
私は声を荒げる
「全ての砦や城の兵を結集すれば五万はいます!今からでも―――――
「落ちつけ、シェディ」
言葉を遮られる
「何故助けられる人を助けないのですか!」
「聞け、よいか?
敵は十万、こちらは精々五万だ
正面から行こうとひと呑みにされてしまうだけだ」
「ですけれど――――――――
再び遮られる
「だがな?敵の砦は今ガラ空きな所もある
そこを突けば簡単に落ちるだろう」
「それではまるで―――――
囮ではないですか、とは続けられなかった
だが、別の可能性が頭をよぎった
「まさか・・・こうなる事を予測して?」
「よいか?これが無駄に犠牲を出さずに済む方法なのだ
彼はいい”駒”だったが・・・残念だ」
その言葉で私は確信した
「ふざけないでください!人を駒扱いなんて!
皆さんを囮にして、見殺しにして、何が無駄に犠牲を出さない戦争ですか!」
「シェディ!二千と五万、どちらが大事か位は分かるだろう!」
「知りません!」
激情に任せて謁見の間を出る
外には待機していたガーネットが居た
「姫様・・・」
心配そうな声で話しかけて来る
「ガーネット、私の私兵は何人居ますか?」
「はっ!三千程ですが・・・」
「直に準備をするように言って、これは王族命令よ」
「な!ま、まさか姫様・・・・」
「逆らいませんよね?ガーネット?」
「は、はいっ!直ちに!!」
そう言うとガーネットは走り去っていく
待っていてくださいね、正一さん、直に助けに行きますから・・・
―――――――――――ラスティ=アマガルド視点―――――――
「何だって!?そんな状況に!」
「はい、陛下はこの機会に近くのチルド城を落とせ、との――――――」
「ふざけないでくれ!僕は戦友を見捨てられるほど腐っちゃいない!」
「ですが、王族――――
なんでも王族命令、王族命令か、ふざけるな
僕がそんな物に縛られてたまるか!
「兵を出すよ!準備して!!」
「そ、それはどちらに・・・」
僕の”元”戦友がおどおどしながら聞いてくる
「決まっているだろう!ミサキ砦だ!!」
せめて持っていてくれよ・・・
――――――――――ケイン=リーセンブルク視点――――
「はあ!?それは本当かよ!!」
「ああ、本当らしいぞ、残念だったな、ライバルが死んじまうなんて」
「ふざけんな!まだ死んじゃあいねえんだろ!!」
そう言って俺はそいつの胸倉を掴む
「だっ、だけどよ、無理だって!あれだけの戦力差で引っくり返るわけが・・・・」
「俺が行く!」
「お前一人で何ができるってんだよ
巻き込まれて死んじまうだけだぞ」
「ああ、そうかもな、だが行く!」
「そ、それに俺達には明日城を攻略しろって命が・・・」
「そうだな、じゃあその権限で命ずる、俺と一緒にミサキ砦まで来い!」
「な!?隊長だからって行き先の変更は・・・」
「許可されてねえってか?だが駄目、とも言われてねえんだろ?」
「・・・・・・・・・・」
「今から出発だ!準備しろ!」
正一郎・・・てめえ、勝手に死ぬんじゃねえぞ!
――――――――――竹中正一郎視点――――――
タッ、と地面に降り立つ
「あ、隊長、どうでした?」
聞いてきたのは第二部隊隊長
「駄目だったな、交渉決裂だ」
「そうですか・・・」
そう言うと、部隊舎へ戻って行く
さて、あの分だと敵は直にでも来るんだろうな
正面は・・・・・・・・俺がやるか
後の兵はここに籠らせて後ろや横からの兵を迎撃
一番それが良さげだな
だとすると問題は俺一人でどこまでやれるかにあるな
・・・・”光柱”で敵を殲滅・・・いや、密集してないとな
”インフェルノハンド”も駄目だ、此処森だぞ?
じゃあ俺も籠って籠城・・・却下、食糧が足りん
いや、焼いたのは俺だがな?
あ、不可抗力だぞ?俺に罪は無い・・・筈だ
・・・ゴホン!ともかく何処まで敵の数を減らせるかだな
援軍は期待しない方がいいな・・・
やっぱ光龍に乗って戦闘か
・・・まさしく龍の騎士
いや、ダジャレ決めてる場合ではない
さて、何処までやれっかね・・・
まだまだ!
正「続くぜ!」
ケ「シリアスモード!」
(何時の間にか増えてるし!)
シ「・・・あの人たちは放っておいて次回予告です
敵が着々と準備を進めている計画とは!?
次回!総力戦、その三
皆さん、期待していてくださいね」




