平和の崩壊
「ほら、機嫌直してくれよ」
「・・・・・・・む~」
え?今しゃべった人は誰だって?
それを話すには少し遡る
――――――すこし前―――――
「ほら、あれがレフレの武器屋ね」
その後、追いかけられなくなった俺達は
町をぐるりと見て回っていた
「へえ~どんなものが売ってるんですか?」
見るからにボロそうな店だけど
「例えば・・・魔法を防御できる盾とか」
魔法を防御できる盾!?
俺の心にクリティカルヒット!
「ちょっと見に行きません?」
「いいよ~」
で、俺たちはその店に向かって歩を進めた
ここまではいい
が!
ドン
「うわっ」
「きゃあ」
誰かとぶつかった感触
「す、すみません」
「い、いえこちらこそ」
見上げるとそこには――――
「「・・・なんでシェディ(姫様)が居るの!?」」
「あ!正一さん!ジェシカ!どうしたんですか?二人とも?」
「「それはこっちのセリフ(言葉)だ(です)!!」」
「いやあ、ちょっと自分の目で町がどんな感じか見てみたくって」
「仮にもお前は一国の主の娘だろう!?」
「ここはまだ、治安はそんなに悪く有りませんけど!危ないですよ!!」
「うう・・・外を見てみたかったんですよ・・・」
「「せめて護衛ぐらい付けろ(てください)!!」」
「・・・・・むう」
そんな感じのシェディの手を、引っ張って帰るジェシカさん
絵になるなあ
そう思わん?アリス?
(・・・・・・・)
まだ拗ねてらっしゃるのですか
(・・・・・・・)
お姫様~
(女王様とお呼び!!・・・・・はっ!)
ふっ、ちょろいもんだ
(ったく、だいたいだ、神が考えに考え抜いた末の結論を却下するとは何事か!)
だってデートだったし~
(私よりあんな奴の事を優先するのか!)
うん、するね
(・・・・・・・・・)
お~い?今のどこに傷ついたんだよ?
(・・・・・・・・・)
ま、いいか、飯食ったら直るだろ
(・・・・・・・・・)
帰りますか、城に
で、シェディはいじける
ジェシカさんは帰った
アリスは拗ねてる
と、いう状況なのですよ
「ほら、じゃあ、今度一緒に飯でも食いに行ってやるから」
「ほんとですか!?ほんとですね?!」
「あ、ああ」
勢いに押されて後退気味な俺
「じゃあ、機嫌直してあげます」
・・・・結局シェディの機嫌が直ったから良しとしますか
コンコン
「はい」
ドアを開ける
「正一郎さま、国王様がお呼びです」
・・・何だろ?
謁見の間の前まで来てドアを開ける
「王様、正一郎さまが来ました」
「よく来てくれた、正一郎よ」
王様が話しだす
「今、セルム山城にティルト帝国の奴らが攻め込んでいる
何とか籠城して持ちこたえているそうだが
あと5日も持たずに落とされるだろう」
「戦争・・・ですか」
「ああ、そうだ。行ってくれるか?」
・・・・・戦争か
行きたくないのが本音だ
今日みたいに、平和な日を謳歌していたい
けど・・・・仕方ないのかなぁ
多分断れないんだろうな
仕方ないか
「・・・受けましょう」
そして俺は2500人を率いて行くこととなった
相手は一万
こちらには今動かせる兵はそれだけしか居ない
・・・・・・勝てんの?