役目
・・・まあ、このまま放っておくわけにもいかないよな
風邪引く前にベッドに戻さないと・・・
取り敢えずシェディの体を持ち上げようと、俺は手を伸ばし―――
「・・・ぅん」
全力で身を引いた
・・・今のは、世界を狙えるレベルのバックステップだったと自負している
っとまあ、今はそんな事を考えていられる状況じゃない
さっさとこの部屋を脱出し、部屋の外で平然と佇んでいないと
もし見つかりでもしたら、その瞬間に俺の青春はグッバイだ―――
「・・・ぁふ・・・誰か、いるんですか?」
体を起こしたシェディが、目を擦りながら問いかけてきた
その視線は、ブレることなく俺を見据えている
終わった
・・・いや待て、幸いまだシェディは起きたばっかだ
暗闇に目が慣れていない筈・・・今の内に部屋の外に逃れれば・・・
俺は部屋のドアへの歩みを再開しようとして―――出来れば気付きたくなかった事実に気がつく
・・・・・・部屋出たら外の光でバレんじゃん
外に出れない
かといって、ここで待機してたらシェディの目が暗闇に慣れてしまう
まさに八方塞な状況・・・逃げ道は――――――無いか
これから起こるであろう惨劇
そして別れたく無かった物との別れを予想し、自然と目から水滴が流れ落ちる
・・・ぐっばい、マイ青春
「・・・正一さん、ですか?」
そして、死刑執行人の刃が振り下ろされた―――
・・・死んだな、こりゃ
☆
「正一さん・・・正一さんっ!」
「うおっ!?」
シェディがいきなり立ち上がったかと思うと、いきなり飛びついて来た
・・・なんだか背中に柔らかい感触が―――いかん、煩悩退散!雑念排除!
「私は、行かない方が良かったんでしょうか・・・?」
「へ?」
俺が心の中で何かと闘っていると、シェディが問いかけてきた
俺はその問いの意味が分からず、変な返事をしてしまう
「・・・私があの場所まで行かなければ・・・ガーネットたちはお父様の警護に全力を出せて・・・」
最後の方は涙声になっている
そこで、ハッと気がつく
・・・シェディは、国王が死んだ事を自分のせいだと思ってる―――?
そんなの―――
「私が・・・私がお父様を殺したような―――」
「それは違う、シェディ」
―――認められない
「シェディが居なきゃ、あの広場の兵士たちをすり抜ける事だって出来なかった」
確かに、シェディはあのドワーフたちとの戦いではお荷物だったかもしれない
だけども、人が人を助けたいと、救いたいと思う気持ちはそんなものじゃ測れないはずだから―――!
「それこそ、あの兵士たちにやられて
俺も、ケインも、ガーネットさんたちだって帰って来れなかったかもしれない」
嘘
例え国王を救えなかったとしても、あの四人があんな場所で死ぬはずが無い
だけども―――
「シェディは悪くない
むしろ、俺達五人の命を救ってくれた恩人なんだ
だから―――泣かないで、誇ってくれ
自分は、国の英雄を、兵士長を、親衛隊を救った、凄いお姫様なんだぞって―――」
そこまで言った所で、シェディの泣き声に遮られる
俺は、体の向きを変え、泣いているシェディの頭を撫でてやる
―――嘘をつくぐらい、良いだろう
国王を救って、感謝されるような英雄にはなれなかったのだから
せめて・・・姫を慰める騎士の役目ぐらい、嘘をついてでも立派にやり遂げて見せよう
ラ「儚き眼差しは優しさの表れ!
薄幸の美少年とは僕の事!
ラスティィィィ―――イエロォー!」
ア「その拳に乗せるは鉄の意思!
肉体こそが俺の武器だ!
アレックスゥゥゥゥ―――ブルゥー!」
ケ「その背に背負うは炎!
今!俺は眩しいほどに輝いている!
ケイン――――――レッドォォォォォッ!!」
ラ&ア&ケ「「「三人揃って―――準主人公戦隊!シュジンコウジャー!」」」
≪ドォォォォォン≫(背後で爆発)
・・・待て、めっちゃ待て、すっごい待て
ラ「?何?作者さん」
何だよその・・・ええと・・・
ラ&ア&ケ「「「準主人公戦隊!シュジンコウジャー!」」」
≪ドォォォォォン≫
ラ「のこと?」
名前言うだけの事に一々爆発要るか?
ア「何を言ってるんだ作者、要るに決まってるだろうが」
ケ「ああ、やっぱ名乗りには迫力が必要だからな!」
・・・さいですか
ラ「うん!って事でこのまま次回予告も行っちゃうよー!」
ア&ケ「「おうよ!」」
・・・何でお前らはシリアス入るとそんなにテンションがおかしくなるんだ?
ラ「さあね?強いて言うなら作者さんの性じゃない?」
・・・ま、俺もシリアスな空気が長続きするのは嫌いだけどな!
ア「じゃあ・・・いっちょ、パパッと次回予告を終わらせちまうか!」
作&ラ&ケ「「おー!」」
ケ「正一郎が姫様を慰めているその頃、丁度上界では大規模な侵攻作戦の準備が着々と・・・?
次回!徴兵!」
ラ「期待しててね!」
☆
セ「のう・・・最近、儂らの出番が少ないとは思わんか?」
アノ「確かにな・・・今回の本編の内容なら、私の出番があると思って期待しておったんだが・・・」
セ「何!?貴様!自分だけ抜け駆けしようと企んでいたのか!?」
アノ「ふんっ!父親想いの娘を持った者の特権よ!
貴様なんぞ、あの息子に一度も思い出されてはいないではないか!」
セ「ぐっ!
・・・それは、アレックスにまだ出番が回ってきていないだけで―――」
アノ「どうじゃろうなあ?
もし出番が回ってきても、貴様は思い出されないのではないか?」
セ「アーノルドォォォォォォ!!」
アノ「ふん、やる気か・・・いいだろうっ!」
・・・喧嘩するなら、お前らこの先出番無しっ!
セ&アノ「「もうしませんから、それだけは勘弁して下さい」」